24時間客室からホッキョクグマを観察できるホテル(画像は『Oddity Central 2021年3月15日付「Controversial Hotel That Offers 24/7 View of Captive Polar Bears Draws Criticism」(Photo: China News Service)』のスクリーンショット)

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慣れ親しんだ土地から連れ去られ、コンクリート床の檻のなかで一生を暮らすように言われたら…。このたび中国の黒竜江省ハルビン市で「どの客室からも24時間、ホッキョクグマを見ることができる」と謳うホテルがオープンし物議を醸している。『The Sun』『Oddity Central』などが伝えた。

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黒竜江省ハルビン市にある水族館とテーマパークからなる「ハルビン極地館」の敷地内に今月12日、世界初の“ホッキョクグマホテル”がオープンした。

約16億8千万円(1億元)が注ぎ込まれたというそのホテルは、ロシアと日本のデザイナーが手掛け、展示スペースを中心に21の客室が作られた。仕切りとして使われたのは33枚の強化ガラスで、各部屋から24時間、2頭のホッキョクグマを観察できる。1部屋のお値段は1泊約3万2千円(1888元)から約4万9千円(2888元)と決して安くはないが、試用期間中の予約はすでにいっぱいだという。

しかしながらこのホテルがオープンするやいなや、動物愛護家らから抗議の声が殺到した。実は2頭のホッキョクグマが暮らすのは自然とは程遠いコンクリートの床の上で、岩や雪はペンキを塗って作られた偽物なのだ。またプールは2つあるものの、ホッキョクグマが満足できるとは到底思えぬほど小さいのである。

動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)のアジア支部副会長であるジェイソン・ベーカー氏はホテルを猛烈に批判し、次のように呼びかけた。

「動物に苦痛を与えて利益を得ているホテルや施設には行くべきではない。」

ホッキョクグマは本来北極にいるべきで、動物園や水族館のガラスの箱、ましてやホテルにいるべきものではない。自然の中で暮らすホッキョクグマは一日に長くて18時間も活動し、行動圏内を数千キロも移動する。それが本来の姿であり、ホッキョクグマが心から楽しめる人生であろう。」

これに対しホテルのスポークスマンは「ホッキョクグマが暮らすのはホテル内の展示スペースだけではない。気温が最適で、大気汚染が酷くなければホテルの外に出ることも可能である」と反論した。

ちなみにこのニュースには、ホテルを非難する次のような声があがった。

「ゲストはホテルに飽きたら帰宅すればいい。でもホッキョクグマに行き場はない。家族から引き離され、故郷に戻れず、人間のエンターテインメントのために生きなければならないのならあまりにも悲惨だ。」
「常にライトに照らされ、たくさんの窓に囲まれた場所で過ごすなんてストレスに違いない。まずは人間を展示スペースに入れて試してみるべきよ。」
「大気汚染が酷い中国に連れてこられて、外に出ることも叶わない。それに気候が全く違う。絶滅の危機にある動物なのに許されることではない。」
ホッキョクグマは人間のおもちゃではない。」
「狭いプールをグルグルとまわりながら泳ぐなど、問題行動が出てくるはず。精神的に病んでしまうと思う。」
「大きな身体の動物があんなところに閉じ込められているなんてかわいそう。」
「すべてが偽物でできた空間。これは犯罪だ。」
「ペンギンだって狭いと感じる広さ。憤りを感じる。」
中国では高級ホテル。リッチな人のためのホテルなのだろう。金を出し、自分さえよければそれでいいのか。」
「展示スペースの環境は刑務所よりもひどい。ホッキョクグマたちは人間の金のために命を捧げなくてはならないのか。」

画像は『Oddity Central 2021年3月15日付「Controversial Hotel That Offers 24/7 View of Captive Polar Bears Draws Criticism」(Photo: China News Service)』『The Sun 2021年3月9日付「‘PROFITING FROM MISERY’ Bizarre ‘polar bear hotel’ where guests can watch miserable beasts from their rooms is slammed by activists」(Credit: Harbin Polarland)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)