中村江里子さんが今後目指す姿。「子どもの話を聞いてくれる」近所のマダムに
子どもに手がかからなくなって自分の時間が増えたとき、「これからの人生をどう生きよう?」と考える人も多いのではないでしょうか。
フランス人の夫と結婚し、パリに在住するフリーアナウンサーの中村江里子さんも、子どもたちが成長していくなかで、今後の自分の人生について考える時間が増えたそうです。
ここでは、中村さんにこれからの人生でやりたいことや、子どもたちに伝えている大切なことを語ってもらいました。人生を自分らしく楽しむヒントがきっと見つかります。
子どもたちが大きくなり、夫婦2人で過ごす時間が増えたという中村さん。
中村江里子さんご夫婦
「ロックダウン中でも散歩などはできるので、週末に『みんなで散歩に行こう』『買い出しに行こう』と、子どもたちをしきりに誘うのですが『宿題が大変だから2人で行ってきて!!』とか『勉強があるし、お留守番している』と、そっけない返事(涙)。結局、夫と2人でおしゃべりしながら散歩したり買い出しをしたり。自然に『近い将来、こうして2人だけでいる日が増えるんだね』って話をするようになりました」
中村さんには、今後さらに自分の時間が増えたらやりたいことがあるそうです。
「子どもたちのことで毎日バタバタすることが減り、自分の時間が増えたなら、私にはやりたいことがあります。それは児童心理学の勉強です。2年ほど前、インターネットで学校を探すことまではしました。けれども、その時はそのまま先延ばしに。自分の性格をよく知っているので、きっと勉強をしっかり頑張ることはできるだろう。ただ、それ以外のことが変わらずにできるかというと、それはできない。すると、ものすごい自己嫌悪に陥るだろう…。だから、今すぐではないけれど、数年後には、勉強をスタートさせようと考えました。そして夫にも宣言しました」
中村江里子さん
自分の子ども時代と比べて、世界は小さくなったと感じているという中村さん。
「今、私は自分の子どもや孫たちだけでなく、周りにいる子どもたちのために何かできることがあれば、と考えています、世界は小さくなりました。ITを駆使すれば、時差も距離も関係なく多くの人とつながることができます。また、さまざまな分野での発表の場も目の前にはたくさんあって、これまでだったら埋もれていた才能が、たった1日で脚光を浴びることもあります。私の子ども時代とは何もかもが違っています」
そんななか、子どもたちに伝えていることがあるそうです。
「子どもたちには、こう言っています。『ママの子ども時代が今より幸せだったとは言わない。世の中は過去とは比較ができないほど変化したし、もう過去には戻ることはできないのだから。だから今が一番いい! そう思って生きていってほしい。ただ、確実に言えるのは、世界は小さくなったけれど、あなたたちからはどんどん自由が奪われていると思う。これからもっと窮屈になっていくと思う。だから、つねに背筋を伸ばし緊張感を持っていないと。それはとても疲れることだけれど、その緊張感を失くしたら大変なことになる…。そんな時代になっているとママは思う』と」
中村さんが今の世の中に対して感じている危機感とは、どういったものなのでしょうか?
「今の子どもたちは、私たち大人が体験できなかったような楽しいことが100倍くらいあるかもしれない。でも、窮屈さも100倍になっている。脅かしているようですが、私にはそう思われます。たとえば、IT社会は確かに便利ですが、情報が無防備に流出する脅威はつねにありますし、人間関係もどこか監視的なものを感じます」
窮屈さも感じる社会の中で生きる子どもたちを見守りたい、と思っているという中村さん。
「そんな中で、いかに子どもたちの成長を見守ってあげられるのか? 疲れてしまった時には、どんなふうに抱きしめて癒してあげればいいのか? 少しの知識があることで、それがよりうまくできるのであれば…。そう思った時に、児童心理学を学びたいと思ったのです。いつの日か、『あの近所のマダムが何だか話を聞いてくれるよ』って、頼ってもらえるようになれたなら、とてもうれしい。昭和な感じですね(笑)。誰かのお役に立つことができるのであれば、それはこれから先の私の人生をさらに楽しく充実したものにしてくれるのではないか。そんなふうに思うのです」
自分の好きなものを大切にして、人生を前向きに生きる中村さんのすてきなデイリー・スタイルを、最新刊の『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)でもたっぷりと紹介しています。ぜひ、こちらもチェックをしてみてください。
※自身のライフスタイルを紹介している扶桑社ムック『セゾン・ド・エリコ』の人気連載をもとに大幅に加筆修正し、新規書下ろしを加えて構成しています。
<撮影/武田正彦 取材・文/ESSEonline編集部>
●教えてくれた人
本名・エリコ・バルト。1969年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリへ。パリと東京を往復しながら、さまざまなメディアで活躍。最新刊に、自身のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』(扶桑社刊)の人気連載をまとめた『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)がある。
