今年の大型連休は比較的過ごしやすい日が続きましたが、例年5月から気温が上がり熱中症になる人が増える傾向にあります。

環境省と気象庁は4月28日から危険な暑さを知らせる「熱中症警戒アラート」の運用を全国でスタートしました。

高温多湿の日本の夏。これからの季節、特に注意したいのが熱中症です。

宇都宮市消防局 救命救急士 塩谷悠太さん:「春先から急に気温が上昇し、体が暑さについて行かず熱中症で救急搬送されるケースが増加している」

熱中症は気温が高くなるほど危険が高まりますが、要因は気温だけではありません。

気象庁はこれまで気温が35度以上になると予想される場合に「高温注意情報」を出していましたが、熱中症に大きく関わる湿度が反映されないことが課題となっていました。

このため環境省では湿度のほか日差しを浴びたときに受ける熱や地面、建物などから出る熱「輻射熱(ふくしゃねつ)」を反映した「暑さ指数、WBGT」を発表しています。

この暑さ指数が一定以上になった時に出されるのが今回運用が始まった「熱中症警戒アラート」です。(※高温注意情報は終了)

この警戒アラート、去年は関東甲信の1都8県で7月1日から10月28日に試験運用されました。

この結果、対象地域全体では26日、栃木県内では12日発表され、熱中症で病院に運ばれる人が増える傾向にあったといいます。

暑さ指数は4段階に分かれて、25を超えると警戒が必要です。

28以上31未満は「厳重警戒」で、外出するときは炎天下を避け、室内でも室温の上昇に注意する必要があり、激しい運動は中止します。

31以上は「危険」で、高齢者などは安静状態でも熱中症になる危険があり、外出はなるべく避けて涼しい室内に移動し、運動は原則中止です。

そして、重症や死亡が増える傾向となる33を超えるときに「熱中症警戒アラート」が発表されます。

栃木県健康増進課 石川敦郎主任:「アラートが出されたら不要不急の外出は避け、屋外やエアコンのない屋内での運動は原則中止。こまめに水分を補給し熱中症予防を」

熱中症警戒アラートは前日の午後5時と当日の朝5時に気象庁と環境省から発表されます。

一方でコロナ禍の新しい生活様式ではマスクの着用が求められています。

マスクをすると熱が体内にこもり易くなり、熱中症のリスクが高まるともいわれています。

栃木県健康増進課 石川敦郎主任:「屋外など周囲の人と距離がとれる場合、マスクは適宜外す。マスク着用時は意識して水分を取るよう心がける。少しずつ暑さに体を慣らすことが重要。軽めの運動などで暑さに備えた体づくりをしてほしい」

気象庁によりますと、今年6月からの3か月間の気温は平年並か、または高い予報となっています。

県や消防では意識して水分を補給をする、エアコンと換気を組み合わせるなど、熱中症に対する適切な対応を呼びかけています。

宇都宮市消防局 救急救命士 塩谷悠太さん:「高齢者にはエアコンが苦手な人や暑さを感じにくい人がいる。意識障害や自分で水分がとれないなどの症状が出た場合には救急車を呼んでほしい」