ステンレスのキッチンは、キズやにおいがつきにくくて、掃除がラク。木やモールテックスの塗り壁との相性も抜群で、スタイリッシュなキッチンにしたい人にはピッタリの素材ともいえます。5年前に注文住宅を建てた日刊住まいライターが、5年間使ってきて感じたメリットをレポート。ステンレスの表面加工に採用した「バイブレーショ仕上げ」も参考に。

ステンレスに異素材をミックスさせたキッチン

夫と2歳になる娘と暮らす筆者。5年前に工務店で、延床面積26坪の小さな家を建てました。1階は生活の中心となるLDKや水回りを、2階は寝室や子ども部屋などの個室を設けた間取りです。

わが家は、LDKの扉をあけるとすぐキッチンが見えます。ですから、キッチンを家の顔になるよう重要視。こだわりをつめ込んだキッチンを造作してもらいました。

 

素材にもこだわりました。無機質なステンレスにシナ合板やモールテックスを合わせることで、ナチュラルな雰囲気にも合うキッチンに。

モールテックスはモルタル風の左官塗材で、撥水性があり水回りにもぴったりです。

 

ステンレスだと、汚れもにおいもつきにくい

上は引き渡し当時のキッチンの写真です。

キッチンのワークトップは、いつも清潔で掃除がしやすいものが理想でした。さまざまなメーカーを検討しましたが、昔からレストランの厨房で使われている耐久性に魅力を感じてステンレスを採用。

ほかにも汚れやにおいがつきにくいなど、衛生面に優れているところも決め手でした。

 

ステンレスには表面の仕上げ方法がいくつかあります。筆者は、地元のオーダーキッチン施工会社で見た、バイブレーション仕上げにひと目ぼれ。この仕上げに決めました。

バイブレーション仕上げとは、ステンレスの表面にランダムな研磨模様をつけること。光たくが抑えられ、かつ、高級感のある質感が魅力の加工方法です。

もともとキズに強いステンレスですが、バイブレーション仕上げによる、独特な模様と光の反射加減のおかげでしょうか。5年間毎日使ったキッチンでも、見つけるのが難しいほどキズが目立ちません。

ワークトップ以外もステンレスを採用

ステンレスは加工次第で好きな厚みや形に指定できます。筆者はシンクの四すみに少しだけアールをつけた形状にしてもらいました。

言わないと気づかれないところですが、見た目がすっきりした印象に。直角ほど角ばっていないためふきやすく、汚れもたまりにくいです。

 

ステンレスのワークトップに合わせて、引き出しの取っ手や棚受け金具、コンロなどもステンレスに。よく触る汚れやすい部分は、すべてステンレスのため、掃除は簡単。ふくだけでいいのでラクです。

コンセントカバーも、ステンレスにしてほしいと工務店に依頼しました。もし希望していなかったらプラスチック製になっていたらしく、地味ですがこだわってよかったポイントです。

 

ステンレスのキッチンを5年使った感想

ステンレスは性質上、指紋や油分などの汚れはつきやすいと感じています。しかしバイブレーション仕上げにしたことで目立ちにくく、筆者はあまり気にしていません。

また、たとえ汚れても、簡単にふき取れてストレスフリー。手入れはたまにステンレスクリーナーを使ってふくだけで、ぴかぴかになります。

 

こちらは暮らしてから5年が過ぎた、わが家のキッチンです。

ステンレス以外の木やモールテックスの部分は、新築のときと比べると、多少くすんだ印象ですが、いい雰囲気に落ち着いてきたと感じています。

そして、ハードに使っているステンレスの部分(ワークトップとシンク、取っ手など)は、とくにキズもなく、今も変わらぬ美しさをキープしてくれています。