ヤマダが銀行代理業に参入へ 大塚家具は完全子会社化で上場廃止に

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ヤマダホールディングス(三嶋恒夫社長)が、大塚家具を完全子会社化することを決めた。大塚家具は8月30日付で上場廃止となり、9月1日にヤマダホールディングスの完全子会社となる。

 ヤマダは2019年2月に不振が続いていた大塚家具と業務提携し、同年12月にはヤマダの出資を受け入れて傘下入り。この時、ヤマダ会長の山田昇氏は「来期(21年4月期)の黒字化は可能」としていたが、大塚家具は21年4月期まで5期連続の赤字。社長だった大塚久美子氏は昨年12月に辞任しており、ヤマダ社長の三嶋氏が大塚家具の社長を兼務していた。

 4月30日時点で大塚家具の発行済み株式51.83%を保有しているヤマダ。同社は「短期的な株式市場からの評価にとらわれず、より中長期的な視点での経営戦略を実現できる体制を構築することが可能になる」と説明している。

 近年は人口減・少子高齢化の時代になり、家電製品の販売が急増する時代ではない。また、消費者の節約志向は強まるばかりで、ヤマダも事業構造の改革に着手。昨年10月に持ち株会社に移行し、今年7月からは「デンキ」「住建」「金融」「環境」「その他」の5つの事業セグメントに組織を再編。グループ全体で”暮らしまるごと”を通じた新たな提案を図る考え。

 また、同社は地域金融機関との連携を加速。すでにヤマダ同様、群馬県が地盤の東和銀行と提携している他、今度は住信SBIネット銀行と提携し、銀行代理業(ヤマダNEOBANK)にも参入する方針で、「金融事業領域でのスピード感を持った事業拡大を目指す」としている。

 大手金融機関が支店や窓口を相次ぎ閉鎖する中、異業種の金融参入が鮮明になっている。

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