時間がかかり、面倒な家事のひとつに洗濯があります。洗って、干して、たたんで、それぞれの収納場所に…。これをいかにラクにできるか考えたことがある人も多いのでは? 整理収納アドバイザーの三條凛花さんが実践する時短術を教えてもらいました。

洗濯を劇的にラクにする時短のコツ。仕分けることが重要

片づけをするときに大切なことは、「1度すべて出して分ける(整理する)」ことです。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。じつはこの法則は、片づけ以外にもとても役立ちます。今回は洗濯における一連の作業を時短にする「仕分け方」を紹介します。

(1)【準備】複数のカゴを用意する

必要なものを紹介します。なくてもOKですが、あったほうがハードルがぐっと下がります。用意するものは大きめのカゴを3〜5個くらいです。

サイズはレジカゴくらいを目安にしてください。もちろん、お手持ちのランドリーバスケットでも大丈夫ですよ。スタッキング可能なものをおすすめします。たくさん持っていても場所を取りません。折り畳めるタイプもよいですね。

わが家で使っているのはアデペシュの「ストッケージバスケット」という商品。サイズはレジカゴより一回り小さいくらい。1つ1700円程度とプチプラではありませんが、シンプルな形と色を気に入り、少しずつ集めています。

基本のやり方は、洗濯するときや取り込むとき、たたむときに収納場所や衣類別に分けてバスケットに入れていくだけ。分けたあとは、ひとカゴずつ空っぽにするように作業していきます。そうするだけで頭の中も整理され、はかどるようになります。

もちろん、1つの分類ごと洗濯できたらラクですが、何回も洗濯機を回せないので、この工程はあくまでどんな洗濯物があるかを把握するためにあるといいでしょう。このカゴは、取り込む際にも便利なので後ほど説明します。

(2) 洗う前に分ける

→干すときにラクになる

洗う前の仕分けは、ほとんどの人がしているかもしれません。また、汚れものを予洗いしたり、白いものと濃いものを分けたりしている方も多いのではないでしょうか。じつはそれ以外にもおすすめしたい分け方があります。

毎回するのではなく「洗濯ものをためてしまったとき」や「週末等にまとめて洗う人」に役立ちます。洗濯ものをためてしまったとき、どんなふうに洗っていますか? 一度に洗える量は限られていますよね。そんなとき、古いものから順番に洗ったり、上にある新しいものから手にとっていく人が多いと思います。
でも、いったんたまった洗濯物をすべてを床に出すのがとてもおすすめ。そして、「同じ形の服」に分けて洗うのです。これが干すときの時短につながります。

上の画像で、シャツ類はハンガーに、小物類はピンチハンガーに干すとします。どちらが早く干せそうですか? 答えはBです。
このように同じ種類の服に分けてから洗うと、1着1着にかける判断時間が減り、干すときの動きが一定になるため、時短になるのです。

(3) 干すときに分ける

→取り込む、収納するときにラクになる

2つめは、干すときにも分けること。とくに「ピンチハンガー」に干したものや、ハンガーに干してそのまま「かける収納」をするときに便利です。

なにも考えずにいきなり干すと、片づける場所(わが家では1階と2階で収納場所をわけています)がごちゃついてしまうので、後々大変です。

わが家の場合は、このように場所別にあらかじめ分けて干しています。もし、片づける場所が1か所にまとまっている人は、それをさらに細分化するのがおすすめ。人別や形別など自分に合った状態にしておきます。

取り込むときやたたむときに「これは1階で…これは洗面所に」というような判断をしなくてよくなりますよ。ただし、出勤前など時間がないときはこの作業をスキップしても大丈夫。

・取り込む際に、場所別に箱で分けるのも有効です

その代わり、上の画像のようにたたむ直前に場所別に分ける作業を行なうと同じ効果がありますよ。このように、日によって臨機応変にタイミングを変えるのがおすすめです。
どちらのタイミングだとしても、仕分けしてから片づけることで判断時間とムダな動きが減ります。同じ場所のものをまとめて片づけるため、往復時間も削減することができます。

(4) 取り込む/たたむときに分ける

→収納するときさらにラクになる

次は、乾燥機で乾かした場合や、乾いた衣類をたたんでから収納する場合におすすめの方法を紹介します。必ずしも必要な作業ではありません。次の3つに当てはまる場合に取り入れてみてください。

・カゴ内のアイテムが多い

・カゴ内にさまざまな形のアイテムが入っている

・共有ではなく、家族それぞれのものである

同じ場所に収納するアイテムで「ハンガーにかける衣類」「靴下」「下着」「ハンカチ」などが混ざっていて、しかもそれを人別に違う収納場所にわける…というケースでは、仕分けをしてから片づけたほうが時短になります。

このように、洗濯のさまざまな工程で「わける」家事術が活躍します。分類しておくと、収納もこのようにすっきりします。

ポイントは、「面倒だな」と感じる工程を決めておく。そんなときはカゴを用意して、一度選別する作業に集中してみてください。ひとカゴずつ仕分けしてから次の作業へ進むことで、むしろあれほど面倒だった作業がはかどるようになりますよ。