カフェー「キネマ」で一番人気の若崎洋子をu演じr阿部純子
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 連続テレビ小説「おちょやん」(月〜土、NHK総合・午前8時〜ほか)で、カフェー「キネマ」で一番の人気を誇る女給・若崎洋子を演じている阿部純子。朝ドラで再びの共演となった杉咲花の印象や、役づくりの手がかりについて語った。

 「おちょやん」は、明治の末に大阪の南河内の貧しい家に生まれた竹井千代(杉咲)が、女優の道を駆け上がる姿を描く物語。阿部は千代とともに働く一番人気の女給で、美しく客のあしらい方も上手な洋子を演じている。

 阿部は2010年に映画『リアル鬼ごっこ2』のヒロイン役で女優デビュー(当時は吉永淳として活動)を飾り、主演を務めた河瀬直美監督作『2つ目の窓』での演技で大きな注目を浴びた。その後、ニューヨーク大学演劇科への留学を経て、現在の「阿部純子」名義で再スタート。最近では、主演を務めた『ソローキンの見た桜』『Daughters』をはじめ、『孤狼の血』『罪の声』などの話題作で存在感を発揮してきた。

 朝ドラでは「とと姉ちゃん」にも出演した経験を持つ阿部。今作も「絶対に受かりたい!」という気合でオーディションに臨んだというが、合格の知らせには「まさか自分が」と驚きもあったという。大阪府出身ということもあり、「NHK大阪制作の“朝ドラ”に出演できることを親や友だちもとても喜んでくれて、私自身もとてもうれしいです」と思いを明かす。

 そんな阿部が演じる洋子は、女優志望で華やかに見えるが、実は苦労人という役どころ。「女優になりたいけれど、家族もいるし、うまくいかない、どうしようってちょっと困っている。それを周囲に見せないように頑張っているのが、可愛らしい女性だなと思います。私には子どもがいないので、演じきれたかはわからないですけど、一生懸命やりました。あえていうなら、今2歳の甥っ子が役づくりの手がかりですかね。甥っ子が大好きで、よく会いに行ったりして家族のように接しているんです」と語る。

 「でも、実際にお芝居をしていたら、自分が叱っているシーンでは、悲しいけどそう言うしかない、どうしたらいいかわからないもどかしさとか、とまどいが全部湧き出てきました。洋子は心の根が優しい人なのかなっていう印象があります。もちろん女優としてもっとやっていきたいというプライドはあるんですけど、根っこにある部分、あたたかい部分が千代ちゃんとの出会いによってより一層出てくると思うので、そういうところを見てもらいたいです」

 千代を演じる杉咲については「柔らかな印象でいつも笑顔。『癒やし』というか、たくさん力をもらいました。杉咲さんとは『とと姉ちゃん』でも共演していて今回2回目なので、『ずっと同じ時代を行き来してるね』『ワープしてるね』と言いながら、撮影の合間もすごく楽しく過ごしていました」と心の支えになったそう。

 今後の展開については「出演している私自身も台本を読んでいて、次どうなるんだろうってすごくワクワクさせられるんです。女給のシーン以降も読ませていただいたんですけど、私もこうやって生きていかなきゃと背筋がのびる思いがしました。笑顔にさせられる、すごくおもしろい部分もたくさんあります。千代ちゃんがどんどん成長していく姿を見ていきたいなと思っています。どうなっていくんだろう、千代ちゃんの恋愛……とか(笑)、いち視聴者としても楽しみですし、そういった気持ちをご覧になってくださる皆さまにも、味わっていただけるんじゃないかと思っています」と期待を寄せている。(編集部・大内啓輔)