豚バラ大根の中華風アレンジ!「餅の龍眼巻」【井桁シェフ考案】

お餅入り! 中華味の豚バラ大根【有名シェフがお助け!お餅のアレンジ術 #2】

ついつい余ってしまうお餅を早めに使い切りたい!お餅が大好きでいろいろな料理に使いたい!そんな方のために、1月第4週の連載「有名シェフのお助けレシピ」では、和洋中の3人のシェフによる“お餅レスキュー料理”を教えていただきます。

第1回に続いて第2回も中華の匠、井桁良樹シェフが登場!紹介してくださるのは、豚バラ大根を中華風にアレンジした「餅の龍眼巻」です。

調理時間:1時間20分

「日本のお餅は溶けやすくて煮込み料理には向かないので、今回は蒸し料理を作りましょう。

四川料理の伝統料理にお祝いの席で食べられる“龍眼焼白”というメニューがあります。本来は発酵した唐辛子を龍の目に見立て、からし菜の漬物を豚肉で巻くんです。今回は唐辛子ではなくミニトマトを代用し、からし菜の漬物の代わりにお餅を使って作ってみたいと思います。

味をしっかり馴染ませるために40分ほど蒸すので少し時間はかかりますが、密封した状態で蒸すので2~3日は冷蔵庫で保管できます。前もって準備できるため、おもてなし料理としてもおすすめですよ」

材料(2人分)

・豚バラ肉(しゃぶしゃぶ用)……8枚
a. しょうゆ……小さじ1杯
a. 紹興酒……小さじ1杯
a. 水溶き片栗粉……水:小さじ1/2杯、片栗粉:小さじ1/2杯
・餅……150g
・大根……300g
・高菜(古漬け・みじん切り)……60g
・ミニトマト……8個
・チンゲン菜……適量

〈タレ〉
・長ねぎ(小口切り)……30g
・しょうが(みじん切り)……15g
b. 鶏ガラスープ……250cc
b. 紹興酒……大さじ2杯
b. 砂糖……大さじ2杯
b. しょうゆ……大さじ1 杯
・水溶き片栗粉……水:小さじ1杯、片栗粉:小さじ1杯
・ごま油……小さじ1/2杯

下ごしらえ

・餅は1cm幅に切る
・ミニトマトはヘタを取り、横半分に切る

作り方

1. 大根を切り、塩をまぶして水気を絞る

大根はピーラーで皮をむき、5mm角の太めの細切りにします。

「まず薄切りにし、少しずらして重ねて切ると厚みが一定になり、止まらず一気に切ることができますよ」

大根に塩ひとつまみ(分量外)を軽くまぶし、5分ほどおきます。

「塩を振ってしばらく置くと余分な水分が出るので、大根の味が濃縮するんですよ。僕のお店で出している“龍眼焼白”には干し大根を使っています」

大根をザルに移し、流水をかけて塩を洗い流します。洗い終わったら、大根の水分をしっかり絞ります。

2. 肉に下味をつける

豚バラ肉は、ミニトマトと餅を巻くのにちょうどいい15cm幅に切り分けます。ボウルで(a)を合わせ、豚バラ肉にかけて下味をつけます。指先を使って豚肉にまんべんなくタレを広げるのがポイントです。

