はんにゃ川島妻がブログで真実を晒した日。「いい母」を演じるのに疲れ果てて
だしソムリエ1級や食育アドバイザーなどの食にまつわる資格をもち、ダイエットや料理の情報発信もする、お笑いコンビ・はんにゃの川島章良さんと、ブロガーとしても人気な妻の菜月さん。6歳の長女と2歳の長男の4人家族で、夫婦でYouTube番組を配信するなど、仲よしなお2人。ただ、ここまでくるには紆余曲折あり…。ここでは菜月さんが、以前SNSの呪縛にとらわれていた頃のエピソードとそこからの学んだことについてつづります。
初めての育児で味わったのは「孤独と疎外感」だった
新しいものに鈍感でSNSに対しそこまでの興味がなかった私でしたが、妊娠出産を経て子育てを始めてから、SNSにのめり込み自暴自棄になってしまったことがありました。
実家が遠くワンオペ育児だったこともあり、産後すぐは、出産前に抱いた想像とはまったく違い、社会から取り残されたかのような閉鎖的な生活に一変。周りとコミュニケーションを取る機会は激減しました。
寂しさを埋めるように暇さえあればSNSをよく見るようになりましたが、徐々に息抜きや趣味のためのツールではなく、自分と周りを比べ孤独感を生み出すものになっていました。
●人と比べては落ち込むの無限ループを自ら起こす日々
独身の頃、仲よかった友達が集まって飲み会をしたり、いろんなところに出かけている様子を見ては「私はもうここには呼ばれないんだ」と思い暗い気持ちに。
キラキラしたママたちがおしゃれをして自分の趣味に励んでいる様子、いつもきれいにに片づいた家で栄養満点のおしゃれな料理をつくっているママ、夫婦仲よく育児をしている様子など…。SNSの世界では、周りの友達、インフルエンサーさんなどがものすごく輝いて見えたのです。
一方当時の私は、常にワンオペで、おしゃれをする気にもなれず。毎日毎日同じことの繰り返し。話し相手もいない、小さい娘との2人での暮らし。今よりも亭主関白だった夫とも関係は最悪でした。
ママ友と呼べる人もできず、自分は母として女性として、社会から置いてけぼりになったか、のような気持ちになりました。
SNSで発信し始めたものの「本当の姿」ではなかった
このままではいけない、なんとか時代に追いつきたい、とSNSでいろんな発信を始めることにしました。
一生懸命時間をかけてつくった料理を載せてみたり、家族の幸せそうな写真を載せ、だれかに「よいお母さん」だと認めてほしかったんだと思います。
でもそれは本当の自分ではなく、がんばって無理をしてつくり上げたものでした。
●一見きちんとした写真でも実際は…
実際には、料理は時間をかければかけるほど、子どもがグズり挙句の果てには眠気が勝って食べずに眠られることもあったし、子どもと写真や料理の写真も、散らかされた部屋でものをかき分けたった一角だけきれいにし撮っていました。
たとえば「適当」をアピールしたこの写真。寄って撮影していますがじつは…
こんな部屋で撮影。適当といいつつ、散らかった部屋は切り取り画像はしっかり加工ずみです。自分がなりたい「ちゃんとしたお母さん像」に近づくために更新するSNSなんて、現実はそんなものだったのです。
「リアル子育て」を発信したら心もラクに
続けていくうちに嫌気がさした私は、ブログでリアルな子育てを発信してみました。
初めは批判されると思いビクビクとしていましたが、悪いことばかりではなく
「安心した」
「がんばりすぎない育児の方がいい」
など、うれしい声もありました。
読者の方にいただいたお手紙では
「テレビで虐待のニュースを見て自分もそうなりそうで怖かったけど、菜月さんのブログを見てもっと手を抜いてお総菜に頼ったり、リラックスして子育てしようと気持ちが落ち着きがんばれています」
と言ってもらい、手を抜いたリアルな自分をさらけ出すことで自分自身が救われたことも。
以前、長女を自宅トイレで出産したエピソードをブログに書いた際にも批判の声がありましたが、
「ブログを読んでいたから急速に対応ができた」
「落ち着いて行動することができ無事出産することができた」
と、メッセージをもらうことがあり、間接的にでも命の誕生に関わることができたことが、本当にうれしく感じました。
●正しい使い方をすればSNSは味方になる
私の場合はSNSの使い方を間違え、見栄をはったり人と比べてしまい苦しくなってしまったこともありましたが、リアルな子育てをつづることで共感や励まし、情報提供をしてもらい、子育ての孤独感が前ほどなくなりました。
キラキラした生活に憧れるときももちろんありますが、無理をしない暮らしの発信は苦しさもなく、SNSならではの人とのつながりが今の私の力になっています。