「年末食べまくり」も腹は凹む!運動・食事6秘訣
忘年会続きだからとダイエットを諦めていませんか? 飲み会翌日の過ごし方に気をつければ、年末年始も乗り切れます(写真:taa/PIXTA)
内科、循環器科の専門医として、数多くの患者と日々接している医学博士の池谷敏郎氏。血管、心臓などの循環器系のエキスパートとして『モーニングショー』(テレビ朝日)、『深層NEWS』(BS日テレ)などテレビにも多数出演しているが、過去15キロ以上の減量に成功し、57歳でも体脂肪率10.6%を誇ることはあまり知られていない。
その減量メソッドを全公開した著書『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える内臓脂肪を落とす最強メソッド』が13万部のベストセラーになっており、日テレ系列『世界一受けたい授業』(12月7日放映)にも出演した池谷氏が、「飲み会などたくさん食べる機会が多い年末でも『お腹が凹む食べ方過ごし方』」について解説する。
忘年会続き…ダイエットは諦めなければいけない!?
12月に入ると、「忘年会」「飲み会」「家族での食事」などでたくさん食べる機会が多くなりますよね。この時期はダイエットを続けている人でも、「1年の締めくくりだから」「1年間、お世話になったみなさんへのお礼もかねて」というような理由をつくったりして気持ちも緩みがちです。
しかし、どんどん飲み会が続いてしまうと「このままではダイエットは再開できないんじゃないか」「こんなに食べ続けてしまったから、もう無理かも……」と、ダイエットに対して「諦めモード」になってしまう人も少なくないと思います。
私の医院に通う患者さんの中でも「平均週3回前後の接待があって、自分が食べないわけにはいかない」という方もいらっしゃいます。確かに、仕事関係の飲み会などは、「ダイエット」を理由に参加を断るのは、なかなか厳しいことが多いかもしれませんね。
しかし、飲み会があった「翌日の過ごし方」を工夫すれば、たとえ飲み会が続いたとしても、諦めることなくダイエットを続けることができます。そして、その工夫はとても簡単にできるものばかりです。
ここでは、私がおすすめする「たくさん食べることの多い年末の時期でも『内臓脂肪』をためない6つのコツ」を紹介します。
まず、1つ目のコツが、食べすぎた翌日でも「朝食は抜かない」ということです。
電車の「ひと駅分」を効果的に利用する
【1】朝食は抜かず、ヨーグルトや野菜ジュースをとる
「医師が警告!『糖質制限したい人』、ここに注意」でも解説しましたが、朝食抜きはNGです。
「昨夜食べすぎたから……」という理由で、朝食を抜いてしまう人も多いかもしれませんが、午前中の集中力が低下してしまうだけでなく、ランチにドカ食いしてしまう可能性も出てきます。これではますます悪循環に陥ってしまいます。
ここでおすすめなのが、野菜や果物が入ったジュースやコーヒー、ヨーグルトなどです。「手づくりジュース」「蒸し大豆や蒸し黒豆をトッピングしたヨーグルト」「コーヒー」は私の朝食の定番でもあります。
ただし、ここで注意してほしいのは、コーヒーとヨーグルトは「無糖」にすることです。どれか一品でもいいので、とるようにしましょう。
【2】電車や家事の合間に「かかとの上げ下げ運動」
飲んだ翌朝の電車や家事は、とくにつらく感じると思いますが、「かかとの上げ下げ運動」をしてみましょう。家事の合間に、あるいは電車の中の吊り革につかまって「ギュッとかかとを上げて、止めて、下ろす」という簡単な運動です。
ふくらはぎの血管は、重力に逆らって血液を心臓に送り返すために、ポンプのような働きをしています。この運動をすることで、ふくらはぎの「血管のポンプ機能」が促進され、「血液循環の滞り」を解消するとともに、「脂肪燃焼」を促す効果も期待できます。だるい体もスッキリしてくるかもしれません。
この運動は1回1〜5分、1日に3セットほど行うのが理想的ですが、電車に乗っているときなら、例えば「ひと駅分やってみる」などでもいいと思います。
