原巨人 異例の「配置転換」が物議 コーチ陣が戦々恐々となる「舞台裏」

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 果たして好循環につながるか。巨人は4日の阪神戦(東京ドーム)に7ー0で勝利。先発の山崎伊が8回3安打無失点と好投。コロナ禍に見舞われていたチームに7月18日以来の勝ち星をもたらした。一方で裏ではある「チーム改革」が注目を集めている。

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 チームのピンチにしっかり腕を振った。先発の山崎伊は4回までに3安打を許すも、5回以降は好調阪神打線に1本もヒットを許さない安定した投げっぷり。7回終了時に自ら志願して上がった8回のマウンドも三者凡退に抑えるなど、終わってみれば8回3安打無失点で5月18日以来の3勝目をマークした。

 この日は打線も爆発。好調な中田が2回に先制二塁打で口火を切ると、この回は大城、中山、山崎伊の4連続適時打などで5得点のビッグイニングを作った。その後も、丸、増田陸に本塁打も飛び出すなど、投打がかみあっての快勝劇で後半戦初勝利を飾った。

 喜びにわく中で、この日、チーム内外から注目を集めたのはコーチ陣の「配置転換」にもあった。これまで三塁ベースコーチを務めていた元木ヘッド兼オフェンスチーフコーチに代わって、一塁ベースコーチを務めていた亀井外野守備兼走塁コーチが三塁コーチに。村田修一打撃兼内野守備走塁コーチが一塁コーチを務めた。

 原監督はこの配置転換の意図について「なかなか目的を励行することができなかったというところで、われわれの中で大意はないが、風景というものをちょっと変えたかった」とあくまで勝利のためと説明した。

 5月に行われた広島戦では本塁突入を指示した打者が3イニング連続で本塁憤死となる場面も注目を集めた。続くDeNA戦においても、本塁突入をめぐって三塁ベースコーチを務めた元木ヘッドコーチの判断が疑問視されたこともあった。現在チームはコロナ禍にも見舞われ、首位のヤクルトとは14・5ゲーム差(4日現在)の5位と苦しい状況下にある。選手の状態を上げる以外にも着手できることで、停滞するムードを変えたいという意図も見え隠れする。

 一方でこれはコーチ陣への「ムチ入れ」の意味も込められているという見方もある。原監督は後半戦を契機にOBの高橋尚成氏にファームでの臨時コーチ就任を要請。これは今季不振にあえぐ、同じ左腕の高橋優貴救済を目的とした人事だったともいわれる。

 「この人事では12球団ワーストとなっているチーム防御率など、投手陣を預かるコーチの指導力に対して、原監督が満足していないということを示しています。昨年、V逸した際には敗因として原監督もコーチ陣がうまく機能しなかったことを認めていただけに、結果が出ていない部門のコーチ陣に関してはさらに動かしていく可能性もあります」(球界関係者)

 今季からさらに3年の長期契約を結ぶ際には球団からも次世代の指導者育成を託されたという原監督。チーム浮上のために次はどんなタクトをふるうのか。コーチ陣も安穏とはしていられなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]