数多のラーメン店がある中で埋もれないよう、それぞれが個性を発揮。スープに、麺に進化が止まりません。2020年12月〜2021年10月にオープンした店の中から厳選の7軒を紹介します!

『MENクライ』@浜松町

醤油ラーメン(850円)

醤油ラーメン(850円)
鶏ガラと豚肉でとった動物スープに煮干しをメインとする魚介ダシを合わせ、店主の故郷、青森風の中華そばにアレンジ。煮干しのえぐみや雑味も引き出すことで、味にインパクトを出している。

[醤油]ふわもち、ちゅるん!唯一無二の食感でラーメンの新境地を拓く

かつて、こんな麺があっただろうか。稀少なもち小麦「もち姫」でつくる超極太麺の表面は、雑煮の餅のように“ふわもち、ちゅるん”とした食感。それでいてしっかりコシがあり、もぐもぐ噛みしめる度に、小麦の風味が炸裂する。

麺は、店主自らが毎日水回しから切り出しまですべて手作業で仕込む純手打ち麺。あえて不揃いに切り出し、強く手もみすることで、ランダムに仕立てている。

麺を伸ばす作業もすべて手仕事で行う

厚みのある部分はむちっと力強く、薄い部分はピロッとしなやか。食べる度に異なる食感と出合えるのも、手打ち麺ならでの醍醐味だ。

手切りで不揃いな食感を演出

スープは煮干しのダシや醤油の風味を強めに利かせ、あっさりでありながら、麺の存在感にも負けない力強さを持たせている。

吊るし焼きチャーシューから滴り落ちる香ばしい岩中豚の油を麺全体に纏わせている

いりこチャーシューメン(1100円)

いりこチャーシューメン(1100円)
かえしにも煮干しを加え、“煮干し感”を強調。チャーシューは、岩中豚を吊るし焼きにしたもの
『MENクライ』

[住所]東京都港区芝1-3-4 山谷ビル1階
[電話]非公開
[営業時間]11時〜14時半、18時〜22時(21時半LO)
[休日]土・祝夜、日
[アクセス]JR山手線ほか浜松町駅南口から徒歩7分

『手打 親鶏中華そば 綾川』@恵比寿

親鶏中華そば(860円)

親鶏中華そば(860円)
鶏肉と水だけでとるシンプルなスープ。余計な素材を使わない分、親鶏の濃厚な旨みが際立つ。限定の極太麺でオーダーすることも可能

[醤油]小麦が香る打ち立て麺とコク深い親鶏スープ 嗚呼、至福の極み!

店主の故郷、香川県綾川町に根付く“手打ちうどん”と“親鶏”の食文化を融合させ、ラーメンに昇華。「本場の讃岐うどんと同様、打ち立ての麺を提供したい」と店で麺を青竹打ちしている。それも、昼と夜の営業前に、1日2回!

毎日打ち立ての麺を提供

「打ち立てならではのふわふわ食感と小麦の香りを大切にしているので、その日の朝に打った麺でも、夜の営業には使わないと決めています」。

青竹打ちにすることで、生地に気泡が入り、柔らかく、のど越しのよい麺に。大量の親鶏の肉でとる鶏肉100%のスープのインパクトも絶大で、ひと口目から強烈な旨みに引き込まれる。

鍋焼らーめん(白飯+生卵 1100円)

鍋焼らーめん(白飯+生卵 1100円)
ぐつぐつスープが煮立った状態で供される、冬季限定の熱々ラーメン。オプションの生卵で、すき焼き風に食べるのがおすすめだ。卵はコクがあり甘みが強いとされるブランド卵「那須御養卵」を使用

親鶏飯(320円)

親鶏飯(320円)
親鶏のスープに親鶏の皮とゴボウを加えて炊き上げるので、風味がよくしっとりつややか
『綾川』

[住所]東京都渋谷区恵比寿1-21-18 ライツ恵比寿1階
[電話]非公開
[営業時間]11時〜21時半
[休日]無休
[アクセス]JR山手線ほか恵比寿駅東口から徒歩4分

『西永福の煮干箱』@西永福

煮干らーめん(900円)

