料理の基本を覚えよう!「煮る」が上手くなるポイント&課題レシピを紹介。
食材に火を通す目的のことを「茹でる」、そこから味付けをすることを「 煮る 」というが、どちらも料理や食材ごとに時間もプロセスも異なるのが特徴。今回は課題料理に合わせて、煮る方法を見てみよう。
昨今では、電子レンジなどを使って簡単にできる時短方法などが主流になりつつありますが、短時間にしている分、例えば食感が失われてしまったり火の通りがベストになりにくかったりと、思うような仕上がりにならないことも。まずは基本の茹で方・煮方を知っておき、そのうえで活用してみるといいかもしれませんね。
煮ることに関しては、「煮切る」「煮詰める」など料理用語も多いほど、奥が深く難しい分野。その中でも使用頻度が高い、油で炒めてから煮る「炒め煮」と、具材をしっかり「煮込む」方法を習得してみましょう。
【炒め煮(所要時間:30分)】具材をしっかり炒めて旨味を引き出す。
1.水分が飛ぶまで具材を炒める。
特に玉ねぎを使う場合は、先に水分を飛ばすように炒めることで甘みや香ばしさを引き出し、味によりコクが出る。焦がさないように炒めるのが重要。
2.水を入れてひと煮立ち。
ひと煮立ちとは、煮汁を軽くグツグツさせ、ひと呼吸置く程度。時間にすると30秒ほどが目安だ。その後は弱火にし、具材をゆっくり混ぜ合わせながら煮る。
「はじめてのスパイスキーマカレー」
玉ねぎはあめ色になるまで中火でしっかり炒めること。途中焦げそうになったら少し水を加えると温度が下がって焦げにくくなる。味を調える前に隠し味の砂糖を加えることでコクがアップ。ほうれん草を茹でてみじん切りにし、水を加えるタイミングで一緒に入れればサグカレーにアレンジも。
【煮込む(所要時間:60分)】コトコト煮込んで味を染み込ませる。
1.炒め煮をして、煮込む具材を投入。
今回のような塊肉を入れる場合も含め、具材を入れて煮込む時は“弱火で長時間”がキーポイント。
2.味を染み込ませながら煮込む。
スープのように水分量が多くないので、たまに混ぜて鍋底が焦げないようにするのも大切。一緒に煮詰めているソースをスプーンで具材にかければ、より味も染み込む。
「スペアリブの麻婆煮込み」
弱火でにんにく、しょうが、長ねぎを炒めて香りを出し、そのあと味噌類(豆板醤、甜麺醤)を入れると焦がしじょうゆのように水分が飛んで味が凝縮される。より香ばしさを出したいならスペアリブを焼いてから煮込んでも。たまごは10分ほど茹でたものを入れて煮込めば、ちょうどいい味付きたまごに。
Navigator…and recipe(アンド・レシピ)
山田英季、小池花恵のふたりによるユニット。料理と旅をテーマに活動している。メディアや飲食店などへのレシピ作成のほか、食の楽しさを伝えるためのイベントなどもプロデュース。自身のメディアも展開している。『冷蔵庫にあるもんで』『あたらしいおかず』など著作も多数。
(Hanako1198号掲載/photo : Wataru Kitao, Miyu Yasuda illustration (portrait) : Yu Nagaba text : Ami Hanashima)