【日本料理クイズ】刺身に添えてある「黄色い花」は…実は菊の花!でも刺身に菊の花ってなぜ⁉飾り⁉
管理栄養士のともゆみです。刺身に添えられているたんぽぽのようなかわいらしい黄色い花。あれ実は菊の花なんです。ご存じでしたか?でも、なぜ刺身に添えられているのでしょう。単に飾りというだけではなく、江戸時代から現代にまで続く大切な役割があるとのこと。そんな昔からある知恵についてテレビ番組『松岡修造のみんながん晴れ』で紹介していましたよ。興味深かったので詳しく調べてみました。
菊の花を食べてみた!
刺身に付いてくる菊の花は見た目を楽しむだけではなく、食べることの出来る食用菊なんです。
実際に食べてみましょう。
苦みとともに菊の花の香りがブワッと鼻から抜けていきます。
いつも食べずにスルーしていたので、知りませんでした。こういう味なんですね。大人の味です。
本来は、苦みが強い軸は食べずに、花びらだけをちぎって刺身に散らすか、しょうゆに散らして食べるそうです。
刺身とともに食べることで効能があるのだとか。
菊の花の健康パワー
番組では、食育日本料理家の梛木春幸さんが「刺身に菊の花が添えられているのは、腹痛予防と解毒作用のため。全てのメニューに意味がある。先人の知恵を知ってもらいたい」と話していました。
昔から中国では、菊の花は延命長寿の花として菊茶や菊花酒、また漢方薬としても用いられてきました。さまざまな健康パワーのある菊の花ですが、日本で刺身に菊の花が添えられるようになったのは江戸時代後期、冷蔵庫のなかった時代に食中毒予防を期待して利用されるようになったのだとか。実際、菊の解毒効果は科学的にも解明されており、体内の解毒物質グルタチオンの産生を高めることが株式会社ポーラによって発見されています。
食用菊には解毒作用の他、特にβ‐カロテン・葉酸・ビタミンCなどの抗酸化作用やアンチエイジングの働きが期待できる成分が多く含まれています。また、眼精疲労やリラックスなどの働きも期待できます。
他にも驚きのパワーを持つ食材が!
刺身には菊の花の他にも大根のツマや薬味の青じそなども添えられていますね。
大根には、細菌の繁殖を抑え、殺菌や防腐効果のあるイソチオシアネートという成分が含まれています。
また、青じそにも殺菌作用があり、独特な香りが魚の生臭さを抑える効果があるんです。
刺身にワサビ、付きものですよね。
ワサビの辛味や香りにも強い抗菌作用があり、刺身と一緒に食べるのはとても理に適っています。
そして、和食にはやっぱり日本茶ですよね。
緑茶にも殺菌作用があります。緑茶に含まれるカテキンには食中毒菌を引き起こす細菌に対して殺菌作用があります。風邪やインフルエンザの予防も期待できます。
いやぁ、刺身の盛り合わせというのは、彩りや一緒に食べるとおいしいからというだけでなく、全力で食中毒対策をしていたのですね。昔からあるものってすごいです。
ただし、刺身に添えられている殺菌作用や食中毒対策になる食べ物があるからと言っても、過信は禁物です。刺身は新鮮なものを低温で管理し、その日のうちに食べるようにしましょう。
菊の花にはアレルギー物質があるので、菊アレルギーの人は食べないでください。
参考文献:
菊花(食用菊)の栄養効能効果-保存方法、食べ方、健康に良い免疫力を高めるハーブ・薬草・健康食品 (kenkou-tabemono.info)
https://kenkou-tabemono.info/index.php?菊花の栄養、効能効果