煮干らーめん(900円)
メンマ代わりのレンコンがトレードマーク。立ち上る湯気からも“煮干し”が伝わってくる

[醤油]前代未聞の煮干し量!二段仕込みの煮干しスープで突き抜けた旨みを体現

爆発的な旨みを得意とする『Bonito Soup Noodle RAIK』が、本店の“カツオ”、2号店の“貝”に続いて、“煮干し”に特化した3号店をオープンさせた。

2種類のカタクチイワシを軸に、伊吹いりこ、アジとアゴ、ウルメの煮干しで分厚い旨みの層をつくり、動物オフでも満足度高く仕立てている。

鍋底までみっしり詰まった大量の煮干しでダシをとる。さらに、濾した煮干しスープに再度大量の煮干しを加え、二段仕込み。動物素材を使わない分、多量の煮干しで濃密なスープに仕立てている

ガツンとインパクトのある煮干し油の効果も相まって、煮干しの風味が炸裂。ザクザクとした食感の歯切れのよい低加水麺を啜る度に、惚れ惚れするような煮干しの世界が広がっていく。

低温調理のしっとり鶏ムネ肉と香ばしい吊るし焼きチャーシューなど、トッピング類も秀逸。

和え玉(250円)

和え玉(250円)
ビターな専用スープと煮干し油、煮干し粉などを和えて楽しむ、ニボラーのための一杯

箱名物サワー(600円)

箱名物サワー(600円)
「和え玉」をつまみに、レモンサワーで一杯やり、ラーメンで〆るのが常連流 
『西永福の煮干箱』

[住所]東京都杉並区永福3-55-3
[電話]03-6304-7088
[営業時間]11時半〜15時LO、18時〜21時LO
[休日]日夜、月
[アクセス]京王井の頭線西永福駅北口から徒歩1分

『中華蕎麦 ひら井』@国分寺

中華蕎麦(900円)

中華蕎麦(900円)
スープも旨いが、麺も旨い!!聞けば、店主は元製麺機メーカーの営業マン。麺を知り尽くしたスペシャリストと聞き、その美味しさにも納得

[豚骨]重厚な動物スープと香り高い自家製麺で魅せる圧倒的な一杯

スープをひと口飲んだ瞬間に、心を奪われる。豚と牛、鶏のダシを巧みに組み合わせた重層的なスープと、食欲をかき立てるスモーキーな“炭火焼き油”の魅惑的な香り。動物系の素材だけで、こうも奥深いコクと突き抜けた旨みを体現できるものかと驚かされる。

チャーシューから滴り落ちる“炭火焼き油”を中華蕎麦の油に使用。香ばしい風味がクセになる

さらに、麺を啜ってまたびっくり。低加水の細麺でありながらたおやかで力強く、濃厚なスープを纏いながらもなお口の中で小麦の豊かな香りがスパークするのだ。パワフルなスープをも凌駕するその圧倒的な存在感に、否応なしに気付かされる。このどんぶりの真の主役は“麺”なのだと!

炭火で表面を焼いてから醤油ダレで煮ることで、香ばしくも柔らかな食感に仕立てている

チャーシューつけ蕎麦(並 1400円)

チャーシューつけ蕎麦(並 1400円)
どっしり重厚な動物スープとむっちり官能的な極太麺を合わせた、同店の一番人気メニュー。半数以上がこちらの“チャーシュー増し”でオーダーするそう。分厚く切られたチャーシューが3枚ものる至福の内容だ
『ひら井』

[住所]東京都府中市栄町2-11-7
[電話]非公開
[営業時間]11時〜15時(土は〜17時)
[休日]日・第1・3・5月
[アクセス]JR中央線ほか国分寺駅南口から徒歩17分

『貝麺みかわ』@下北沢

特製中華そば(塩 1050円)

特製中華そば(塩 1050円)
特製は、味玉のほか低温調理の鶏ムネ肉と肩ロース、煮豚がなんと各2枚ずつのる

[塩]押し寄せる快感!貝ダシと牛白湯による旨みのフュージョン

メニューの筆頭「中華そば」のスープは、アサリを軸にハマグリとホタテの干し貝柱でとった貝ダシ×牛白湯という個性的な組み合わせ。新感覚の旨みのフュージョンで魅せてくれる。

