auじぶん銀行の住宅ローン金利(au金利優遇割適用時)

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 新型コロナ禍を受け、大手新築マンション販売会社は、物件ごとのオンライン内覧会・オンライン相談、総合モデルルームでの案内など、新たな手法を取り込み、オンライン手続きに慣れた層にとっては以前よりも物件購入を検討しやすくなっている。

 auじぶん銀行の住宅ローンは以前から低金利で知られ、21年12月適用の全期間引き下げプランの変動金利は、au金利優遇割適用で年0.31%からとなっている。さらに12月1日から22年3月31日まで、借り換え・全期間引下げプラン限定で「借換え金利引下げキャンペーン」を実施。借換え金利引下げキャンペーン・au金利優遇割の同時適用で年0.298%まで引き下がる。

 通信契約とのセット利用による住宅ローン金利引き下げは、「住宅ローン減税」と呼ばれる「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」の税制優遇に起因しており、あまりにもお得な逆ザヤ状態を解消するため、22年度税制改革で見直し予定だ。しかし、報道されている改正案(控除率引き下げ・控除期間延長)だと、収入・借入の状況によっては、控除総額が現行より増加し、ますます住宅ローン減税はお得な制度になる。詳細は正式決定後に改めてお伝えするが、通信とライフデザインの融合を目指すKDDIにとっては制度変更は追い風だ。

(参考記事)

KDDIとauじぶん銀行、「住宅ローンauモバイル優遇割」の事前受付開始

https://www.bcnretail.com/news/detail/20201202_201890.html

住宅ローン減税制度変更へ よく知られた節税術がふさがれる

https://www.bcnretail.com/market/detail/20201203_202552.html

 全国の家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、21年11月のスマートフォンのキャリア別販売台数1位は、シェア29.4%でauだった。auとUQ mobileを合算するとシェアは36.1%と、キャリアが販売するスマートフォン(スマホ)全体の販売台数の4割近くまで上昇する。

 KDDIはNTTドコモ、ソフトバンクに先立ち、3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」を22年3月31日に終了する。サービス終了によって使えなくなる端末一覧も公開され、au VoLTE非対応の「iPhone 5s/5c」など一部のスマホも22年3月末をもって音声通話やモバイルデータ通信サービスは利用不可になる。

 11月のauの好調な売れ行きは、こうした3Gケータイ・au VoLTE非対応スマホからの機種変更を促す販売促進策によるところが大きいと思われるが、au契約者限定の住宅ローン金利優遇をきっかけとしたauへの乗り換えも少なからずありそうだ。新たに始まった借換え金利引下げキャンペーンや、住宅ローン減税制度の見直し前の駆け込み入居でさらに加速するかもしれない。(BCN・嵯峨野 芙美)