世界最大の自動車市場である中国だが、3年連続で新車販売台数が減少し、市場は低迷している。しかし、そんな状況でも日系車だけは販売を伸ばしており、2020年にトヨタは前年比10.9%増の179万7500台を販売し、過去最高を記録した。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界最大の自動車市場である中国だが、3年連続で新車販売台数が減少し、市場は低迷している。しかし、そんな状況でも日系車だけは販売を伸ばしており、2020年にトヨタは前年比10.9%増の179万7500台を販売し、過去最高を記録した。また、ホンダも同じく過去最高の162万6972台を販売し、前年比4.7%増となった。

 ドイツブランドや中国ブランドが軒並み販売台数を減らすなかで、なぜ日系車だけが好調なのだろうか。中国メディアの百家号はこのほど、その理由について分析する記事を掲載した。2つの要因が考えられるという。

 記事が挙げた1つ目の理由は「若者をターゲットにした販売戦略」が成功したことだ。中国では現在、1990年代生まれの「90後」と呼ばれる若者が消費の主力となっているが、日本の自動車メーカーは早くからこの世代にターゲットを定め、若者受けする車種を投入してきたという。しかも、若者が受け入れられるような価格設定としたことや、これまでは自然吸気エンジンが多かったものの、最近では中国人の好むターボエンジンを多く投入したことも功を奏したと分析した。

 もう1つの理由は「高い品質」だ。日系車の燃費の良さは有名で、その高い品質ゆえに耐久性があり、コストパフォーマンスが最高だと分析。質が高いので故障しにくく、中古車市場での下取り価格が高いことも人気の理由だという。

 中国の自動車市場全体が冷え込んでいるなかで、日系車の好調ぶりは際立っており、日系車の実力のほどをよく示していると言えるだろう。2021年の中国自動車市場は前年比で増加するとの見通しもあり、日系車はさらに販売台数を伸ばしていくと期待されている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)