落書き、ガラス破損など荒れ放題になっていました。

1年以上駐車場内に放置


東扇島東公園に放置されていた大型バス(乗りものニュース編集部撮影)。

 川崎市港湾局は2022年7月22日(金)、川崎区の東扇島東公園の駐車場を不法占拠していた大型バスの撤去を行いました。所有者に代わって市が行政代執行を実施した形です。

 このバスは三菱ふそう製の「エアロクィーンI」で、昨年5月に公園事務所が発見、報告を行いました。駐車スペースを6台分占拠しており、公園利用者への利便性を損なうほか、割れた窓ガラスが散乱するなど危険が生じていました。

 議会での報告によると、市はバスの所有者に対し撤去を求めましたが、所有者は車体への落書きなど損傷は市の管理不行き届きによるものであるとして、市が原状回復を行うべきなどと主張。長期間の交渉の末、市は今月はじめ、所有者に文書で撤去を求めました。しかし所定の期日までに動きが見られなかったため、今回行政代執行に踏み切ったといいます。

 17時00分、「東扇島東公園に放置された大型バスに対し、行政代執行法第2条に基づき、行政代執行を行います」の宣言とともに、委託業者の手で重機による搬出が進められます。大型バスであり、損傷も随所に見られることから、搬出に際してはトランクをガムテープ止めするなど、養生が慎重に行われます。作業開始から1時間55分で撤去が完了。

 撤去されたバス車両については、市の保管場所で管理されるとのこと。今回の撤去に要した費用は、約30万円。これまでの駐車場代約67万円とあわせ、約100万円が所有者へ請求されます。

 市の担当者は「ようやく駐車スペースが本来の公園利用者の方々へ開放され、よかったです」と話しました。

 このあと、路面に散らばっているガラス片など撤去や清掃を行い、1年強にわたる懸案事項は、ひとまず現場で一段落を迎えます。「お疲れ様でした」の掛け声が公園に上がりました。