29日、東京・日比谷で水俣病公式確認50年を記念して行われる講演会「水俣病 新たな50年のために」で、壇上に安置される犠牲者の遺影(提供:水俣フォーラム)

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「公害の原点」と言われる水俣病の公式確認から5月1日で50年──。水俣病患者や市民でつくるNPO「水俣フォーラム」(東京都新宿区、栗原彬代表)は4月29日、東京都千代田区の日比谷公会堂で、患者や作家らの証言から水俣病事件を振り返る講演会を開催する。

 水俣病の実体験をもとに、事件の実態を語り継いでいる地元の漁師の緒方正人さんや作家の石牟礼道子さんらが、「水俣病 新たな50年のために」と題して講演。ノンフィクション作家の柳田邦男さん、作家の田口ランディさん、歌手の上条恒彦さん、劇作家の平田オリザさんも発言者として参加する。

 同講演会にあわせ、環境省や旧東京地裁跡、事件を引き起こしたチッソ本社跡など、日比谷の会場周辺にある同事件の舞台を、患者らとともに巡る見学会も開催。参加者には、かつて有機水銀で汚染された不知火海で採れた塩、海の色をイメージした青い布がそれぞれ手渡され、「叢想(そうそう)行列」として歩み、犠牲者の鎮魂や再発防止などを誓う。

 水俣フォーラムは、水俣病事件を語り継ごうと、1999年から年1回、東京で講演会を開いている。また、水俣病に関係する写真や資料、400人を超える犠牲者の遺影を展示する展覧会をこれまで16都市で開催し、11万人以上が来場した。

 叢想行列は午前11時から正午まで、講演会は午後2時30分から同6時まで、それぞれ開催。チケットは全席自由で当日1800円、前売りは1000円でチケットぴあとコンビニエンスストアの端末機で購入できる。問い合わせは水俣フォーラム(電話03-3208-3051)【了】

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