新横浜駅でのレール締結式の開催をもって、東急・相鉄新横浜線がつながりました。これにて、神奈川県央〜東京〜埼玉県の広大な鉄道ネットワークが完成。新線では、引き続き電気系統の設備工事が進められています。

神奈川県知事「東京や埼玉の方々に来てもらえるように」

 2022年7月22日(金)、新横浜駅(横浜市港北区)でのレール締結式の開催をもって、東急・相鉄新横浜線がつながりました。これにより相鉄線は、都心を介して東武線や西武線などと線路が1本となり、東京圏における広大な鉄道ネットワークが形成されます。

 東急・相鉄新横浜線は翌2023年3月の開業を予定しています。接続地点となる新横浜駅は、まだ資材などが置かれ、工事現場の雰囲気。エスカレーターなどが稼働前のため階段で地下深くに降りて行くと、2面3線のホームが姿を現しました。ホームドアはすでに設置されていましたが駅名標は見当たらず、電光掲示板や信号機などはカバーが被せられていました。


東急・相鉄新横浜線の新横浜駅(2022年7月22日、大藤碩哉撮影)。

 さて、鉄道・運輸機構(JRTT)の蓼沼慶正東京支社長によると、現在は電気系統の工事を鋭意進めているとのこと。メンテナンスフリーの設備を導入したほか、駅自体を横浜市営地下鉄ブルーラインとの乗り換え利便性を考慮した導線にするとしています。

 レール締結に際しては、斉藤鉄夫国土交通大臣や山中竹春横浜市長ら自らが軌道上に降り、パンプーラーと呼ばれる特殊な器具を用いて所作を実施。その後、工事作業員が点検確認を行い清めの儀を行うと、いよいよつながったレールの上を、西谷方から日吉方に向かってモーターカーが走行しました。翌春からはまさにこの場所を、東急と相鉄に加え東武鉄道、東京都交通局、東京メトロ、埼玉高速鉄道の計6事業者の車両が行き交います。

 レールが締結されたことについて、斉藤国土交通大臣は「これにて、2019年の相鉄・JR直通線とあわせ、神奈川東部方面線全体が1本につながりました。隣の新綱島駅では、区民文化センターや商業施設も併設されますが、開業に向けて尽力される全ての関係者に厚く御礼申し上げます」と挨拶しました。

 神奈川県の黒岩祐治知事も祝意を示した後で、「7事業者14路線がつながる。よくぞ成し遂げられた、すごいことだと思います」としつつ、「神奈川県民の利便性が向上し、東京や埼玉へとお出かけになるでしょうが、むしろ東京や埼玉の方々に来てもらえるよう、県の活性化を全力で進めてまいりたい」と話しました。

 山中市長も祝意と謝意を示したうえで、「神奈川県央と都心の直結は県の悲願でした。2027年には、旧上瀬谷通信施設の広大な土地を利用した国際園芸博覧会が開催されます。世界中の人々がここを通って現地へ向かうでしょうから、重要な路線になります。残りの工事も安全にお願いいたします」と話しました。