2020年、静岡県吉田町の工場で消防隊員ら7人が死傷した火災について、警察は爆発的な火災の原因は洗剤に含まれる過炭酸ナトリウムから発生した大量の酸素とみていることが捜査関係者への取材で分かりました。

爆発的な燃焼によって消防隊員ら7人が死傷した吉田町川尻のレック静岡第2工場の火災をめぐっては、2023年4月28日、警察が生産する洗剤の管理を怠ったなどとして当時の工場の責任者2人を書類送検しました。

この爆発的な火災の原因について、警察は洗剤に含まれる過炭酸ナトリウムから発生した大量の酸素が工場内に充満したことで起きたとみていることが捜査関係者への取材で分かりました。警察などは過炭酸ナトリウムを使った実験も行い、室内に酸素が充満することを確認したということです。

一方、レックが設置した事故調査委員会は爆発的な火災は防火シャッターの開放により新鮮な空気が流入したことで起きた可能性が高いと、警察とは異なる原因を指摘しています。

警察は「工場内の防火シャッターは爆発時には閉まっていて、空気が入る余地はない」とレック側の見解を否定しています。