マスクなしで迎えの車に乗り込む富川アナ。

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「3月末をもってテレビ朝日を退社いたします。でも、まだ1ヵ月ありますので、全力で頑張って参りたいと思います」

2月25日放送の『報道ステーション』で、メインキャスターの富川悠太アナウンサー(45)がテレビ朝日を退社すると発表した。

富川アナは番組の放送前にも、ファックスで各メディアに退社を報告。そこには「私はニュースの現場が大好きです。報道ステーションをテレビ朝日をその現場の全てを愛して生きてきたこと。感謝と誇りを持って私はこれからもニュースの現場に立ちます」と綴られていたという。

だが『スポニチアネックス』は富川アナがフリーに転身するのではなく、大手自動車メーカーに入ると報じている。

「近年、アナウンサーの退社を耳にする機会は増えているかと思います。しかし、その退社後の進路に変化がみられるようになってきているのです」

そう語るのは、あるテレビ局関係者だ。

「従来ならばアナウンサーの再就職先といえば、フリーがお決まりでした。しかしその道一本でやっていこうとすると人は、年々少なくなってきています。

実際、富川アナと同じく3月末に日本テレビを退社する桝太一アナウンサー(40)は、4月から京都府の同志社大学ハリス理化学研究所の専任研究所員へと転身することに。『バンキシャ!』のメインキャスターは継続するそうですが、そのいっぽうで“科学を社会に伝える方法”について研究するといいます」

さらに昨年12月にテレビ朝日を退社した大木優紀氏(41)は、スタートアップの旅行会社『令和トラベル』へ。昨年3月にNHKを退社した近江友里恵氏(33)は三井不動産へと転職している。また田中みな実(35)や宇賀なつみ(35)、宇垣美里(30)のようにフリーアナウンサーを謳いながらも、タレント方面に舵を切ったケースもある。

■フリーアナは飽和状態!“自分らしさ”を活かすためにも異業種に

なぜアナウンサーの退社後の進路が変わってきたのか。前出・テレビ局関係者がこう語る。

「あまりにもフリーアナウンサーが増えすぎて、もう飽和状態なんです。局アナ時代に人気のあった人でも、フリーになった途端に苦戦することが少なくありません。そんな先輩たちの姿を見てきたため、近年のアナウンサーは“別の道”も視野に入れることが多いのです」

桝アナは東京大学大学院の農学生命科学研究科修了という経歴をもつ。三井不動産へと転職した近江氏も「大学時代は公共政策を研究するゼミで、官民が連携して街を作る仕組みを学んだ。今は自治体や民間企業と共にまちづくりを進める仕事をしている」と’21年に発行された『早稲田大学 政治経済学部』のパンフレットで明かしている。

このようにアナウンサーとしての経験を武器にしつつ、かねてより関心のあった分野へと進む傾向もあるという。

「もともと美意識の高かった田中みな実さんは美肌やスタイルが注目を集め、TBS退社後に発売した写真集は60万部以上の売り上げを記録。化粧品のCMに出演したり女優業に進出したりと、個性をうまく発揮しています。

アナウンサーという仕事はどちらかといえば自分が目立つことよりも、縁の下の力持ち的な存在であることが求められがちです。だからその分、退社後は“自分らしさ”を活かして関心のある分野に進みたいと考える人も多いのです」(前テレビ局関係者)

群雄割拠のアナウンサー業界。いま、新たなフェーズにあるのかもしれない。