4月も半ばを過ぎると、さすがに桜の花は散ってしまったところが多いかもしれない。今年は新型コロナウイルスの影響で、花見の宴も自粛となって、いつになく寂しい春になってしまったようだ。

「高瀬川に桜の絨毯が」というコメントに添えて投稿されたのは、川面に散ってたまった桜の花びらだ。まさに春の風物詩といった光景だ。

投稿者は、京都市下京区にある「町家ホテル 京都高瀬川別邸」の公式アカウントである。この投稿には、12万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している。ツイッターには、こんな声が寄せられている。

「花筏(はないかだ)いうやつやなぁ...美しいなぁ」
「毎年桜を見に京都に伺うのですが、今年は諦めていたのですが、観る事が出来まして嬉しいです」
「ずっと在宅だから心が荒むけど、こういう風景を見ると洗われます」

まさに心が洗われるような光景だ。

見事な花筏ができた高瀬川とは、いったいどんなところなのだろう? Jタウンネット編集部は、写真を投稿したホテルに取材した。

高瀬川ってどんなところ?


「町家ホテル 京都高瀬川別邸」の公式アカウント (@kyototb)より

高瀬川は、江戸時代初期、角倉了以・素庵父子によって開削された運河である。以来、300年、京都の中心部と伏見を結び、物資を運ぶ水運に用いられたという。

この高瀬川で、花筏は毎年のように見ることができるのだろうか? ホテルの担当者は、

「実はSNSでたまたま見つけて初めて知りました。なので、毎年見られるものなのか分からないです」

と答えた。このホテルは16年に開業したばかりの比較的新しいホテルで、担当者も知らなかったようだ。


「町家ホテル 京都高瀬川別邸」の公式アカウント (@kyototb)より

高瀬川沿いの街並みは、なんとも風情があって、散歩に良さそうですね? と聞くと......

「当館がある五条通〜七条通のあたりは、喧騒から離れていて落ち着いていて、まさに散歩に適しています。この地域はかつて遊郭があった場所で、その面影を残す建物が点在しています。また、レトロな建物も多く、任天堂旧本社や明治時代から続く銭湯『梅湯』などがあります。素敵なカフェもいくつかありますので、散歩がてら立ち寄られるといいですね」

という返事が返ってきた。

任天堂旧本社など、レトロな建物も多いらしい。Jタウンネット記者は、遊郭はもちろん、銭湯やカフェについても、まったく知らなかった。花筏も良いが、高瀬川沿いの通りをゆっくり歩いてみたいと思った。読者はいかがだろう。


「町家ホテル 京都高瀬川別邸」の公式アカウント (@kyototb)より

ところで最近の新型コロナウイルスの影響はどうなのだろう?

「4月中の宿泊に関しては、新規ご予約の受付を停止しております。5月以降のご宿泊の予約は現時点では受け付けておりますが、新型コロナウイルスの状況次第では変更する可能性があります」

4月中は営業を縮小しているのだという。やはり相当な影響があるようだ。京都といえば、昨年は大変な混みようで、市内に宿を見つけるのも至難の業と言われていたが、なんという変わりようだろうか。


「町家ホテル 京都高瀬川別邸」の公式アカウント (@kyototb)より

5月以降、新型コロナウイルス問題に、収束の兆しが見えれば、状況は変わってくるかもしれない。

そうなれば、観光客が少ないうちに、京都に出かけて、高瀬川沿いの通りを歩いて、素敵なカフェをのぞいてみたい、Jタウンネット記者はそう思った。

「当館の自慢は、全部屋に備え付けております国産総檜風呂です。浴槽だけでなく、簀子や内壁まで国産の檜を使用しております」とホテル担当者。

明治時代から続くという名物銭湯「梅湯」に入ってみたいと思っていたのだが、ま、いいか、両方入れば......。