Androidからタブレットや折りたたみ式デバイス向けの最新OS「Android 12L」の開発者プレビューが登場
Googleの開発するスマートフォン向けOSであるAndroidは、2021年10月に最新バージョンの「Android 12」をリリースしたばかりです。そんなAndroid 12をタブレットや折りたたみ式デバイスに最適化した「Android 12L」の開発者プレビューが公開されました。
12L Developer Preview | Android 12 | Android Developers
https://developer.android.com/about/versions/12/12L
https://arstechnica.com/gadgets/2021/10/android-12-is-so-last-week-meet-android-12l-now-in-developer-preview/
Android 12LはAndroid 12を大画面向けに最適化したOSです。大画面向けにUIを最適化し、マルチタスクをより強力かつ直感的にし、アプリの互換性サポートを改善し、デフォルトでの見栄えをより良くしています。基本的にはタブレット、Chromebook、折りたたみ式スマートフォンといった端末向けのOSとなっており、2022年初頭にリリース予定です。
主な変更点は以下の通り。
◆大画面向けに最適化されたUI
Android 12LではUIを改良することで、通知・クイック設定・ロック画面・概要・ホーム画面などを大画面でより美しく使いやすいものにしています。例えば通知画面の場合、通知とクイック設定画面を左右に並べた縦2列のレイアウトとなっており、左画面ではWi-FiやBluetoothなどの簡易な設定が可能で、右画面には通知が表示されるようになっています。これにより大きな画面を無駄なく使えるようになっているわけ。
さらに、Android 12Lでは大画面での主要な操作を簡易化することに重点を置いており、ロック画面パターンとPINコントロールが画面の横に表示されるようになりアクセスしやすくなっています。他にも、折りたたみ式スマートフォンでの1画面表示と2画面表示の遷移をよりシームレスにすることにも成功しています。
◆より強力で直感的なマルチタスク
タブレットやChromebook、折りたたみ式スマートフォンなどの通常のスマートフォンよりも大画面のデバイスを使用する場合、ユーザーはマルチタスクを実行する頻度が高くなります。Android 12Lではアプリの起動とオンザフライでの切り替えを容易にするための新しいタスクバーが追加されています。ジェスチャーを使用することでタスクバーの使用がさらに高速になります。ドラッグ&ドロップで分割画面モードに移ることが可能で、上方向にスワイプすることで簡単にホーム画面に戻ることもできます。また、タスクバーは長押しするだけでいつでも表示・非表示が可能です。
実際により直感的に進化したAndroid 12Lのマルチタスクがどんな風に動作するのかは、以下の画像をクリックした際に再生されるGIF画像でチェックできます。Android 12Lでは分割画面モードをこれまでになく簡単に検出・使用できるようになっており、ユーザーはお気に入りのアプリをタスクバーから直接分割画面にドラッグ&ドロップできるようになりました。
◆互換性エクスペリエンスの向上
多くのアプリがすでに大画面デバイス向けに最適化されており、レスポンシブルレイアウトやマルチウインドウモードのサポート、画面サイズ全体の継続性、デバイスの姿勢変更などを通じ、優れたエクスペリエンスを提供します。
一方、大画面デバイスに最適化されていないアプリの場合は、表示や安定性を改善することでユーザーエクスペリエンスを向上させる「互換モード」で、より見栄えをよくしています。互換モードでは、オーバーレイ構造を通じてデバイスメーカー側がカスタマイズできるオプションを多数用意しており、アプリのアスペクト比を構成したりアプリウインドウのUIデザインを調整したり、ステータスバーの透明度を変更したりすることが可能。これにより、大画面に最適化されていないアプリのユーザーエクスペリエンスが向上します。
互換モードで実行されるアプリの一例は以下の通り。
その他の変更点としては、Android 12LでアプリストアのGoogle Playにアクセスした際により良いユーザーエクスペリエンスが体験できるように、Google Playに一部変更が加えられています。具体的には、Android 12Lを搭載した大画面デバイスに最適化されたアプリが強調表示されるようになるとのこと。
アクティビティの埋め込みを使用すると、複数のアクティビティを表示することが可能となり、大画面の表示領域を有効活用可能となります。Android 12Lではアプリのリファクタリングがほとんど必要なく、XML構成ファイルを作成するかJetpack WindowManager APIを実行することでアプリが複数のアクティビティを並べて表示することが可能となります。
スマートフォンは基本的に縦向きで使用することが多いですが、折りたたみ式スマートフォンの場合は横向きと縦向きの両方で使用するケースが多くあります。一部のアプリは端末の向きを検出してアプリの表示を回転させますが、Android 12Lでは端末の向きに関係なく優先する向きを固定することも可能です。