洗面所を家の中心にして、長く時間を過ごすリビングやダイニングからアクセスしやすい間取りの家を建てた日刊住まいライター。以前住む住まいに比べ、家事や子育てがラクになったと感じています。そんな洗面所にランドリールームのようなスペースをつなげれば、暮らしはいっそう快適に。詳しく語ります。

洗面所へのアクセスのしやすさは、家事&子育てに大事

現在、4歳と7歳の男の子を子育て中の筆者。妻とともに毎日家事と子育てに追われています。家事と育児をするにあたり、洗面所は、とても大切な場所です。具体的には、わが家の場合、以下のようなシチュエーションで関わりがあります。

・帰宅後の手洗い
・子どもの歯みがき
・汚れた衣類や靴の手洗い
・掃除に使う水の補給など

1年前に、大手ハウスメーカーで家づくりをする際に、妻が要望したのは「家事や育児のしやすい動線」でした。これを実現するために考えたのが、「洗面所を家の中心の間取り」です。

実際に暮らしてみて、家事と子育てに、どんなメリットがあったのか紹介していきましょう。

洗面所を家の中心にした間取りに

わが家は2階建てです。1階にあるのは、リビング、ダイニング、和室、主寝室、ウォークインクローゼット。2階にあるのは子ども部屋、屋根裏収納といった間取りに。

最近では、帰宅してすぐに手洗いができるように、玄関そばに洗面所を設置しているお宅が増えています。しかし、わが家は、あえて家の中心に洗面所をすえることに。

リビングやダイニング、脱衣所からアクセスしやすい間取りにしました。

洗面台を中心にして家事ラクになったこと

住んでみて実際に感じた、家事にまつわるメリットは、以下のようなものです。

・洗濯物が、2歩の移動で洗面台の収納に片づけられる
・上着以外の普段の着替えやタオルは、すべて洗面台に収納可能な仕組みができた
・衣類乾燥機(除湿器)の排水がすぐにできる

詳しく説明していきましょう。

 

わが家は、洗面所に接して脱衣所がある間取り。脱衣所には、洗濯機と衣類乾燥機があり、布団以外はここで室内干しをすることにしています。

いわばわが家の脱衣所は、ランドリールームを兼ねていると言えるでしょう(ちなみに、子どもの上靴や体操服など、汚れがひどいものは洗面所で予洗い)。

 

上着以外で普段着ている服やタオル類は、洗濯を終えて乾いたら、脱衣所でたたんで洗面台の収納に入れるだけ。つまり、洗濯家事が脱衣所と洗面所だけで、完結します。

洗濯物をたたむスペースは、予算を抑えるために造作棚をつくりませんでした。臨機応変に、洗濯カゴや収納の上を活用しています。

以前住んでいた賃貸の住まいでは、洗面所に収納はなし。わざわざリビングで洗濯物をたたんでいました(そのあと、個室の収納スペースやクローゼットの中へ移動する必要も)。今では、そうした移動の手間はありません。

 

ちなみに、わが家で採用した洗面台は、一条工務店オリジナルのグレイスドレッサーです。サイドには、衣類やタオルを入れられるボックス収納があります。

 

また、下部には消耗品を収納できる大きな引き出しがあります。両側に開く観音開きの扉に比べて、収納量や使い勝手がよいです。

この手のものは、ほかのハウスメーカーや市販品でもあります。したがって、わが家と同じ仕組みは、簡単につくれるのではないでしょうか。

洗面所を中心した結果、子育てにはどんなメリットが?

子育てについては、以下のようなメリットがありました。

・子どもが手洗いの習慣をつけやすい
・洗面所の子どもの様子がわかりやすい
・ご飯をこぼしてもすぐ洗える
・子どもの歯みがきのお手伝いがラクに

家族が長い時間を過ごすダイニングやリビングから、洗面所が近いと、やはり子育てがラク。以前の住まいと比べて、これを実感しています。

とくに、帰宅時やご飯前の手洗いの習慣づけがしやすかったです。妻が言うには、「前は、帰ってから手を早く洗いなさいと何度も言う必要があった。でも今は、洗面所がすぐ横にあるから自分で手洗いに行ってくれるようになった」とのこと。

また、洗面所が近いと、子どもがしっかりと手を洗っているか確認もしやすいです(以前の住まいでは、これができなかった)。

ご飯前の手洗いも、ダイニングの横に洗面所があるためすぐにできます。声がけが負担になっていた育児ストレスが、軽くなりました。

ちょっとしたアクシデントにも便利。食事中に子どもが服に食べ物をこぼしてしまっても、洗面所が近いと、手洗いや汚れた服をすぐ洗えます。こうしたことも、子どもに対するイライラを軽減させる効果がありますね。

 

次は歯みがきについて。毎日子どもの歯みがきをするのは大変です。しかも、子どもが2人いるため、何度も洗面所へ行く必要が(歯ブラシ作業、手洗い、うがい…いろいろあります)。しかし、洗面所とリビングが近いと、負担はかなり少ないです。

筆者は子どもの歯みがきのときに、歯間ブラシやフッ素を使った仕上げみがきをしています。子ども1人で2、3回往復しており、「歯みがきがいちばんラクになったな」と思っています。

LDKと洗面所が近い間取りは、子育て世代に便利

キッチンと洗面所や浴室が近い間取りだと、家事がしやすいと言われています。台所仕事をしながら、子どもの気配をうかがったり、家事を同時進行しやすかったりとメリットが多いからです。わが家の場合も、実際の距離は、5歩ほど。

 

また、洗面所を家族がいちばん長く過ごす、リビングやダイニングのすぐ近くにプランしたことも正解でした。これは、子育て世代にとっても助かる間取りだと思います(子どもの様子がわかりやすいので)。

家事や子育ての負担を少しでも軽くしたいと思ったら、家づくりの際は、洗面所の位置についても、じっくりと考えてみるとよいと思います。