Appleが2019年6月に開催したWWDC 2019で発表した最新のMac Proは、28コアIntel Xeonプロセッサ&最大1.5TBのメモリを搭載可能なモンスター機となっています。しかし、筐体部分のメッシュ構造が特徴的な見た目であることから、日本国内では「大根おろし」、海外でも「チーズおろし器」などと呼ばれてしまう事態に。そんなMac Proのメッシュパネルを使って本当にチーズがおろせるのかどうかを、YouTuberとして活動するWinston Moyさんが実験して確かめています。

Machining Apple's Mac Pro Grille on a CNC - YouTube

Appleが発表したMac Proは……



非常に特徴的な見た目をしています。



そのため、海外のメディアなどでも「チーズおろし器(cheese grater)」などと呼ばれてしまうことに。



多くの人が肝心のパフォーマンスそっちのけで、「本当にMac Proのメッシュでチーズがおろせるのか?」という点に興味を抱いています。



一見するとフレームに穴が空いただけのようにも思えるMac Proのメッシュですが、実は立体的な構造で非常に複雑な作りとなっています。



Moyさんは基調講演の内容などからメッシュの作りを推測し……



3DでMac Proのメッシュを再現したとのこと。



その後、CNC工作機械でアルミニウム合金を加工するために加工手順を構築。



実際にアルミニウム合金を加工していき……





出来栄えを確認します。最初のプロトタイプは、残念ながらメッシュの交差具合がAppleが発表した通りのものではありませんでした。



Moyさんは何度も試行錯誤を繰り返し……



Mac Proのメッシュパネルは単純な半球の組みあわせでなく、より曲線的に複雑な作りだったのではないかと考えて3D設計図を改良。



再び加工にチャレンジすると……



今度は前回よりも上手く行った様子。



バリを取り除き……



ショット・ブラストを行ってつや消しのためにサテン仕上げを施します。



複雑な工程を経てようやくMoyさん自作のMac Proのメッシュパネルが完成。早速「Mac Proのメッシュパネルでチーズがおろせるのか?」という疑問に挑戦します。



チーズをおろしやすい大きさにカットし……



メッシュパネルでおろし始めます。



確かにチーズが削れてはいますが、削った後の大きさはバラバラです。



お世辞にもMac Proのメッシュパネルはチーズおろし器として有能ではなかった模様。しかし、Moyさんは自作メッシュパネルの、よりよい活用方法を思いついたとのこと。



それは石けん置き。



立体的なメッシュ構造によって水がよく切れそうです。こうしてみると、Mac Proのメッシュパネルは石けん置きとして非常におしゃれなデザインをしています。



価格が5999ドル(約66万円)からといわれるMac Proのメッシュパネルで実際にチーズをおろそうとする人は多くないはずですが、実際にチーズをおろしたい場合はMac Proではなく専用のチーズおろし器を買った方が便利なようです。