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 ジョギングや過酷な食事制限よりも効果大で続けやすい!週2日の“ずぼらスクワット”で糖尿病は改善する!!

 糖尿病の治療では、薬での治療と食事療法がクローズアップされることが多く、運動療法は見すごされがちだ。しかし、血糖降下剤を服用せず、また、過酷な食事制限をしなくても、運動療法で血糖値を安定させることができる。

 運動療法といえば、ウォーキングを中心とする有酸素運動(酸素を必要とする運動)をお勧めする内科医がほとんどだが、うさみ内科院長の宇佐見啓治先生は、「ウォーキングは糖尿病の運動療法には向いていない」と断言する。
「歩くだけでは糖の燃焼の効率が悪く、代謝(体内で行われる化学反応)もあまりアップしません。また、高齢者は足腰が衰えているので、歩行中に転倒する恐れもあります。こうした点から、私は『有酸素運動を行っても、糖尿病体質の改善にはつながりにくい』と考えています」(宇佐見先生)

 それでは、どのような運動がよいのか? 宇佐見先生は、「筋肉を積極的に動かすと血糖値が下がるので、筋トレなどの無酸素運動がお勧め」と説く。
「私は、糖尿病は筋肉の糖代謝が低下して起こる病気だと確信しています。糖質を摂ると、腸から吸収された糖はブドウ糖になり、腹部臓器や脂肪組織、筋肉、脳に取り込まれます。この中で、ブドウ糖の取り込みの大部分を占めるのは、エネルギーの消費量が多い筋肉です。しかし、筋肉でのブドウ糖の取り込み率(糖代謝)が低いと、十分に取り込まれないまま血液中にあふれてしまい、糖尿病を発症させてしまうのです」(宇佐見先生)

★大きな筋肉を徐々に動かす

 また、筋肉の衰えも糖尿病の発症につながる重大な要因の1つだ。それは、血糖の調整をする「インスリン」というホルモンとの関係からも、見て取ることができる。
「インスリンは、ブドウ糖を細胞内に取り込む時に必要なもので、今までは、『糖尿病はインスリンの効きが悪くなったり、分泌量が減るなどして血糖値が下がりにくくなった結果、起こるようになる』と考えられていました。ところが、筋トレを行った時のエネルギー消費を調べたところ、筋トレ後にインスリンを使わなくても、ブドウ糖を筋肉の細胞に取り込めることが分かりました。つまり、筋トレをやれば、糖の代謝がアップするだけでなく、インスリンを使わずに血糖値を下げ、糖尿病体質を一掃させることができるのです」(宇佐見先生)

 とはいえ、糖尿病の改善だけが目的なら、ストイックに筋肉量を増やす必要はない。筋肉に蓄えられているエネルギー源のグリコーゲンを使い切れば、筋肉にブドウ糖が取り込まれにくい状態(インスリン抵抗性)が改善し、血糖値も自ずと下がっていくので、大きな筋肉をゆっくりと動かして、効率よくグリコーゲンを消費するようにしよう。

 そして宇佐見先生は、糖尿病の改善にお勧めの筋トレとして、「ずぼらスクワット」を推奨している。
「基本的には、ゆっくりとしたペースで行うスクワット(ひざの屈伸運動)です。これに独自のアレンジを加えることで、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンを効率よく使うことができるようになっています」(宇佐見先生)

★ゆっくりと筋肉を伸ばす

 ずぼらスクワットが、糖尿病の改善によい理由は2つある。1つは「大きな筋肉を集中的に鍛えられること」、そしてもう1つは「筋肉を伸ばす運動に重点を置いていること」だ。

 私たちの筋肉の約7割は、太ももやお尻、ふくらはぎといった下半身にある。「ずぼらスクワット」なら、こうした下半身の大きな筋肉を集中的に動かせるので、筋肉に貯蔵されたグリコーゲンを効率よく消費できるのだ。