早くてコスパ抜群、カスタマイズも自由自在な松屋のモーニングをご紹介します(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第15回となる今回、訪れたのは「松屋」です。

変幻自在かつコスパ抜群な「松屋」のモーニング

さまざまな外食チェーンで提供している朝限定メニュー。カフェやハンバーガーショップ、おそば屋さんなどはもちろんのこと、最近では焼肉店やラーメン店などでも独自のモーニングサービスを展開しています。

外食チェーンモーニングの定番といえば、牛丼屋さんの朝定食を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「吉野家」以外の大手3社は、たまごかけご飯と味噌汁の組み合わせで、300円以下のシンプルなメニューを提供しています。

今回ご紹介するのは「松屋」のモーニング「Wで選べる玉子かけごはん」です。たまごかけご飯に、選べる小鉢が付いて税込290円とリーズナブルなうえに、さらに生玉子を半熟玉子(温泉玉子)に変更できる、変幻自在かつコスパ抜群な朝限定メニューです。

食券を買って数分待てば、目の前に注文品が配膳される牛丼チェーンのスピード感は、時間がない朝にこそぴったりです。

松屋のモーニング「Wで選べる玉子かけごはん」290円


「Wで選べる玉子かけごはん」半熟玉子とミニ牛皿のセット。ライスは並盛(筆者撮影)

「松屋」モーニングの最安値メニュー「Wで選べる玉子かけごはん」の販売価格は290円です。

セット内容は、

・ライス
・生玉子または半熟玉子
・選べる小鉢から1品
・みそ汁

で、販売時間は午前5時から午前11時までです。

このメニューの最大の特色は選択肢の多さ。


選べる小鉢は4種類(出所:松屋公式HP)

まずは生玉子か半熟玉子(おんたま)のいずれかを選び、その後選べる小鉢を、

・ミニ牛皿
・納豆(ネギ付)
・国産とろろ
・冷奴

4種類からいずれか1品を選び、最後にライスのサイズを小盛、並盛、大盛、特盛の4種類から選ぶという3段階方式になっているので、券売機の前で悩むことのないよう、事前に何をオーダーするか決めておくのをオススメします。

今回、私は「半熟玉子」と「ミニ牛皿」をチョイス。松屋ではもともと生玉子と半熟玉子が同一料金なのですが、他店だと半熟玉子のほうが高いことも多いため、私は半熟玉子を選びがちです。

ミニ牛皿を選べば、ボリュームアップ、コスパも抜群。納豆やとろろ、冷奴は、ヘルシー嗜好の人にオススメです。

ミニ牛皿は単品価格160円、国産とろろは単品価格150円、納豆と冷奴は単品価格100円と、かなり価格差があるので、ケチな私はついついコスパで選んでしまいます。

自社精米したライスと甘めの味付けの牛皿で、お手頃価格の小さな贅沢


「ミニ牛皿」。同行他社よりも味が濃く、甘めの印象(筆者撮影)

「松屋」の「ミニ牛皿」。牛めしに載っている肉の量と比べると少なめですが、朝にはこれぐらいがちょうどいい。醤油ベースの濃くて甘めの味付けに、大きめサイズにカットされた玉ねぎの旨味も後押しして、ご飯がすすみます。


半熟玉子はお皿に割った状態で提供されるので、手を汚さずにすぐに食べられます(筆者撮影)

半熟玉子の黄身はねっとりとろり、白身はサラサラの絶妙なおんたま具合です。生玉子やゆで玉子にはない、黄身の濃厚さがたまりません。


イートインの際は、丼・カレー・定食などのごはんメニューに無料でみそ汁がついてきます(筆者撮影)

油揚げとわかめのシンプルなみそ汁は、あえて薄めの味付けになっており、濃い味のメニューが多い「松屋」メニューの箸休めにぴったりのナイスバランス。素朴なみそ汁の味わいは、バタバタした朝時間にひとときのほっこりを与えてくれます。


