白鳥久美子さんが考える出産と子育て。憧れは山での自給自足生活
今年の夏に出産を控えている、芸人の白鳥久美子さん。
ここでは、妊娠したときの思いや、夫のチェリー吉武さんとの暮らしについて伺った前編インタビューに続き、出産を控えた今、自身のなかで変わってきた思いについて語っていただきます。
白鳥久美子さん
――芸人として活躍する一方で、プライベートでは暮らし上手との評判も高い白鳥さん。趣味のひとつにベランダの一画を使った野菜づくりがあり、今後も充実させていきたいそう。
「もともと祖父母が農業をやっていて、米や野菜づくりの手伝いをしながら育ったんです。だから都会にきても土には触れたいなと思っていて、何年か前から手づくり野菜を始めました。
芸人仲間のまぁこさんのお子さんが野菜嫌いと聞いたので、うちのベランダを野菜でみちみちにして、収穫させたやつを一緒にもぎ、腹いっぱい食べさせてやろうかなという思いもありましたね。ピーマンやじゃがいを育てて、息子さんに収穫体験をしてもらってます。女芸人ならではのおばゴコロが、ここでも炸裂(笑)。
自宅で栽培しているレタス(白鳥久美子さん公式ブログより)
レタスとかはすぐ育つので、もいでもいでも生えてきて楽しいですよ〜。春先は葉物、夏は夏野菜を植えて。秋は少しお休みし、冬は苗を買っておくんです。都会のベランダでも野菜はそれなりに育っていくものだなあと、やってみて思いました」
――女芸人仲間への思いやりは、ここでも。
「ペットボトルに土を入れただけでもプランター代わりになるので、今、清水ミチコさんと、光浦さんと、森三中の黒沢さんの分も途中まで育ててます。
清水さんはもともと野菜栽培に興味があるらしいので『欲しいな〜』とおっしゃってくださって。光浦さんは、『姪っ子と一緒に育てたいから、白鳥さん、私が失敗しないレベルまで育てて』って。黒沢さんには、私がプレゼントしたくて、本人の了解も得ずにせっせと育ててます(笑)。
今年はメロン栽培にも挑戦したかったんですけど、出産があるので見送ることに。メロン、ベランダで育てると一鉢でひとつできるらしくて、なんだか豪華な話ですよね。果物の栽培は子どもが産まれてからの楽しみにしたいと思います」
――妊娠期間を含め、この一年余りのおうち生活を通して感じることもあったそう。
「これからの時代は自給自足ができる生き方のほうが楽しいんじゃないかなと。私の場合、コロナに罹ったこともあり、この一年ぐらいで人生、なにが起こるかわからないぞ、というのを実感しました。だったら都会暮らしにこだわり続けるよりも、いつかは大好きだった田舎に移住し、仕事と自給自足生活の二足のわらじもアリかな、なんて思うようになってきたんですよね。
夫のチェリーさんも都会が大好きな人だったんですが、最近では『田舎暮らしも悪くないかも』と言うようになっていますし」
――「あくまで理想です」と言いながらも、かなり具体的な自給自足プランを教えてくれた白鳥さん。
「行くなら、う〜んとひなびた場所がいいですね。地元の福島県も大好きですが、私の生まれ育った場所って、わりと中途半端な田舎なんですよ。ショッピングモールにはおいそれと行かれないところまで引っ込みたいです。
海か山かと聞かれれば、山派。山の中で鹿を獲ったり、薪を割ったりしたいですね〜! なんなら、山を丸ごとひとつ買ってしまったらどうかと思うぐらい(笑)。真っ暗な闇の中で夜を過ごし、生き物の気配に怯えながら暮らしてみたい…! 映画『ノマドランド』を見て、親子でキャンピングカー暮しも楽しそうだななんて思ったりも。
妊娠したと周りに告げたら、『じゃあ家を買うの?』と聞かれたりもしたんですが、私のなかでは、いまいち踏みきれないものがあって。やっぱり都会の定住暮らしはお金がかかるし、これからはそこまで人生設計を固めずに、もっと身軽に生きてもいいのかもしれません」