3. 餅とトマトを肉で巻く

ミニトマトを豚肉の脂身側に置き、その横に餅を配置して、くるくると巻いていきます。

巻き終わったらバットや皿などに取り置きます。

「豚肉はお餅の半分くらいまで巻きつければOK。赤いトマトを龍の目に見立てているんですよ」

4. 高菜と大根を炒める

中華鍋またはフライパンで油を温め、まずは高菜を強火でしっかり焼き付けます。香りが立ってきたら大根を加えてさらに炒め、1分半ほどで皿に移します。

「香ばしさを出すために炒めます。これだけでもおかずになるくらいおいしいですよ!」

5. タレを作る

サラダ油大さじ1杯(分量外)を熱し、長ねぎとしょうがを中火で炒めて香りを出します。次に(b)を加えていきます。沸騰したら完成です。

「もしラードがあったらサラダ油代わりにぜひ使ってください。旨味が増しますよ」

6. (3)と(4)をボウルに詰めて蒸す

15cmほどのボウルにミニトマトを下にした(3)を立てます。今回は4個を1列にして3列並べました。

(4)をボウルに隙間なく詰め、(5)を注ぎます。ラップを二重にかけて密封し、蒸し器に入れて40分蒸します。

「タレがボウルに入りきらない場合は、捨てずに取っておいてください。完成前に使うかもしれないので」

「20分くらいで火は通りますが、おいしくするためにさらに20分蒸しましょう。蒸し器がなかったら鍋に網を敷いて、空焚きにならないようにお湯を足しながら蒸すといいですよ」

7. チンゲン菜をゆでる

蒸し上がりの時間が近づいたら、付け合わせのチンゲン菜をゆでます。

「熱湯に大さじ1杯のサラダ油と小さじ1杯の塩(共に分量外)を加えてゆでましょう。色が鮮やかになるだけでなく艶も出て、きれいなゆであがりになります。かき混ぜながらゆでるといいですよ」

8. 蒸し上がった(6)にチンゲン菜を飾る

蒸し器から取り出したボウル内の煮汁は鍋に取り、ボウルの縁に沿ってチンゲン菜を並べます。

「ボウルには煮汁がなみなみと入っているので、やけどしないように注意しながら鍋に移してください。最後にとろみをつけて豚バラ大根にかけるので捨てないで!少しだけラップを外して、お玉や菜箸などで押さえながら軽く汁を切ってください」

ボウルに裏返した皿をのせて、そのままひっくり返して皿の上にボウルを置きます。

「ボウルは熱いのでミトンや折りたたんだタオルなどを使ってください。お皿ごとトントンと軽くテーブルに打ちつけると中身が簡単に外せます。でもこの時点では、まだボウルはそのままにしておいてください」

9. タレを仕上げ、盛り付ける

(8)で取り分けた煮汁を一度沸騰させて、豚バラの油を浮かせてすくい取ります。水溶き片栗粉を加えてとろみが出たら、ごま油を加えます。タレの分量が少なく感じたら、(6)で余ったタレを足します。

ボウルを外し、タレを回しかければ完成です!

高菜がピリっ!旨味の染み込んだ餅と大根がたまらない

ぱっと見はお餅の姿が見えませんが、豚バラ肉を箸やレンゲで持ち上げると、ほどよく溶けたお餅が顔を出します。味がしっかり染みた大根に、ピリッと存在を主張する高菜、さわやかな酸味のミニトマト。これまでの概念を吹き飛ばす、まったく新しい豚バラ大根です。

「日本の豚バラ大根と材料は同じなのに、まったく違う料理ができあがったでしょ。意外性を楽しんでもらえるとうれしいですね。タレを入れて長時間蒸し煮することで、味が一体化して、お餅もほどよくとろとろになるんです。

今回は調味料の種類は抑えましたが、五香粉を入れるとさらに中華らしくなります。ぜひお試しください」

龍の目を模したミニトマトが目をひくドーム型の豚バラ大根。ビジュアルからしても、特別な日にお披露目したくなるひと皿です。

明日は、新食感を楽しむ「餅入り沢煮汁」を紹介

明日は、餅の新食感が楽しめる「餅入り沢煮汁」のレシピを和の匠、野永喜三夫さんに教えていただきます。お楽しみに!

教えてくれた人

取材協力

店舗名:中國菜 老四川 飄香小院 (ラオシセン ピャオシャン ショウイン)六本木ヒルズ店
郵便番号:106-0032
住所:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワーウェストウォーク 5F
市区町村:港区
町域:六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワーウェストウォーク 5F
定休日:なし
営業時間:ランチ 11:00~15:00(L.O. 14:30)ディナー 17:00~23:00(L.O. 21:30)
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