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ルノー・クリオRS220トロフィー

生産時期:2015年〜
現在価格:1万1500ポンド〜1万4000ポンド(157万円~191万円)

ルノー・スポール・クリオの中で最高の1台ではないかもしれない。しかし、ターボで武装したエンジンにパドルシフトと追加のエアロを組み合わせ、ワンメイクレースのカップカーに近い仕上がりだ。

EDCトランスミッションは少々癖があるが、トロフィー・シャシーによるマジックは素晴らしい。2016年のフェイスリフト以降のモデルではLEDヘッドライトなどの魅力的な装備も追加されている。

トヨタ・セリカGT-FOUR(ST205)

生産時期:1994年〜1999年
現在価格:3000ポンド〜1万2000ポンド(41万円~164万円)

トヨタがグループAラリーカーに仕立てたセリカの中ではあまり成功しなかったST205だが、中古車で買うならお買い得だ。2.0ℓターボは242psを発生し、現代の基準でも速い。

英国内での流通は少ないものの、海外から仕入れるという手もある。過度なチューンが施された個体は避け、ボディの錆やトランスミッションの異音も確認しよう。

アルファ・ロメオ155

生産時期:1992年〜1998年
現在価格:1500ポンド〜7000ポンド(20万円~95万円)

スーパー・ツアラーの中で最もクールな1台が、ガブリエル・タルキーニが操ったアルファ155だろう。1995年に登場したワイドボディ仕様はサーキットでこそ活躍できなかったが、公道ではその実力を見せつけた。

楽しめるハンドリングや騒々しいツインカムのエンジンが魅力のこのアルファはレアな存在になりつつある。しかし、市場に出てくる個体はよくメンテナンスされ、しかも安価なものが多い。

ヴォグゾールVXR8

生産時期:2007年〜2017年
現在価格:1万2500ポンド〜3万8995ポンド(164万円~532万円)

ハコ車レースの世界最高峰に触れたいのであれば、ヴォグゾールVXR8はうってつけだ。このクルマはオーストラリアのV8スーパーカーレースでの優勝経験も持つホールデンVEコモドーレほぼそのものである。

初期型では6.0ℓ、後期型では6.2ℓのV8をフロントに搭載し、6速MTまたはATを介して後輪を駆動する真のビーストだ。その洗練性では欧州製スーパーサルーンに及ばないが、その暴力的な走りが魅力だ。燃費はお察しの通りだが、このV8サウンドを聞けばアクセルを踏み込まずにはいられない。

トヨタGT86

生産時期:2012年〜
現在価格:7995ポンド〜3万ポンド(109万円~411万円)

ラリー、ワンメイクレース、ドリフトなど、GT86は多くのカテゴリーで活躍している。自然吸気エンジン、マニュアル・ギアボックス、それに後輪駆動という純粋な構成に加え、比較的軽量で安価ということも相まってレースでの活躍を目にすることが多い。

このクルマについては多くが語られているが、実際にその実力を試してみるのも良いだろう。グリップ限界が高すぎず、フラット4エンジンのサウンドを聞きながら手軽に走りを楽しめるクルマだ。2速のシンクロがやや弱いが、それより気をつけるべきは修復歴だろう。

三菱エボX

生産時期:2008年〜2016年
現在価格:1万995ポンド〜4万ポンド(150万円~548万円)

三菱は2008年にエボXを発売した時点でWRCからは遠ざかっていた。しかし、このクルマはグループNで数々の実績を残している。先代以前ほどの過激さはないが、日常使いでの扱いやすさは大幅に向上している。5速MTも用意されているが、6速DCTの出来はすばらしい。標準の300ps仕様でも十分に速く、エボらしい敏捷性も魅力だ。

中古車で探すのであれば、整備記録が残されていることは重要だ。4B11T型2.0ℓエンジンには手を入れられていないことが望ましい。AYC付きのリアデフはトラブルを起こすことも多い。

アストン マーティンV12ヴァンテージ

生産時期:2009年〜2013年
現在価格:6万9995ポンド〜20万ポンド超(958万円~2738万円超)

ここでポルシェ911GT3を挙げてしまうのは簡単だ。レースにそのまま出場できそうなルックスと、最新技術で武装し、実際にスポーツカーレースでも活躍している。

アストンのV12ヴァンテージGT3は2013年のデビューから昨年の引退までの間、英国のGTにおけるタイトルを4回獲得している。ロードカーでは大型のウイングこそ取り外されているものの、搭載されるエンジンは同じ517psの5.9ℓV12だ。

比較的小柄なボディにV12を押し込むのは少々強引にも思えるが、その仕上がりは素晴らしい。速いだけでなくそのサウンドやハンドリングも心を掴むだろう。そしてマニュアル・ギアボックスを搭載し、エレガントなスタイリングを持つ。

問題を挙げるとすればそのランニングコストだが、メンテナンスさえ怠らなければ壊れることは少ない。サスペンションのアライメントやクラッチの消耗は確認しよう。

番外編:本物のレースカーという選択肢

もちろん、実際にレースに出場するレースカーを買うという手もある。サーキットで使うのであれば良い選択肢だ。もちろん、公道走行不可のものが多いためサーキットまでの行き帰りにはトレーラーが必要だ。

しかし、ナンバー付きの車両を見つけることも不可能ではない。そしてワークス製のレースカーではなく草レース用のものであれば比較的安価に手に入る。

ケータハム・アカデミーの車両は良い例だ。1万ポンド(137万円)前後から入手可能で、1万2500ポンド(171万円)で公道走行可能かつトレーラーも付属する個体もあった。

ラリーカーという選択肢もある。日産マイクラF1000をベースにロールケージ、Avo製サスペンション、消化器、ランプポッドを装備し、2セット分のホイールと「素晴らしいサウンド」の横出しマフラーを装備する。

どちらを選ぶにせよ、非常に安価で週末のレースやラリーを楽しむことができるだろう。