HUAWEI P30 liteは3万円台でハイエンドなみの広角&トリプルカメラ搭載 コスパ最高の実力を探る

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ファーウェイは、いまやもっとも人気の高いハイエンドスマートフォンを提供するメーカーといってもよいだろう。

しかしファーウェイの本当の魅力は、高性能なモデルではない。
むしろ、格安なエントリーモデルなのである。

「HUAWEI P30 lite」は、昨年発売したSIMフリースマートフォンのヒットモデル「HUAWEI P20 lite」の後継機で、価格はなんと32,800円(税抜)だ。

現在、ファーウェイは、米中間での事案もあり、製品展開での不透明さがあるのは否めないが、そうした政治や経済の課題を抜きにして、今回は新製品であるP30 liteと向き合い、楽しんでみたいと思う。

スマートフォンの性能を司るプロセッサには、ミドルレンジの「HUAWEI Kirin 710(オクタコア)」を搭載。P20 liteより、CPUや3Dグラフィック性能などパフォーマンスが向上している。
このプロセッサは、日本市場において昨年発売の「HUAWEI nova lite 3」から搭載されており、価格と性能のバランスが良いことで知られている。

メモリーはハイエンドモデルに匹敵する4GBを搭載。内蔵ストレージは64GBもあるので、多くのアプリをインストールして楽しむことができる。また、外部ストレージとして最大512GBに対応したmicroSDスロットもある。本体に保存した写真や動画、音楽データが一杯になっても後から拡張可能だ。




画面サイズは、約6.15インチFHD+(1080×2312ドット)で、搭載するTFT液晶は色鮮やかで高精細だ。ディスプレイの解像度および品質に関しては、大手通信キャリアが発売するハイエンドモデルと遜色ないレベルと言って良いだろう。

画面上部には、インカメラ分のノッチがあるものの、しずく型の小さなものを採用しており、上部の通知が窮屈に見えることはない。このデザインは前述したnova lite 3の流れを組むシンプルで美しいデザインを踏襲している。

P30 liteの動作は軽く、高解像度で大画面ということもあり、2年、3年と長く使っていけるコストパフォーマンスの高さも魅力である。長期利用に際してはいざという時に役立つ、家電量販店やMVNOなどが提供する補償サービスと合わせることをオススメしたい。





ファーウェイのスマートフォンと言えば、高性能カメラのイメージが強い。
P30 liteも低価格ながら昨年のハイエンドモデルと同じ高性能「トリプルカメラ」を搭載する。

ベースとなるのは35mm判換算27mmの約2400万画素の標準カメラと、距離を測るための200万画素のカメラだ。これによって、「ポートレート」モードでは人物に対して立体的な照明効果を得ることができる。そのほか、背景をぼかす「アパーチャ」機能も搭載する。

この2つの機能を使い分けることで、一眼レフカメラで撮影したようなクオリティが高い写真に仕上げることが可能だ。

そして、標準カメラに追加された3つ目のカメラが超広角カメラだ。35mm判換算17mmの超広角レンズは、新しい撮影体験が楽しめる。


渋谷のスクランブル交差点を標準カメラで撮影



超広角カメラなら、周辺にどんな建物があるのかがわかりやすい


スマートフォンのカメラはデジタルズームによる切り出しで、離れた被写体でもクローズアップした写真を撮影することができた。

しかしながら、デジタルズームでは搭載するレンズより広い範囲を写すことは不可能だ。例えば、ワイドレンズアクセサリーをリアカメラに当てることで、少し広い範囲の撮影をすることは可能だ。
しかし「後付けのレンズでは画質が低下しぼやけた写真になってしまった・・・」
なんて経験をしたことがあると言う人もいると思う。

P30 liteに搭載する超広角レンズは、もちろん後付けではなく専用に設計されたものなので、高画質な写真撮影が可能である。

そもそも何故、超広角レンズがあると新しい撮影体験ができるのかということを説明しておこう。

例えば、旅先で目の前に広がる景色をスマートフォンで撮影しようとする場合、
景色の一部分しか画面に入らない。そうした場合、後ろに下がって写す範囲を広くする必要がある。こうすれば広い範囲を画面内に収めることができるのだが、こんどは景色とカメラの間の距離が離れ、手前に歩く人などが映り込んでしまう。
こうした好ましくない状況が発生し、思い通りの写真が撮れないケースが多くある。
また屋内など、後ろに下がるスペースが無いというケースもある。



リニューアルされるJR原宿駅、標準カメラで全体を撮影しようとすると歩道の奥の方へ下がる必要があり、目の前を通行する人がいなくなるタイミングで撮影する必要があった


超広角カメラがあれば、その場を動くことなく、広い範囲の撮影が可能となる。
広い範囲が写るので、グループ撮影も簡単だ。また、観光地で子どもと景色の記念撮影も、景色が広く写り込むのでどこで撮影したのかがわかりやすくなる。


超広角カメラなら、歩道の先から全体を撮影することができた


一見、なんとなく便利機能が追加されただけのように感じるかもしれないが、まさに今まで撮影できなかったシーンが、簡単に撮影できるようになったことがP30 liteの凄いところなのである。

パワースポットの巨大な樹木や、高台から見下ろす景色など、これまで一部分しか撮影できなかった被写体がより広く写せるようになる。
これまではハイエンドモデルだけの特権であった機能が、普及価格帯のモデルにも搭載されるようになったことで、コストパフォーマンス最高のスマートフォンに進化したと言える。


これでも広角レンズとしては広い範囲が写っている方なのだが、もう少し広く写したい



超広角レンズなら、同じ場所から全景を可能だ


プロセッサの性能向上や、RAMや内蔵ストレージの大容量化、充実したカメラのAI機能、そしてトリプルカメラなど。

いま格安なエントリーモデルは、コストパフォーマンスが非常に高いスマートフォンとなったのだ。


執筆  mi2_303