クアルコム、5G対応「常時接続PC」向けの第3世代Snapdragon 8cx・7c+
米クアルコムが開催したSnapdragonの技術セミナー「Snapdragon Tech Summit」にて、ARM版Windowsを搭載したモバイルPC向けの新しいプラットフォームが発表されました。世界で初めて5nmプロセスルールで製造されるプレミアムSoC「Snapdragon 8cx Gen 3」と、エントリークラスのWindows PCおよびChromebook向けのSoC「Snapdragon 7c+ Gen 3」です。各SoCを搭載するデバイスは、2022年前半に発売が見込まれています。
○CPU・GPUのパフォーマンスを大幅強化
クアルコムは2017年に開催したSnapdragon Tech Summitにて、「Always-On, Always-Connected」というモバイルPC向けプラットフォームを立ち上げました。SnapdragonのSoCによる常時スタンバイ状態からの高速起動や、消費電力を抑えた高速ネットワーク通信を実現します。
その後は価格帯を分けて、派生したプラットフォームがそれぞれ進化を続けてきました。SoCの名称に含まれる「Gen 3」は第3世代のチップセットであることを意味しています。
上位のSnapdragon 8cxは、2020年に投入した「Gen 2」のSoCと同等の消費電力を維持しながら、プライムコア+パフォーマンスコアを4基ずつの計8コアを持つ64bit構成。CPUは性能を最大85%引き上げました。インテルのx86プラットフォームと比較した場合、1Wの消費電力あたりの性能は最大60%上回るとしています。
SoCに統合されるGPU「Adreno」の性能は最大60%向上。動画や静止画コンテンツの再生・編集、ビデオ会議など、グラフィックスに関わるタスクがスムーズにこなせるようになります。ゲーミングコンテンツは、最大120fpsのフルHD解像度で製作されたグラフィックスを滑らかに表示しながら、競合のプラットフォームよりも最大50%長いプレイ時間が得られるといいます。
○最強のカメラ、5G通信機能をPCに組み込める
画像信号処理プロセッサ「Spectra ISP」の処理性能も向上し、PCに内蔵するカメラの起動時間を短縮。ビデオ会議の開始までにかかる準備時間が約15%短くなるとします。カメラは最大4K解像度(HDR対応)、および最大4台のカメラを搭載可能です。
音声によるコミュニケーションでは、「Qualcomm Voice Suite」パッケージに含まれるノイズとエコーの低減アルゴリズムによって、明瞭度の高い音声伝送を実現。さらにAIによる音声解析を加えて、解像度の向上を図ります。
また、話者の背後から聞こえてる愛犬の鳴き声など、ビデオ会議のノイズになる不要な背景音をキャンセルして、会話音声にフォーカスする技術も搭載できます。プラットフォームに統合されるAIエンジンの性能は、29 TOPS(秒間29兆回の演算処理)に到達しました。
セキュリティ面では、SoCからクラウドまで一貫して高い安全性を確保しています。クアルコムのSPU(Secure Processing Unit)上で、Windows用の専用セキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」を動作させることにより、Windows Helloによる生体認証ログイン機能をはじめとする安全なアクセスを提供します。
セルラー通信機能は、クアルコムが展開する5G対応モデムチップ「Snapdragon X55・X62・X65 5G Modem-RFシステム」との連携が可能。5G対応の最新モデムX65を追加すれば、下り最大10Gbpsの5G通信に対応するモバイルPCも製品化できます。セルラー以外の無線通信は、Wi-FiとBluetoothの無線通信を制御するサブシステム「FastConnect 6900」を載せたことにより、Wi-Fi 6・6Eで最大通信速度は3.6Gbpsに到達します。
○エントリークラスのSoCも5G対応に
エントリークラスのSoCである「Snapdragon 7c+ Gen 3」は、6nmプロセスルールで製造。2021年5月に発表された7c Gen 2と比較して、CPUで最大60%、GPUで最大70%、パフォーマンスアップしました。AI性能は、6.5 TOPS(秒間6.5兆回の演算処理)として余裕を持たせています。発表時点では、エントリークラスのPC向けSoCとしては最も高性能なものです。
セミナーの壇上では、クアルコムのProduct Management Vice PresidentであるMiguel Nunes氏がモバイルPC向け製品を説明。Nunes氏は、SnapdragonファミリーのエントリークラスPC向けSoCとして、Snapdragon 7c+ Gen 3が初めて5G通信をサポートした点を強調しています。
プラットフォームに5Gのミリ波とSub-6の通信をサポートする「Snapdragon X53 5G Modem-RFシステム」を組み込み、最大ダウンロードスピード3.7Gbpsを実現します。無線通信はサブシステムのFastConnect 6700により、Wi-Fi 6・6Eで最大2.9Gbpsとしています。
また、セミナーにはクアルコムのプレジデント兼CEOであるクリスティアーノ・アモン氏も登壇。今後はモバイルPCでも、リモートワークやオンラインゲーミングなどのエンターテインメントに一層スムーズに対応できるアーキテクチャへと転換が求められると、展望を語りました。クアルコムが提案する「Always-On, Always-Connected」なモバイルPCのコンセプトを、あらためて強く打ち出しました。
