東谷義和氏(本人YouTubeより)

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 YouTube『東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】』が開設されて1か月以上が過ぎた。

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“27年間に及びアテンドした芸能人の裏側を暴露する”と宣言して始まったこのYouTubeチャンネルは瞬く間に拡散した。チャンネル登録者数は日ごとに増えていき、100万人突破が見えてきている。

 世の中に芸能人の裏話を聞きたい人がこんなにいるのかと、改めて驚かされる。開設してからというものの、復帰が決まったばかりのアンジャッシュの渡部建や朝ドラに声の出演をしている城田優、次クールで日曜劇場の主演が決まっている綾野剛と“タイミングで晒す”という発言のもとに、次々と芸能人の裏の顔を暴露していくさま、その話術に、視聴者は惹きつけられている。

芸能事務所が今のガーシーに思うこと

 当然タレントを抱える芸能事務所も黙ってみているわけにはいかないようで、老舗芸能事務所の幹部に話を聞くと、

「所属タレントのネガティブな話が出た場合、もちろん精査はしますし、程度にもよりますが問題だと思った場合は処分もあるでしょう。逆にいいがかりや、明らかな作り話や推測でなされた話なら、名誉棄損や営業妨害になりますから、何らかの手は打たなければならないと思っています」

 と場合によっては法的手段を辞さないことを示唆していた。

 実際、複数男性との交際疑惑を暴露されたある女性歌手の事務所は「配信者に対して訴訟提起及び刑事告訴等の対応を行う」と、東谷氏を訴える意思があることを明らかにしたが、今のところ何か動きがある気配はない。城田優と綾野剛も激しく“銃撃”された感があるが、どちらの事務所(城田は独立したが)も特に何かアクションを起こす様子は見られない。

 爆弾が落とされるようになって1ヶ月たったいま、芸能事務所は、ガーシーをどうとらえているのだろうか。

“晒すリスト”として東谷氏がホワイトボードで名前を挙げていたなかに、自身の所属タレントの名前が挙がっていた中堅芸能事務所のマネージャーはこう楽観視している。

「業界視聴率が高いといわれていますが、私たちも楽しんで観ていますよ。裏話と言っても何か法に触れるようなものでもなく女性関係がほとんどですよね。ジャニーズのタレントはともかく、これだけ色々なタレントの裏側が暴露されたとなると、ひとりひとりのダメージも薄まっている印象は受けますね。YouTube用に "緩い”ネタを投稿していると発言していましたが、この感じだとスルーを続ける事務所も多いのでは? 出演中の作品を降板するといった実害も今のところなさそうですし」

ネタが尽きたあとは……

 また前出の老舗芸能事務所幹部は、「暴露内容について“忖度しない”って言ってましたが、標的になっている人は大手のところじゃないしね」と静観の姿勢をみせているという。

 それでは、マスコミは出現から1ヶ月経ったあとのガーシーについて、どのように評価しているのだろうか。

「最初はどんな凄いエピソードが出てくるのか期待していたのですが、芸能記者の間ではよく出ていたような話のディテールを説明している感じで、ネタ自体は実話誌や一部夕刊紙に出るようなものです。週刊誌としては、あまりにも下卑た話で、できないんじゃなくて“やらない”内容が多い。また、基本的には過去の話ですしね。ただ、やはりどのような爆弾が隠されているのか、引き続き視聴は続けます。トーク番組としてエンタメ性に富んでいますし」(週刊誌記者)

 それにしても『ガーシーch』はいつまで続くのか。“27年間アテンド”した芸能人たちのエピソードが尽きたとき番組は終わるだろうか。本人は配信でYouTubeのアカウントが凍結されても、規制されないプラットフォームに移行して暴露を続けるのだという。収益を稼ぎ続けるためには、アッと驚くようなゴシップをコンスタント出さなければならない。

 しかし、今後、彼と付き合おうとする芸能人は現れないだろう。新しいネタを収集するのは難しくなるはずだ。放送ではDMを通じてタレコミがどんどん届いていることや、それを精査して“裏が取れたら暴露する”と発言している。頭の切れる東谷氏のことだから、自分の暴露が終わったあとは視聴者を “ネタ元”にしてチャンネルを運営しようという考えがあるのだろう。まさに『一人週刊誌』といった様相を呈しているが、1つ1つタレコミのウラを取るのは労を要する。一つ間違えば誤報となって、それこそ訴えられることになる。

 この先どうなっていくのか、マスコミの興味は裏話そのものより“ガーシーの未来”に移っている。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中