――新しい生活のスタートを控えて、節約にも意識が向いているそう。
「食費を抑えるのと、NISAやiDeCoなどお金についての勉強も始めました。それと出産時に利用できる公的負担は、できる限り利用してやろうと思っています。ただし自分から情報を取りにいかないと受け取れない場合も多いから、結構がんばって調べて…。役所へ行って相談したり」
――ESSEで人気の「ポイ活」にもチャレンジ中です。
「指定された場所の写真を撮影して送ると、ポイントが付与されるサービスがあって。散歩がてら、地味に続けてポイントを貯めています。こういう、ちまちました作業が向いているんです(笑)」
――里帰りはせず、東京での出産を予定しています。
「だから今のところ、実家の両親やチェリーさんのご両親からは、離れた場所から妊娠を見守ってもらっている感じなんですが…。ちなみにチェリーさんのお父さんとお母さんは、子どもができたのをすごく喜んでくれて、『内孫だあ』って。内孫って言葉、久しぶりに聞きました(笑)。
きっと孫が産まれたら、だれが祝い事の人形を買うとか、ランドセルを与えるのかとか、イベントの度に、産まれてくる子にまつわる珍事件が次々と起こるんですかね。それはそれでおもしろい人間模様が垣間見られそうだなと、ちょっと楽しみにしている部分もあります。
『女の芸人は、結婚や出産をしたらつまらなくなる』なんて言われていたのは昔の話。数年前まで飲んだくれていた女芸人仲間も、それぞれが家庭をもって落ち着いて。今でも『あの頃みたいに飲みに行きたい〜!』って話も出るものの、大人として次の段階に突入したのかなと。私も、今の自分の暮らし方を受け止めて、いただけるお仕事に向き合いながら、山で狩りができる日にも備えようと思います(笑)」
<撮影/林紘輝 取材・文/石井絵里>
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。著書に『処女芸人
』(扶桑社刊)がある
ここでは、妊娠したときの思いや、夫のチェリー吉武さんとの暮らしについて伺った前編インタビューに続き、出産を控えた今、自身のなかで変わってきた思いについて語っていただきます。
白鳥久美子さん
出産を控える白鳥久美子さん。今の心境は?
――芸人として活躍する一方で、プライベートでは暮らし上手との評判も高い白鳥さん。趣味のひとつにベランダの一画を使った野菜づくりがあり、今後も充実させていきたいそう。
芸人仲間のまぁこさんのお子さんが野菜嫌いと聞いたので、うちのベランダを野菜でみちみちにして、収穫させたやつを一緒にもぎ、腹いっぱい食べさせてやろうかなという思いもありましたね。ピーマンやじゃがいを育てて、息子さんに収穫体験をしてもらってます。女芸人ならではのおばゴコロが、ここでも炸裂(笑)。
自宅で栽培しているレタス(白鳥久美子さん公式ブログより)
レタスとかはすぐ育つので、もいでもいでも生えてきて楽しいですよ〜。春先は葉物、夏は夏野菜を植えて。秋は少しお休みし、冬は苗を買っておくんです。都会のベランダでも野菜はそれなりに育っていくものだなあと、やってみて思いました」
●女芸人仲間に広げたい、野菜の輪
――女芸人仲間への思いやりは、ここでも。
「ペットボトルに土を入れただけでもプランター代わりになるので、今、清水ミチコさんと、光浦さんと、森三中の黒沢さんの分も途中まで育ててます。
清水さんはもともと野菜栽培に興味があるらしいので『欲しいな〜』とおっしゃってくださって。光浦さんは、『姪っ子と一緒に育てたいから、白鳥さん、私が失敗しないレベルまで育てて』って。黒沢さんには、私がプレゼントしたくて、本人の了解も得ずにせっせと育ててます(笑)。
今年はメロン栽培にも挑戦したかったんですけど、出産があるので見送ることに。メロン、ベランダで育てると一鉢でひとつできるらしくて、なんだか豪華な話ですよね。果物の栽培は子どもが産まれてからの楽しみにしたいと思います」
