茨城を「イバラギ」と誤植、中小機構が30年ずっと 「イバラキだとシステムエラーに」
経済産業省傘下の独立行政法人「中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)」が、郵便などの宛名で茨城のフリガナを「イバラギ」と誤って記載していたことが分かった。
Jタウンネットの取材に、中小機構の広報担当者が認めた。フリガナの記載ミスは30年以上前から続いているという。
渡邉 直太(@NaotaWatanabe)さんのツイートより (編集部で一部加工)
こちらの画像は、茨城県内の経営者・渡邉直太さんのもとに、実際に届いた中小機構からのハガキだ。確かに、「イバラギ」という誤った読みが振ってある。
マスターデータが間違っている
中小機構は2004年7月、前身となる3団体が統合する形で設立された独立行政法人。中小企業やベンチャー企業を対象に、事業者への助言や研修、共済などの事業を行っている。
先の画像を投稿した渡邉さんによると、「イバラギケン」との誤植があったのは、住所を確認する内容のハガキ。そのため渡邉さんは、茨城の読みを「イバラキ」と正しく直して返送した。すると、以下のような文書が届いたという。
渡邉 直太(@NaotaWatanabe)さんのツイートより
この送付状には「イバラキ」と本来の読みは把握しているものの、システムエラーになってしまうため、あえて「イバラギ」で登録している旨が記載されている。
なぜ、こうした誤植があるシステムが使われたままなのか。Jタウンネットは2019年6月17日、中小機構の広報課担当者に今回の問題について質問したところ、20日に回答があった。
まず、実際に「イバラギ」と誤った読みで送っているのかについては、
「事実です」
と回答。上記の送付状にある内容も事実で、機構のシステムで住所を印刷して郵送する場合、どうしてもイバラキが「イバラギ」になってしまうそうだ。
このようなシステムの間違いが続いているのか。
「昭和60年(編注:1985年)ごろに出来たシステムで、改修もしているのですが、システムのマスターデータが間違っています」(担当者)
今回のような「イバラギ」の間違いはシステムの大元のデータだという。つまり、30年以上にわたって「イバラギ」の誤植が続いているということだ。こうした状況について担当者は、
「調査しており、改修も検討しています。ただ、140万人の加入者がいらっしゃるので費用と時間がかかってしまうので...」
ともコメントしていた。