栃木の子どもたちが新しい商品を開発したという話題です。自分たちが抱える悩みを解決するためアイデアを練り、大人のアドバイスも得て商品は完成。称賛とともに来た批判的な意見にも子どもたちが反論し人気はうなぎのぼり。開発した子どもたちを取材しました。

栃木の子どもたちが開発したのは…「さんぽセル!」。小学生のランドセルにキャリーと取っ手をつけて運べるようにした「さんぽセル」。

舞台は廃校になった日光市の野口小学校です。開発を始めたのは去年8月。小学4年生から6年生までの6人が集まりました。きっかけは「ここにゲーム部屋を作りたい」でした。

廃校の利活用を考える活動の中で居合わせた大阪の企画会社「悟空のきもち THE LABO」のメンバーが「ゲーム部屋を作るお金を生み出す方法を考えよう」と提案したのです。

「悩みはないか」の問いに子どもたちが話したのが「ランドセルが重い」。ランドセルは両手が空くので機能性に優れる反面、重い荷物を背負うことによる健康障害が問題になりつつあります。最近はタブレットも荷物に加わり、測ってみると重さは6キロ。ランドセルを楽に運べる商品を開発したい。子どもたちは試行錯誤を繰り返しました。

さんぽセルをつけたまま背負うこともできます。

今年4月に商品化し、予想を超える3000台の注文があり、4カ月待ちの人気ぶり。しかし、ネットニュースを見た人から筋力低下を憂う声、片方の手がふさがり危険だといった批判のコメントも寄せられたのです。

子どもたちはめげませんでした。商品の良さを認めて欲しい。何よりランドセルが重いことを分かって欲しい。小学生自らが反論したり、総理大臣、文部科学大臣、全国の校長にプレゼントするためクラウドファンディングをしたり。思いが通じたのか、末松文部科学大臣が「さんぽセル」を記者会見で取り上げるなど大きな反響を呼びました。

「さんぽセル」のおかげでみんなが使えるゲーム部屋は完成。ランドセルが重いという悩みを自分たちで解決する。子どもたちのアイデアは日本の未来を運んでいます。