ちょっとの隙間時間でできるので、電車のなかだけでなく、仕事中でも気がついたときにでも少しずつやってみてもいいと思います。
ちょっとした運動では、「かかとの上げ下げ運動」のほかに「ドローイン」も効果的です。
ランチは意識して「たんぱく質」を多くとる
【3】「ドローイン」で下腹を凹ませる
「なぜ痩せない?「『お腹太りの人』が陥る5大盲点」でも紹介しましたが、お腹と背中がくっつくようなイメージで、下腹を凹ませる「ドローイン」も効果的です。
お腹を引っ込めたままで、呼吸は普段と変わりなく行います。たったこれだけのことですが、「体幹(インナーマッスル)」を鍛えてくれる強力なエクササイズです。
立っていても座っていても、歩きながらでもOKです。いつでもどこでもできるので、「かかとの上げ下げ運動」よりやりやすいかもしれません。
「ドローイン」をしようとすると、つい呼吸を止めたり、浅くなったりすることがありますので、普段の呼吸になるように気をつけましょう。
【4】コンビニを活用した「最強の調整ランチ」
ランチはできるだけたんぱく質がとれるメニューが理想なのですが、外食だと、どうしても糖質が多くなりがちになってしまいます。
そこで、コンビニをフル活用した「最強の調整ランチ」をおすすめします。
「コンビニ食は健康によくない」というイメージがあるかもしれませんが、選び方次第で「最強の調整ランチ」が可能です。ここで、いくつかメニューを紹介しましょう。
【スープカレー+もち麦】
スープカレーは一般的なカレーより低糖質。もち麦はかなり低糖質です。
【蒸し大豆入り春雨スープ+サラダチキン】
春雨スープに蒸し大豆を入れ、サラダにサラダチキンをのせます。栄養バランスも◎。
【コンビニサラダ+豚肉の生姜焼き(パック)】
ドレッシングなしでも野菜をおいしく食べられます。ゆで卵を追加してもOK。
私自身も、ランチはコンビニをよく活用していますので、ぜひ試してみてください。
5つめのコツは、入浴タイムを効率的に使った「自転車こぎ体操」です。
【5】お風呂で「自転車こぎ体操」をする
「シャワー派もOK!「お腹が凹む入浴法」3大秘訣」でも紹介していますが、湯船の中で「自転車こぎ体操」を行ってみましょう。入浴がちょっとしたトレーニングタイムに変わり、ダイエット効果も期待できます。
お風呂の中では、浮力とともに適度な水圧がかかるので、膝関節に過度の負担をかけずに、エネルギー消費量をアップさせることができます。下半身には全身の6〜7割の筋肉が集中していますから、下肢を動かすことは「効率のいい運動」なのです。
コツは、思い切りよく、バシャバシャやること。ただし、自分のペースにあわせて無理のない範囲で行ってください。のぼせやすい人、高血圧の人は負担が大きいので行わないでください。
【6】お風呂上がりに「1杯の氷水」
お風呂上がりは汗をかいて水分が失われていますので、入浴後の水分補給をしましょう。ポイントは「氷水での補給」にすることです。
人間には体温があるため、冷たい水を飲むとその分だけ「体温を上げよう」としてエネルギーを使います。このエネルギーは体内の糖分や脂肪を燃やしてつくるので、それだけ代謝がアップします。
ただし、大量に一気飲みはしないようにしましょう。氷水を一気に飲むと、血圧が上昇したり胃腸に負担がかかったりすることがあります。飲むときは、ゆっくり少量ずつ飲むようにしましょう。
2020年は「スリムな見た目」を手に入れよう
食べすぎが続いてしまったりすると、「せっかくダイエットを頑張ったのに、これでもう台なし……」と、諦めてしまいがちですが、食べすぎが続いてしまっても、そこでアウトではありません。そこで挫折しないで、そのときからまたスタートすればいいのです。
また、今回紹介したものでも、全部やろうとしなくても、その日にできるものをチョイスするだけでも大丈夫です。
「ちょっとしたコツと工夫」で、40代以降も、「内臓脂肪」を落とし、お腹を凹ますことは十分可能です。みなさんにとって2020年が、ダイエットを成功させ、「スリムな見た目」を手に入れることで「心も体も若返った健康な1年」になるよう、私もまもなく58歳を迎える医師として、応援しています。