フランス人の夫と結婚し、パリに在住するフリーアナウンサーの中村江里子さんも、子どもたちが成長していくなかで、今後の自分の人生について考える時間が増えたそうです。
ここでは、中村さんにこれからの人生でやりたいことや、子どもたちに伝えている大切なことを語ってもらいました。人生を自分らしく楽しむヒントがきっと見つかります。
中村江里子さんが語る、これから向かう先にあるもの
子どもたちが大きくなり、夫婦2人で過ごす時間が増えたという中村さん。
中村江里子さんご夫婦
「ロックダウン中でも散歩などはできるので、週末に『みんなで散歩に行こう』『買い出しに行こう』と、子どもたちをしきりに誘うのですが『宿題が大変だから2人で行ってきて!!』とか『勉強があるし、お留守番している』と、そっけない返事(涙)。結局、夫と2人でおしゃべりしながら散歩したり買い出しをしたり。自然に『近い将来、こうして2人だけでいる日が増えるんだね』って話をするようになりました」
●これからの人生でやりたいこと
中村さんには、今後さらに自分の時間が増えたらやりたいことがあるそうです。
「子どもたちのことで毎日バタバタすることが減り、自分の時間が増えたなら、私にはやりたいことがあります。それは児童心理学の勉強です。2年ほど前、インターネットで学校を探すことまではしました。けれども、その時はそのまま先延ばしに。自分の性格をよく知っているので、きっと勉強をしっかり頑張ることはできるだろう。ただ、それ以外のことが変わらずにできるかというと、それはできない。すると、ものすごい自己嫌悪に陥るだろう…。だから、今すぐではないけれど、数年後には、勉強をスタートさせようと考えました。そして夫にも宣言しました」
●変化する世界の中で、周りにいる子どもたちのためになにかできれば
中村江里子さん
自分の子ども時代と比べて、世界は小さくなったと感じているという中村さん。
「今、私は自分の子どもや孫たちだけでなく、周りにいる子どもたちのために何かできることがあれば、と考えています、世界は小さくなりました。ITを駆使すれば、時差も距離も関係なく多くの人とつながることができます。また、さまざまな分野での発表の場も目の前にはたくさんあって、これまでだったら埋もれていた才能が、たった1日で脚光を浴びることもあります。私の子ども時代とは何もかもが違っています」
そんななか、子どもたちに伝えていることがあるそうです。
「子どもたちには、こう言っています。『ママの子ども時代が今より幸せだったとは言わない。世の中は過去とは比較ができないほど変化したし、もう過去には戻ることはできないのだから。だから今が一番いい! そう思って生きていってほしい。ただ、確実に言えるのは、世界は小さくなったけれど、あなたたちからはどんどん自由が奪われていると思う。これからもっと窮屈になっていくと思う。だから、つねに背筋を伸ばし緊張感を持っていないと。それはとても疲れることだけれど、その緊張感を失くしたら大変なことになる…。そんな時代になっているとママは思う』と」
中村さんが今の世の中に対して感じている危機感とは、どういったものなのでしょうか?
「今の子どもたちは、私たち大人が体験できなかったような楽しいことが100倍くらいあるかもしれない。でも、窮屈さも100倍になっている。脅かしているようですが、私にはそう思われます。たとえば、IT社会は確かに便利ですが、情報が無防備に流出する脅威はつねにありますし、人間関係もどこか監視的なものを感じます」
●目指すは「話を聞いてくれる」近所のマダム
窮屈さも感じる社会の中で生きる子どもたちを見守りたい、と思っているという中村さん。
「そんな中で、いかに子どもたちの成長を見守ってあげられるのか? 疲れてしまった時には、どんなふうに抱きしめて癒してあげればいいのか? 少しの知識があることで、それがよりうまくできるのであれば…。そう思った時に、児童心理学を学びたいと思ったのです。いつの日か、『あの近所のマダムが何だか話を聞いてくれるよ』って、頼ってもらえるようになれたなら、とてもうれしい。昭和な感じですね(笑)。誰かのお役に立つことができるのであれば、それはこれから先の私の人生をさらに楽しく充実したものにしてくれるのではないか。そんなふうに思うのです」
自分の好きなものを大切にして、人生を前向きに生きる中村さんのすてきなデイリー・スタイルを、最新刊の『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)でもたっぷりと紹介しています。ぜひ、こちらもチェックをしてみてください。
※自身のライフスタイルを紹介している扶桑社ムック『セゾン・ド・エリコ』の人気連載をもとに大幅に加筆修正し、新規書下ろしを加えて構成しています。
<撮影/武田正彦 取材・文/ESSEonline編集部>
●教えてくれた人
【中村江里子さん】
本名・エリコ・バルト。1969年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリへ。パリと東京を往復しながら、さまざまなメディアで活躍。最新刊に、自身のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』(扶桑社刊)の人気連載をまとめた『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)がある。