ベースとなる貝スープ。これに牛白湯を合わせると「中華そば」のスープに、ホタテペーストを合わせると「貝麺」のスープになる

同じスープでも、「塩」は貝の旨みが際立ち、「醤油」は牛の風味が前面に出るから不思議。前述の貝スープにホタテペーストを加えた“貝感”マックスの「貝麺」は、圧巻の旨みで貝好きをも唸らせる。

日本料理出身の店主が繰り出す月替わりの「貝ごはん」は、極上の美味しさで楽しませてくれるぜひモノの逸品。最後は雑炊にして、一滴残らず貝の旨みを堪能されたし。

中華そば(醤油 850円)

中華そば(醤油 850円)
牛ダシの甘みと貝の旨みがほどよく立った醤油ラーメン

貝麺(950円)

貝麺(950円)
4割近い人がオーダーする看板メニュー。貝感たっぷり!
『貝麺みかわ』

[住所]東京都世田谷区北沢2-25-4
[電話]03-6407-8038
[営業時間]11時〜15時、17時〜21時(20時45分LO)
[休日]無休
[アクセス]京王井の頭線ほか下北沢駅西口から徒歩1分

『入鹿TOKYO 六本木』@六本木

柚子塩らぁ麺(980円)

柚子塩らぁ麺(980円)
麺は、風味豊かな国産小麦100%の中細麺。途中、甘酸っぱい“柚子と洋ナシのアロマピューレ”をスープに溶かすことで味変が楽しめる

[塩]飲み進める度に旨みが加速していくカルテットスープの魔力

東久留米の名店が、分厚いコクの名物ラーメンを引っ提げて六本木にやってきた。

旨さの秘密は、高級食材のダシから成る重層的なカルテットスープ。名古屋コーチンと比内地鶏、鹿児島県産黒豚、ムール貝、伊勢エビをそれぞれ別に炊き、極上の旨みを丼で共鳴させている。

10種類の塩と濃縮させた魚介ダシを合わせた塩ダレが、スープをさらなる高みへ。ひと度啜れば、リッチな余韻がいつまでも続く。

ポルチーニ醤油らぁ麺(980円)+特製トッピング(450円)

ポルチーニ醤油らぁ麺(980円)+特製トッピング(450円)
ポルチーニの香りを移した名古屋コーチンの鶏油が旨みを増幅!
「特製」には鴨チャーシュー(写真)のほか、煮卵、軟骨入りの鶏団子、海老団子がのる
『入鹿TOKYO 六本木』

[住所]東京都港区六本木4-12-12 穂高ビル1階
[電話]03-5786-0029
[営業時間]11時〜15時(14時50分LO)、18時〜21時(20時50分LO)
[休日]日夜、月
[アクセス]都営大江戸線ほか六本木駅6番出口から徒歩2分

『はるちゃんラーメン』@新橋

中華そば(890円)

中華そば(890円)
スープの表面を厚めのラードで覆っているため、最後まで熱々が続く。麺は、するすると食べられる軽い食感の多加水麺

[塩]毎日食べたい!シンプルなのに後を引く魅惑の豚清湯

丼の縁までなみなみとスープを湛えた堂々たる佇まいに歓喜!スープは大量のゲンコツとバラ肉、ウデ肉、背脂などからとる豚清湯で、力強いコクにあふれている。どっしり重厚な味わいながら、煮干しの旨みも利かせているので、最後まで後を引く。

スープで煮たチャーシューは、バラ肉、ウデ肉ともとろける食感!

たっぷりのスープのみならず、もっちりピロピロの中太平打ち麺は170g、とろとろに煮込まれたチャーシューは60g と、うれしい盛り。午後への英気を養ってくれる。

もり中華(990円)

もり中華(990円)
キャベツとモヤシがつけ汁に入った具だくさんのつけ麺
『はるちゃんラーメン』

[住所]東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館1階
[電話]非公開
[営業時間]10時〜14時
[休日]水・日・祝
[アクセス]京王井JR山手線ほか新橋駅烏森口(汐留方面)から徒歩1分

撮影/西粼進也 取材/松井さおり

※店のデータは、2022年2月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

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