「止まらない咳」には重大な病気が隠れている可能性も!長引く咳の原因と対処法を医師が徹底解説

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「ずっと咳が止まらないけど、原因はわからない」
「長引く咳をどうやって止めたらいいの?」

そんなふうに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

咳が長期間止まらない場合、風邪ではない別の症状が隠れている可能性があります。そこで本記事では長引く咳の原因と対処法について、詳しくご紹介します。

長引く咳の原因がわからず困っている方、対処法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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1.2週間以上続く咳は風邪ではない?

目安として、2週間以上続く咳は風邪症状ではなく、別の疾患や原因からきている可能性があります。

不安な場合はひとりで悩まず、医師の診察を受けるのが得策といえるでしょう。(※1)

2.咳が出る季節性の原因

ここでは、咳が止まらないときに考えられる季節性の原因を紹介します。

2‐1.寒暖差
春や秋など、季節の変わり目になると毎年咳が出始めるという方もいるのではないでしょうか。季節の変わり目や寒暖差により咳が出る場合、「気道過敏性」という体質である場合があります。

喉がつまる感じがあったり、寝ているときに咳が悪化するようであれば、これに当てはまる可能性が高いといえます。

2‐2.花粉
春や秋に咳が止まらない例として、花粉も考えられます。

花粉といえば、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみが起こるなどのイメージが強いかもしれませんが、咳の症状が出る場合もあります。

春や秋の時期に乾いた咳がなかなか止まらないという方は、花粉が原因である可能性が高いと考えられます。

3.咳の慢性的な原因

ここからは止まらない咳の慢性的な原因についてご紹介します。

3‐1.咳喘息
呼吸困難や喘鳴(呼吸するときに、ヒューヒュー、ゼーゼーなどの音がすること)がないのに咳だけが止まらないという症状の場合、咳喘息である可能性があります。

3‐2.COPD
「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の略称であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、気管支が炎症を起こすなどして咳やたん、息切れが生じる病気です。

原因としては喫煙や大気汚染、遺伝などが考えられます。(※2)

4.咳を止めるセルフケア方法

ここからは、長引く咳を止めるためのセルフケア方法について詳しくご紹介します。

4‐1.気温や湿度を調整する
季節の変わり目に起こりやすくなる咳。咳は、気温や湿度の変動が大きいことで悪化しやすくなります。

また、湿度が高くなるとカビが増え、そのカビをエサとするダニも増えやすくなるため、息苦しくなり咳が止まらなくなることもあるでしょう。

こまめに換気をする、エアコンのフィルターを掃除するなどの対策を行い、過ごしやすい環境づくりをする必要があります。

4‐2.ハチミツを積極的に摂取する
ハチミツには抗酸化作用や抗菌作用があります。さらに、ハチミツには咳止めの効果があるとも報告されているため、毎日の生活に取り入れてみるのもひとつの手段といえるでしょう。

4‐3.咳に効く漢方薬をのむ
そして、咳を止めるもうひとつの方法として、漢方薬をのむというのもあります。

咳の原因としては、感染症や乾燥した空気、冷気などの外因に加えて、疲労やストレス、水分代謝の乱れなどの内因も考えられます。

咳の改善には、「増えた細菌の増殖を抑える」「肺に潤いをあたえる」「気管支を広げて呼吸をしやすくする」「呼吸器の機能を回復する」「自律神経のバランスを整えて咳やのどのつかえを改善する」といった漢方薬が選ばれます。

漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に西洋薬より副作用が少ないとされています。

さらに、ひとつの疾患に強い効果をあらわす西洋薬とは異なり、体質の根本改善を目的としているのも特徴といえるでしょう。

<咳に効く漢方薬>

・麦門冬湯(ばくもんどうとう)(※3)
慢性化してしまった咳に悩んでいる方におすすめの漢方薬です。喉の粘膜を潤してくれるため、乾いた咳が止まらないという方によく服用されています。

・柴朴湯(さいぼくとう)(※4)
もともとストレスがあり、喉に異物感を感じ、咳が止まらない方におすすめの漢方薬です。咳、喘息に用いられますが、同時に精神不安にも働きかけます。

ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。

また、「漢方をはじめてみたいけど、何を服用していいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そんな方はインターネット相談窓口を設けているオンラインサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。



●あんしん漢方

4‐4.病院を受診する
とはいえ、咳が2週間以上も止まらない、意識が朦朧とする、胸が締め付けられるように苦しいなど、いつもの風邪とはあきらかに違う症状が出ているときは、病院を受診することをおすすめします。

別の病気が隠れていることもあるため、早期発見・早期治療を心がけるようにしましょう。

5.止まらない咳はしっかり対策!

止まらない咳の原因は、風邪だけではありません。

気温や湿度をしっかり調節する、ハチミツを摂取するなどの対策を行い、季節の変わり目を乗り越えましょう。

(※1)特集 長引くせきにご用心!からだが発する「危険サイン」を見逃さない!長引く咳の原因は何? 独立行政法人環境再生保全機構
(※2)慢性閉塞性肺疾患(COPD)基礎知識 独立行政法人環境再生保全機構
(※3)くすりのしおり「ツムラ麦門冬湯エキス顆粒(医療用)」くすりの適正使用協議会
(※4)くすりのしおり「クラシエ柴朴湯エキス細粒」くすりの適正使用協議会

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>医師 木村 眞樹子

医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならないからだをつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットをいかしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。