実はこだわっていたライス。追加料金なしで小盛、並盛、大盛、特盛から選べます(筆者撮影)

そしてライス。店内のポスターに「米は国産米のみ、しかも自社で玄米からわざわざ㨶米(つきごめ、精米のこと)しています」と書いてあり、乗せられやすいタチなのでいつもよりおいしく感じました。

「丸亀製麺」が「ここのうどんは、生きている。」というキャッチコピーで売り上げを劇的にアップさせたという有名な話があるように、同じメニューでも食べる側の意識次第で味わい方もかわるもの。こういうマーケティングは大歓迎です。

定食をオンザライスでオリジナル丼に


「Wで選べる玉子かけごはん」の丼アレンジ。黄身の黄色と紅しょうがのコントラストが食欲をそそります(筆者撮影)

ライスの上にミニ牛皿と半熟玉子を載せ、オンザ紅しょうがすれば、オリジナルおんたま牛丼の完成です。

「松屋」は定食やサイドメニューも多いため、カウンターに調味料が豊富。ライス特盛でおかずが足りなくなった時や、味変がしたくなった時の頼もしい味方です。


ドレッシングにポン酢、バーベキューソースなど、さまざまな調味料がズラリ(筆者撮影)

お箸で半熟玉子を割って、肉にからめてライスと食べると、まろやかな味わいを楽しめます。後半に少しだけポン酢をプラスするのがお気に入り。柑橘の爽やかな風味で最後までさっぱり食べられます。


お箸で半熟玉子を割って、肉にからめていただきます(筆者撮影)

牛丼チェーンのモーニングが女性にもオススメな理由

実は女性にもオススメしたい牛丼チェーンのモーニング。

この日訪れたのは、オフィス街の大通りに面した路面店。山手線の駅から徒歩5分という好立地で、隣はなんと「吉野家」、2軒隣には「マクドナルド」があり、そのはす向かいには「モスバーガー」という飲食チェーン激戦区です。


おなじみの看板。不思議と心がホッと落ち着く色合いです(筆者撮影)

平日朝8時半、U字形カウンターのみ20席程度の店内で食事をしていたのは5名で、私以外の利用客は全員男性でした。帰り際に「吉野家」を自動ドアのガラス越しに覗いたところ、こちらも座っているのは男性のみ。

カウンター席のみという店舗の形態が女性客にとって利用しづらいのか、牛丼チェーンの朝メニューを知らない人が多いのか、それともそのどちらもなのか。


4種類の小鉢から1品を選べる、「Wで選べる玉子かけごはん」(税込290円)。女性の間では知名度はまだ高くないかもしれませんね(筆者撮影)

「Wで選べる玉子かけごはん」は値段も手頃で、ボリュームや注文内容も自分で選べて、スタバのコーヒーのカスタマイズに近いものを感じているので、「実は女性にニーズがあるのでは?」と密かに思っているのですが、浸透するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

「松屋」のモーニングは全7メニュー、全てに選べる小鉢付き


「松屋」のモーニングメニュー一覧(出所:松屋公式HP)

「松屋」のモーニングは全部で7品です。

・牛小鉢朝定食 税込350円
・ソーセージエッグ定食 税込420円
・ソーセージエッグW定食 税込480円
・焼鮭朝定食 税込590円
・焼さば朝定食 税込590円
・豚汁朝定食 税込450円
・Wで選べる玉子かけごはん 税込290円

目玉焼きに、焼鮭や焼さばが定食形式で提供され、朝ごはんの定番が揃っています。焼魚定食以外は500円以下とリーズナブルな価格設定で、お値段以上のボリュームになっています。

全メニューに選べる小鉢が付くので、お腹の減り具合や、その日の気分によって、食事の内容をアレンジできるのも嬉しい。品数が多くお腹にも目にも満足度が高いのも魅力です。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性がありますので、最新情報は企業の公式サイトをご覧ください。また店舗により、取り扱いメニュー・価格が異なる場合があります。詳細は各店舗にお尋ねください。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)