●理想は、自給自足ができる生き方
――妊娠期間を含め、この一年余りのおうち生活を通して感じることもあったそう。
「これからの時代は自給自足ができる生き方のほうが楽しいんじゃないかなと。私の場合、コロナに罹ったこともあり、この一年ぐらいで人生、なにが起こるかわからないぞ、というのを実感しました。だったら都会暮らしにこだわり続けるよりも、いつかは大好きだった田舎に移住し、仕事と自給自足生活の二足のわらじもアリかな、なんて思うようになってきたんですよね。
夫のチェリーさんも都会が大好きな人だったんですが、最近では『田舎暮らしも悪くないかも』と言うようになっていますし」
――「あくまで理想です」と言いながらも、かなり具体的な自給自足プランを教えてくれた白鳥さん。
「行くなら、う〜んとひなびた場所がいいですね。地元の福島県も大好きですが、私の生まれ育った場所って、わりと中途半端な田舎なんですよ。ショッピングモールにはおいそれと行かれないところまで引っ込みたいです。
海か山かと聞かれれば、山派。山の中で鹿を獲ったり、薪を割ったりしたいですね〜! なんなら、山を丸ごとひとつ買ってしまったらどうかと思うぐらい(笑)。真っ暗な闇の中で夜を過ごし、生き物の気配に怯えながら暮らしてみたい…! 映画『ノマドランド』を見て、親子でキャンピングカー暮しも楽しそうだななんて思ったりも。
妊娠したと周りに告げたら、『じゃあ家を買うの?』と聞かれたりもしたんですが、私のなかでは、いまいち踏みきれないものがあって。やっぱり都会の定住暮らしはお金がかかるし、これからはそこまで人生設計を固めずに、もっと身軽に生きてもいいのかもしれません」
●地道にポイ活もやっています
――新しい生活のスタートを控えて、節約にも意識が向いているそう。
「食費を抑えるのと、NISAやiDeCoなどお金についての勉強も始めました。それと出産時に利用できる公的負担は、できる限り利用してやろうと思っています。ただし自分から情報を取りにいかないと受け取れない場合も多いから、結構がんばって調べて…。役所へ行って相談したり」
――ESSEで人気の「ポイ活」にもチャレンジ中です。
「指定された場所の写真を撮影して送ると、ポイントが付与されるサービスがあって。散歩がてら、地味に続けてポイントを貯めています。こういう、ちまちました作業が向いているんです(笑)」
――里帰りはせず、東京での出産を予定しています。
「だから今のところ、実家の両親やチェリーさんのご両親からは、離れた場所から妊娠を見守ってもらっている感じなんですが…。ちなみにチェリーさんのお父さんとお母さんは、子どもができたのをすごく喜んでくれて、『内孫だあ』って。内孫って言葉、久しぶりに聞きました(笑)。
きっと孫が産まれたら、だれが祝い事の人形を買うとか、ランドセルを与えるのかとか、イベントの度に、産まれてくる子にまつわる珍事件が次々と起こるんですかね。それはそれでおもしろい人間模様が垣間見られそうだなと、ちょっと楽しみにしている部分もあります。
『女の芸人は、結婚や出産をしたらつまらなくなる』なんて言われていたのは昔の話。数年前まで飲んだくれていた女芸人仲間も、それぞれが家庭をもって落ち着いて。今でも『あの頃みたいに飲みに行きたい〜!』って話も出るものの、大人として次の段階に突入したのかなと。私も、今の自分の暮らし方を受け止めて、いただけるお仕事に向き合いながら、山で狩りができる日にも備えようと思います(笑)」
<撮影/林紘輝 取材・文/石井絵里>
【白鳥久美子さん】
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。著書に『処女芸人
』(扶桑社刊)がある