次期シトロエンC3 BEVとして2023年デビューか 小型の電動クロスオーバーへ
C3の次世代モデル EVとして開発中
シトロエンC3の次世代モデルは、2023年に登場する見通しだ。同社幹部によって、EV仕様の開発が進められていることが明らかになった。
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ブランドマネージャーのローラン・バリアは次期C3について、29日に発表されたEVコンセプト「OLI」のデザインを踏襲しつつ、「電動モビリティへの親しみやすさ」に焦点を当てていると語った。持続可能性と手頃な価格帯の両立を目指しているようだ。
現在のシトロエンC3は約20年前にデビューしたプラットフォームを使用している。
また、シトロエンはロゴとブランド・アイデンティティを変更したばかりだが、C3 EV(正式な車名は不明)ではこの新しいロゴを市販車として最初に採用するという。そのため、来年中にも公式発表が行われる可能性が高い。
OLIコンセプト自体は市販化の予定はないものの、将来の市販車に導入されるという斬新なアイデアや機能が数多く詰め込まれている。シトロエンのヴァンサン・コベCEOは、OLIに採用されたすべての技術を市販化するには5年程度かかるが、一部は数か月以内にデビューする可能性があると述べた。
そのため、C3 EVは、OLIに見られるような比較的小型のバッテリー(40kwh程度)を搭載し、航続距離は400km程度を目標にするかもしれない。しかし、コベCEOは「夢想家であると同時にセールスマンでもある」と語り、需要に応じて大型バッテリーも導入する考えを示した。ちなみに、現在販売されているシトロエンe-C4は50kWhバッテリーを使用し、公式航続距離は約350kmとなっている。
現行のC3には、PSAのPF1プラットフォームが使われている。2002年発売の初代から20年にわたり使われてきたもので、次期C3 EVではほぼ間違いなく最新のCMPプラットフォームに切り替えるだろう。こちらはプジョーやオペルなどで実績のあるプラットフォームで、2023年に発売予定の改良新型e-208では航続距離400kmを実現するという。
設計思想にはコンセプトカーの影響も
デザインに関しては、フロントとリアのバンパーを共通化するなど、OLIや小型EVのアミに見られる新機構を採用する可能性もある。また、アクティブな印象を与えるボディクラッディングなども引き続き採用するだろう。
そして、持続可能性を高めるためにリサイクル素材の使用率を増やす予定だが、その量は限定的なものにとどまるようだ。「サステイナブルだからといってクルマを買う人はいません」とコベCEOは言う。デザイン責任者のルクレークも、こうした素材が従来のものより高価であることを認めている。
シトロエンが9月29日に発表したOLIコンセプト シトロエン
インテリアでは、車載システムに大きな変化がありそうだ。ナビなどの機能は乗員のスマートフォンに任せ、最低限のスクリーンや物理コントロールのみを備えることで、半導体の使用量を減らすと予想される。
シトロエンは、EVの充電インフラが整っていないインドや南米などの発展途上国向けのモデルとして、内燃機関の「New C3」を導入している。これと並行して、欧州などではC3 EVを販売する見通しだ。
シトロエンの電動化について、コベCEOは次のように述べている。
「ブラジルは独自のソリューション(高エタノール燃料)を持っているので、大幅に電動化へ移行する理由はありません。どの地域が何をすべきかを決めるのは、わたし達ではありません」
「自動車メーカーに求められるのは、基本的には製品と産業構造を地域化することです」