マイクロソフトのEVP and Chief Product OfficerであるPanos Panay氏もセミナーにゲスト参加。マイクロソフトはクアルコムとパートナーシップを組み、常時接続が可能なモバイルPCのプラットフォームをともに開発しています。Panay氏は、高速5G通信や高度なAI・デジタルイメージング処理に対応する、クアルコムのSoCを載せたモバイルPCが今後、働き方やエンターテインメントを楽しむスタイルを大きく変換するだろうと述べてエールを送りました。
○CPU・GPUのパフォーマンスを大幅強化
クアルコムは2017年に開催したSnapdragon Tech Summitにて、「Always-On, Always-Connected」というモバイルPC向けプラットフォームを立ち上げました。SnapdragonのSoCによる常時スタンバイ状態からの高速起動や、消費電力を抑えた高速ネットワーク通信を実現します。
その後は価格帯を分けて、派生したプラットフォームがそれぞれ進化を続けてきました。SoCの名称に含まれる「Gen 3」は第3世代のチップセットであることを意味しています。
上位のSnapdragon 8cxは、2020年に投入した「Gen 2」のSoCと同等の消費電力を維持しながら、プライムコア+パフォーマンスコアを4基ずつの計8コアを持つ64bit構成。CPUは性能を最大85%引き上げました。インテルのx86プラットフォームと比較した場合、1Wの消費電力あたりの性能は最大60%上回るとしています。
SoCに統合されるGPU「Adreno」の性能は最大60%向上。動画や静止画コンテンツの再生・編集、ビデオ会議など、グラフィックスに関わるタスクがスムーズにこなせるようになります。ゲーミングコンテンツは、最大120fpsのフルHD解像度で製作されたグラフィックスを滑らかに表示しながら、競合のプラットフォームよりも最大50%長いプレイ時間が得られるといいます。
○最強のカメラ、5G通信機能をPCに組み込める
画像信号処理プロセッサ「Spectra ISP」の処理性能も向上し、PCに内蔵するカメラの起動時間を短縮。ビデオ会議の開始までにかかる準備時間が約15%短くなるとします。カメラは最大4K解像度(HDR対応)、および最大4台のカメラを搭載可能です。
音声によるコミュニケーションでは、「Qualcomm Voice Suite」パッケージに含まれるノイズとエコーの低減アルゴリズムによって、明瞭度の高い音声伝送を実現。さらにAIによる音声解析を加えて、解像度の向上を図ります。
また、話者の背後から聞こえてる愛犬の鳴き声など、ビデオ会議のノイズになる不要な背景音をキャンセルして、会話音声にフォーカスする技術も搭載できます。プラットフォームに統合されるAIエンジンの性能は、29 TOPS(秒間29兆回の演算処理)に到達しました。
セキュリティ面では、SoCからクラウドまで一貫して高い安全性を確保しています。クアルコムのSPU(Secure Processing Unit)上で、Windows用の専用セキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」を動作させることにより、Windows Helloによる生体認証ログイン機能をはじめとする安全なアクセスを提供します。
セルラー通信機能は、クアルコムが展開する5G対応モデムチップ「Snapdragon X55・X62・X65 5G Modem-RFシステム」との連携が可能。5G対応の最新モデムX65を追加すれば、下り最大10Gbpsの5G通信に対応するモバイルPCも製品化できます。セルラー以外の無線通信は、Wi-FiとBluetoothの無線通信を制御するサブシステム「FastConnect 6900」を載せたことにより、Wi-Fi 6・6Eで最大通信速度は3.6Gbpsに到達します。
○エントリークラスのSoCも5G対応に
エントリークラスのSoCである「Snapdragon 7c+ Gen 3」は、6nmプロセスルールで製造。2021年5月に発表された7c Gen 2と比較して、CPUで最大60%、GPUで最大70%、パフォーマンスアップしました。AI性能は、6.5 TOPS(秒間6.5兆回の演算処理)として余裕を持たせています。発表時点では、エントリークラスのPC向けSoCとしては最も高性能なものです。
セミナーの壇上では、クアルコムのProduct Management Vice PresidentであるMiguel Nunes氏がモバイルPC向け製品を説明。Nunes氏は、SnapdragonファミリーのエントリークラスPC向けSoCとして、Snapdragon 7c+ Gen 3が初めて5G通信をサポートした点を強調しています。
プラットフォームに5Gのミリ波とSub-6の通信をサポートする「Snapdragon X53 5G Modem-RFシステム」を組み込み、最大ダウンロードスピード3.7Gbpsを実現します。無線通信はサブシステムのFastConnect 6700により、Wi-Fi 6・6Eで最大2.9Gbpsとしています。
また、セミナーにはクアルコムのプレジデント兼CEOであるクリスティアーノ・アモン氏も登壇。今後はモバイルPCでも、リモートワークやオンラインゲーミングなどのエンターテインメントに一層スムーズに対応できるアーキテクチャへと転換が求められると、展望を語りました。クアルコムが提案する「Always-On, Always-Connected」なモバイルPCのコンセプトを、あらためて強く打ち出しました。
マイクロソフトのEVP and Chief Product OfficerであるPanos Panay氏もセミナーにゲスト参加。マイクロソフトはクアルコムとパートナーシップを組み、常時接続が可能なモバイルPCのプラットフォームをともに開発しています。Panay氏は、高速5G通信や高度なAI・デジタルイメージング処理に対応する、クアルコムのSoCを載せたモバイルPCが今後、働き方やエンターテインメントを楽しむスタイルを大きく変換するだろうと述べてエールを送りました。