この記事をまとめると

■販売がいつ終わるかわからないからいまのうちに購入しておきたいクルマをピックアップ

■大排気量のマルチシリンダーは今後登場する可能性が少ないと言われている

■売れ行きがイマイチなクルマもいつ終わるかわからないので気になっているならお早めに

いまのうちに買っておきたい終売が近そうなクルマ

 日本車がフルモデルチェンジを行う周期は、悪路向けのSUVや商用車を除くと、大半が長くて10年だ。10年を超えると、プラットフォームなど車両の基本部分が古くなり、マイナーチェンジを行っても十分に進化させられない。

 とくに最近は、安全装備や運転支援機能の進化が著しい。フルモデルチェンジを行わないと新しい機能も搭載できず、法規にも対応できない不都合が生じる。また、販売店では「初期型を購入したお客様が、数年後に同じ車種の後期型に乗り替えることはあるが、さすがに3台目の購入までは提案しにくい」という。そうなるとフルモデルチェンジは最長でも10年と考えられる。

 見方を変えると、発売されて10年以上を経過した車種はそのまま廃止される可能性が高い。仮に後継モデルがあるとしても、10年以上を経過した車種は一度終了させて、別の車種名で改めて発売することになる。10年以上を経過すると、乗り替え需要も離れているからだ。

 そこで今回は、消滅する可能性が高く、なおかつ滑り込みで購入しておきたいクルマを挙げてみた。主にスポーツモデルになる。

■日産GT-R(2007年発売)

 GT-Rが高性能なEV(電気自動車)に発展する話もあるが、それはまったく別のクルマだ。モーター駆動を併用しない純粋なガソリンエンジンのGT-Rは、現行型が最後になるだろう。

 GT-Rは新車の登録台数も限られ、2022年の1カ月平均は約70台だ。その一方で、GT-Rは海外市場を含めて認知度が高いから、高値で売却もできる。購入しておく価値のあるクルマだ。

大排気量+ハイパワーを楽しむ最後のチャンス!

■ダイハツ・コペン(2014年発売)

 S660が販売を終えたいま、軽自動車では唯一の2シータースポーツカーだ。電動開閉式のハードトップを装着して、快適性や使い勝手にも優れ、根強いファンに支えられている。

 発売は2014年だから比較的新しいが、衝突被害軽減ブレーキはいまでも装着されていない。販売店では「安全装備を充実させたり、フルモデルチェンジを実施する話は聞いていない」という。1カ月の平均届け出台数は約400台で、極端に少なくはないが、薄利多売の軽自動車としては生産/販売効率が悪い。欲しいならいまのうちに買っておきたい。

■レクサスIS(2013年発売)

 発売されたのは2013年で、すでに9年が経過した。規模の大きなマイナーチェンジを実施したものの、デザイン面では古さも目立っている。とくにV型8気筒5リッターエンジンを搭載するIS500Fスポーツパフォーマンスは、おそらくこのエンジンを搭載する最終型になる。

 レクサスLSを見ればわかるとおり、V8エンジンは、いまでは設計の新しいV6の3.5リッターツインターボに置き換わったからだ。V8はもはや開発していない。動力性能はツインターボでも十分だが、4000回転を超えた領域の官能的な吹け上がりは、過給器を装着しないV8ならではだ。

 適度なサイズのスポーツセダンが好きなユーザーにとっても、IS500Fスポーツパフォーマンスは手に入れたいクルマだろう。

■日産スカイライン(2013年発売)

 スカイラインの将来も危うい。発売は2013年で、一時はハイブリッドに先進的な運転支援機能のプロパイロット2.0も設定したが、いまではハイブリッドを含めて廃止されている。しかも衝突被害軽減ブレーキは、軽自動車のデイズでも歩行者を検知できるのに、スカイラインは車両の対応のみだ。歩行者や自転車は検知の対象外になってしまう。

 こうなると売れ行きも下がり、2022年の1カ月平均登録台数は200台以下だ。それでも400RのV型6気筒3リッターツインターボは、405馬力の最高出力を発揮してパワフル。欲しいならいまのうちに買っておきたい。