タモリに救われた芸人が語る「自分を変えたひと言」
ダウンタウン、明石家さんま、タモリ、笑福亭鶴瓶…売れ続ける芸人はなぜ、長く第一線で活躍し続けることができるのか。
『なぜ、この芸人は売れ続けるのか?』(中西正男著、マキノ出版刊)では、20年以上、ベテラン芸人から超若手芸人まで直接取材し続ける芸能記者の中西正男氏が知る芸人・タレントたちの心が熱くなる生き様を紹介する。
■タモリに救われた芸人が語る「自分を変えたひと言」
著者の中西正男氏は、1999年、株式会社デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑いを中心に宝塚歌劇団などを取材し、「上方漫才大賞」をはじめ、数々の賞レースの審査員も担当。2012年同社を退社後も、直接の対話をもとに芸能人の真の姿を取材し続ける。若手からベテランまで幅広い交友関係を持つ。
ビートたけし、明石家さんまとともに「お笑いビッグ3」と呼ばれ、現在もテレビ界に欠かせない存在のタモリさん。中西氏は「人間の達人」とタモリさんのことを綴っている。中西氏が行ったさまざまな芸人さんへの人生の指針や岐路についてのインタビューで、名前が頻出するのがタモリさんだという。
予測不可能なボケでオンリーワンの道を走るお笑いトリオ「ネプチューン」の堀内健さんも人生の恩人としてタモリさんを挙げている。1990年代、多くの人気芸人を生み出したお笑い番組『タモリのボキャブラ天国』に堀内さんも出演し、活躍した一人である。
ただ、ネプチューンは最初からボキャブラでうまくいっていたわけではなく、堀内さんが変なことをやってそれがスタッフに「よくわからない」「それはやめたほうがいい、意味がわからない」と言われていた。そんなことが何週か続き、重たい気分のままスタジオ近くに一人で座っていた。そこに「何、ずっとにらんでんだよ(笑)」と満面の笑みでタモリさんが言ってきてくれたという。
言葉としてはそれだけだったが、「スタッフの人にはああ言われてしまったけど、タモリさんは怒ってないんだ」と思えて、ものすごくありがたかったと堀内さんは述べている。タモリさんのこの一言をきっかけに、翌週からは迷いがなくなり、思いっきりやりたいようにできるようになり、スタッフからも認められ、番組の中でも上位に食い込めるようになり、他の仕事も増えていったという。深く、しかしサラッとという塩梅を保ちながら、人の心を動かし、人を導くのがタモリさんなのだ。
中西氏の芸人さんへの愛が詰まった本書。一流芸人25組が売れ続ける理由、愛される理由を読むことができる1冊だ。
(T・N/新刊JP編集部)
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『なぜ、この芸人は売れ続けるのか?』(中西正男著、マキノ出版刊)では、20年以上、ベテラン芸人から超若手芸人まで直接取材し続ける芸能記者の中西正男氏が知る芸人・タレントたちの心が熱くなる生き様を紹介する。
■タモリに救われた芸人が語る「自分を変えたひと言」
著者の中西正男氏は、1999年、株式会社デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑いを中心に宝塚歌劇団などを取材し、「上方漫才大賞」をはじめ、数々の賞レースの審査員も担当。2012年同社を退社後も、直接の対話をもとに芸能人の真の姿を取材し続ける。若手からベテランまで幅広い交友関係を持つ。
予測不可能なボケでオンリーワンの道を走るお笑いトリオ「ネプチューン」の堀内健さんも人生の恩人としてタモリさんを挙げている。1990年代、多くの人気芸人を生み出したお笑い番組『タモリのボキャブラ天国』に堀内さんも出演し、活躍した一人である。
ただ、ネプチューンは最初からボキャブラでうまくいっていたわけではなく、堀内さんが変なことをやってそれがスタッフに「よくわからない」「それはやめたほうがいい、意味がわからない」と言われていた。そんなことが何週か続き、重たい気分のままスタジオ近くに一人で座っていた。そこに「何、ずっとにらんでんだよ(笑)」と満面の笑みでタモリさんが言ってきてくれたという。
言葉としてはそれだけだったが、「スタッフの人にはああ言われてしまったけど、タモリさんは怒ってないんだ」と思えて、ものすごくありがたかったと堀内さんは述べている。タモリさんのこの一言をきっかけに、翌週からは迷いがなくなり、思いっきりやりたいようにできるようになり、スタッフからも認められ、番組の中でも上位に食い込めるようになり、他の仕事も増えていったという。深く、しかしサラッとという塩梅を保ちながら、人の心を動かし、人を導くのがタモリさんなのだ。
中西氏の芸人さんへの愛が詰まった本書。一流芸人25組が売れ続ける理由、愛される理由を読むことができる1冊だ。
(T・N/新刊JP編集部)
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