プレミアリーグ王者チェルシーは4日、フランス代表DFウィリアム・ガラスから「試合出場を強制されたら、オウンゴールを決めてやる」と脅迫されたために、アーセナルへの放出を決定したとの声明を発表した。

 移籍マーケット最終日(8月31日)に、イングランド代表DFアシュリー・コールとのトレードでアーセナルへ移籍したガラスについて、チェルシーは「彼は『試合出場を強制されたり、ルール違反で罰則が与えられた場合、試合でオウンゴールを決めるか、故意に退場、もしくは決定的なミスをする』と言って我々を脅してきた。それで、やむを得ず放出を決定した」と移籍の顛末を説明した。

 この告発について、29歳のフランス代表は全面的に否定している。

「とても驚いている。『チェルシーでのプレーを強制されたら、オウンゴールを決める』なんてことは、一度も言っていない。確かに、チェルシーを離れたかったのは事実だ。それについては、しかるべき時期が来たら説明させてもらう。おそらく、サポーターの不満を静めるために、今回のような嘘の理由を発表する必要があったのだろう」

 一方、チェルシーは、ガラス放出の正当性を訴える声明を発表している。

「ガラスについての真実を、サポーターには知ってもらいたい。彼は、ファン、監督、クラブに対する尊敬の念をまったくみせなかった。所属先を変えたとはいえ、これからもジョゼ・モウリーニョ監督のことを非難し続けるだろう」

 昨季はFAカップ準決勝で出場を拒否し、今季はプレシーズンのアメリカ遠征でチーム帯同に遅れるなど、クラブの規律を破り続けてきたガラス。それに対し、移籍直後に問題発言を暴露する声明を発表したチェルシー。両者の対立は、今後もさらにヒートアップしそうだ。