日光山輪王寺は3月から寺に伝わる秘宝である座った徳川家康の像を初めて一般公開しています。

 像は徳川家康が戦乱の世をおさめおよそ260年間、戦乱の無い平和な世の中の礎を築いたことから平和について考えるきっかけにしてもらおうと初めて公開されています。輪王寺によりますとこの像は命がけて行う最も厳しい修行と言われる千日回峰行を1799年に成し遂げた東京・上野にある竜泉寺の住職、堯淳が所持していたもので輪王寺が所有したいきさつや年代などは分かっていません。

 像の大きさは高さが9.8センチで幅が16センチ。公家の正装の衣冠束帯姿で鎮座する家康の上着の胸には徳川家の「三つ葉葵」の紋が描かれていて金箔の仏具の中に安置されています。

 また、一緒に展示されている白木の箱の背面には「仏さまが神様となってこの世を救う」という意味のお経が墨で書かれていて家康が「東照大権現」という神としてあがめられていたことがわかるということです。

 世の中や家庭の平和がなんであるか、考えるきっかけに像の公開は来年(2024年)の3月31日まで行われています。