「ウォーキング・デッド」女優、MCUで聴覚障害のヒーロー役 『エターナルズ』宇宙最速のマッカリとは
『アベンジャーズ/エンドゲーム』後を舞台にした映画『エターナルズ』では、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初となる聴覚障害のヒーロー・マッカリが登場する。演じているのは、ドラマ「ウォーキング・デッド」のコニー役で知られ、自身も聴覚障害を持つローレン・リドロフだ。
宇宙神セレスティアルズによって創造された種族エターナルズは、それぞれが不死身の肉体と超人的なパワーを授かっている。マッカリは、超高速で走れる能力を持っており、そのスピードは宇宙最速。また、地球に関する知識はチーム随一で、何世紀にもわたり地球を隅々まで調査してきた。
聴覚を失った子供たちを描く『ワンダーストラック』(2017)にコンサルタント・役者として参加したローレンは、「ウォーキング・デッド」シーズン9(2018〜2019)からコニーを演じてブレイク。オスカー候補となった『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』(2020)や、ろう者のスーパーヒーローが活躍する『サイン・ジーン 初代ろう者スーパーヒーロー』(2017)などにも出演している。
原作コミックでは男性として描かれたマッカリだが、MCU版の設定は聴覚障害を持つ女性。ローレンは、本作に参加した時にはキャラクターの概略がすでに存在していたと、New York Times のインタビューに語っている。「マーベルは多様性のために闘ってくれていて、すごく感銘を受けたんです。ジェンダーだけでなく、人種も。だから、私はこのプロジェクトに魅力を感じたんです」と作品が掲げるテーマに魅了されたという。
MCUで聴覚障害を持つヒーローを描くのは、本作が初めて。撮影現場ではレーザーポインターを使っての指示や、アメリカ手話(ASL)のコンサルタントである夫ダグラスに助けられたそうで、「ダグラスは素晴らしいASLコンサルタントです。彼は他の俳優が撮影中に即興で何かをする時に、会話の内容を手話にして伝えるサポートをしてくれました」と The Hollywood Reporter で振り返った。
ローレンはまた、超高速で走るマッカリを演じるため、最初はランニングで役づくりをしていたと Marvel Entertainment のインタビューで告白。しかし、マーベルからは走ることを止めるように伝えられたそうで、「私も『なぜ?』って思いました。でも、彼らは私にランナーのような見た目になってほしかったんです。なので実際に走るのではなく、フィジカル面を鍛えることに変えました」と語っている。(編集部・倉本拓弥)