小正月には「小豆粥」を食べよう!おいしく作るコツと簡単アレンジレシピを紹介

教えてくれた人

料理研究家・フードコーディネーター/星野奈々子さん
慶應義塾大学卒業後、ITエンジニアとして働きながら料理の勉強をはじめ、退社後にル・コルドン・ブルー代官山校料理ディプロマを取得。祐成陽子クッキングアートセミナーを卒業して独立する。現在は書籍、雑誌、企業のレシピ開発、フードスタイリングを中心に活躍中。

小正月に欠かせない「小豆粥」

調理時間:60分

小豆を加えて炊いたお粥、小豆粥。1月7日に食べる七草粥と同じく、一年の無常息災を願って食べる1月の風物詩です。

この記事では、料理研究家の星野奈々子さんに教わった小豆粥の作り方と、アレンジレシピをご紹介します。さらに、小豆粥はいつ食べるものか、どんな意味があるかなども詳しく解説しますよ。家族の健康を願って、小豆粥を作ってみましょう!

小豆粥はいつ食べる?

小豆粥は、お正月が過ぎると訪れる1月15日の小正月(こしょうがつ)に食べるのが一般的。小正月の朝に小豆粥を食べると、1年間の邪気を祓い万病を除くといわれています。

これは中国から伝わったしきたりで、中国では昔から小豆のような赤い食べ物は邪気を祓い疫病から身を守るといわれているんだとか。日本でも、平安時代には無病息災を願い食べられるようになったという記述が残っており、おめでたい行事の際に赤飯を食べるのもこの理由に由来しています。

材料(作りやすい分量)

・小豆……100g
・米……1/2合(75g)
・餅……適量
・塩……適量
・黒いりごま……適量

下ごしらえ

・米はといで水気を切る
・小豆はさっと洗って水気を切る

作り方

1. 小豆を下ゆでする

鍋に小豆と水(分量外)を入れて火にかけます。

「小豆はなるべく新しいもののほうがやわらかく、煮る時間も少なくなるのでおすすめです。また、大粒の小豆を使用したほうが食感を楽しむことができます」

沸騰したらざるに上げて水気を切ります。

「ゆで汁を一度捨てることで、アクや渋み、ぬめりなどを取り除くことができますよ」

2. 小豆を再度ゆでる

1をふたたび鍋に入れ、水800cc(分量外)を入れて火にかけ、煮たったらふたをして弱火で20分煮ます。

「厚手のホーロー鍋などを使う場合はふたを完全に閉めますが、それ以外の場合は吹きこぼれないようにふたを少しずらしてのせてください」

3. 米を加えて煮る

2に米を加え、ふたをして弱火で20分煮ます。

20分煮たものがこちら。器に盛り、焼いた餅をのせたら、お好みで塩やいりごまをふって完成です。

「やわらかい餅が好みの方は、電子レンジで加熱したり、熱湯でゆでるとよいでしょう。塩やごまではなく、きび砂糖やてんさい糖、黒砂糖を足して甘くすると、ぜんざいのように味わうことも。小さいお子さんでも食べやすくなりますよ」

やさしい甘みがおいしい。さつまいも入り小豆粥

毎年食べている方は、たまには趣の異なる小豆粥を食べたくなることもあるでしょう。そんなときは、さつまいもを加えたアレンジレシピを試してみてはいかがでしょうか。

「小ぶりのさつまいも1本(200g程度)を2~3cm角に切り、水にさらして水気を切ります。基本の作り方の米を加えるタイミングで、一緒に加えて煮てください。さつまいもの自然な甘みが加わり、食べ応えも出ますよ」

ベースの材料は米と小豆のみとアレンジしやすい料理なので、家族好みの味つけを見つけられるとよいですね。

小正月に小豆粥を食べて、気持ちよく一年をスタート!

少し時間はかかりますが、作る工程はとても簡単な小豆粥。最後に、おいしくいただくコツを星野さんに教わりました。

「できてから時間が経つと米や小豆が水分を吸ってしまうので、でき立てをいただくのがおすすめです。ぜんざいやお汁粉などよりも甘みがないぶん、小豆の旨味が感じられる滋味深い味わいを、ぜひ味わってみてくださいね」

お正月におせちを、1月7日に七草粥を食べるように、1月15日は小豆粥を食べることで、一連の年始行事を締めくくり、心も体もスムーズに日常へと踏み出せるきっかけを与えてくれるのかもしれません。体にやさしい小豆粥を食べて、気持ちよく日常へのスタートを切りましょう!

取材・文/鎌上織愛