8角形を造形テーマに力強さと洗練さを表現

 全長4.6mのミドルサイズSUVとして誕生した新型RAV4はオクタゴン(8角形)の造形テーマを採用したことによって、タフさや安定感を感じさせるスタイリングを実現している。アドベンチャーには、オフロードのイメージを象徴する専用デザインが与えられた。

 ミドルサイズボディで登場した新型は、SUVとしての力強さやたくましさを感じさせながら、洗練されたデザインが与えられ、高い走破性をはじめとする頼もしい走りをイメージさせる。

 エクステリアデザインは標準車のほか、専用デザインのフロントマスクやボディ前後のスキッドプレートを装着することによって、オフロードのイメージをさらに高めたアドベンチャー(ガソリン車)を設定。アドベンチャーは大型のホイールアーチが装着されるので、ボディの全幅が標準車より10mmワイドになっている点も特徴として挙げられる。

 ヘッドライトはLEDタイプを全車に採用しているが、ガソリン車とハイブリッド車で仕様が異なる。ボディサイズは標準車で全長4600×全幅1855×全高1685mm。現行のハリアーより125mm短く20mm幅広い。全高は同レベルだ。最低地上高はアドベンチャーとG“Zパッケージ”が200mm、そのほかのガソリン車が195mm、ハイブリッド車が190mmを確保。

 アドベンチャーはボディ前後に専用デザインのスキッドプレートを装着するほか、専用の19インチホイールや大型ホイールアーチモールが採用した。

 バックドアガーニッシュはアドベンチャーとX系グレードがカラード。一方G系グレードではカラード+高輝度シルバー塗装仕上げとなり高級感を高めている。

 フロントのデザインはアドベンチャーと標準車で異なる。グリルはアドベンチャー(写真右)が無骨でワイルドなイメージ、標準車はハニカムデザインで上品な雰囲気だ。

 ヘッドライトユニットは上部にクリアランスランプ、内側にウインカーを配置。ガソリン車は3灯式(写真)、ハイブリッド車はBi-Beam式のLEDランプとなる。

 リヤコンビネーションランプはL字型テールランプの下部にウインカーとブレーキランプをレイアウト。バックランプはボディの内側に配置されている。

 ドアミラーカバーには全車にLEDのサイドターンインジケーターが備わる。足もと照明付きをグレード別に設定。

 助手席側ドアミラーには、運転席から死角になる車両側方下部を確認できる補助ミラーが、全車に装着されている。

 ホイールはアドベンチャーとG“Zパッケージ”がデザインの異なる19インチ、G/ハイブリッドGが18インチ、X/ハイブリッドXが17インチ。アルミホイールが全車に標準で装着される。タイヤサイズは順に235/55R19、225/60R18、225/65R17。

すっきりとしたインパネデザインなどで良好な視界環境を実現

 インテリアは視界や各部の操作性を高める、運転環境の向上に注力された設計が特徴だ。

 インパネは低く設定し、圧迫感を抑制。室内から見えないように設置したワイパーと合わせて、すっきりした前方視界を実現。そしてドアミラー取り付け位置の最適化や三角窓により、斜め前方の視界も良好だ。

 操作系では、テレスコピックステアリングのストローク量を従来の40mmから60mmに拡大したほか、アクセルペダルを従来のペンダント型からオルガン型に変更しつつ、足の角度に合わせて配置。さらにフットレストは従来より幅を拡大しつつ足裏形状に合わせて湾曲させるなど、よりストレスのかかりにくい、快適な運転環境を作り出している。

 インパネ周辺の仕立ては視界環境や操作性を高める策が随所に講じられている。低めに設定されたインパネは圧迫感を抑制し、キャビンの広々感に寄与。さらにドアミラーの取り付け位置の最適化や三角窓によって、前方だけでなく斜め前方の視界も向上させている。

 ステアリングホイールの右側スポークには、クルーズコントロールの車速や車間距離の設定ボタンや各種運転支援機能のスイッチを配置。左側はカーAVやハンズフリーのスイッチが並ぶ。

 プッシュエンジンスターターは全車標準装備。メーターフードの左下にボタン式スイッチが配置され、ステアリングホイールの内側から状態が確認可能だ。

 ダッシュボードの右下にはオートハイビームやステアリングヒーター(グレード別設定)などのスイッチが並び、その下にはETC車載器を配置する。

 メーターパネルは視認性とデザイン性が両立した3眼タイプを採用。中央は速度計、右側には燃料計や水温計、左側には回転計を配置。中央にはマルチインフォメーションディスプレイを搭載している。ドライブモードセレクトやマルチテレインセレクトの選択したモードによってカラーリングなどが変わるのも特徴だ。

 ハイブリッド車のメーターは左側がパワーインジケーターとなり、燃料計&水温計とともに目盛りがブルーカラーになる。なおメーターパネルは、X/ハイブリッドXはアナログ式で、それ以外のグレードはオプティトロン式を採用している。

 シフトノブの周辺には、電動パーキングブレーキのスイッチのほか、ドライブモードセレクトやマルチテレインセレクトのダイヤル(またはボタン)、ダウンヒルアシストコントロール(グレード別設定)といった、走行特性に関わる操作系が、手の届きやすい位置にすっきりとまとめられている。

 サンバイザーには運転席、助手席ともに照明付きバニティミラーが全車に標準装備。天井部分には室内灯や読書灯のほか、緊急時に専門オペレーターに繋がるヘルプネット用スイッチを設置する。

 室内&読書灯パネルの前方には、ワンタッチで開閉できるサングラス用のホルダーが設置されている。

 デジタルインナーミラーは、G“Zパッケージ”に標準装備され、他グレードではオプション設定とされた。

 全車ナビ・オーディオレスが標準で、写真のトヨタ純正ナビ・オーディオは販売店オプション扱いとなる。

 エアコンはフルオートで左右独立温度調整が可能。前席に備わる3段階の快適温熱シートはグレード別設定だ。

 インパネセンタークラスターはX系グレードがピアノブラック、それ以外はピアノブラック+高輝度シルバー塗装。センターコンソールボックスはG系以上では合成皮革巻きとなる。

シートは長時間の着座で疲れにくい形状を採用

 インテリアも洗練性が追求され、質感も高い。快適に移動できる空間を感じさせる仕上がりだ。

 シートは長時間乗車でも疲れにくい座面形状によりホールド感を高め、車両との一体感を向上させた。アドベンチャー専用のスポーティシートは、その以外のグレードに搭載されるベーシックシートと内部構造は同じだが、腰の動きを抑える形状を採用。ホールド感をさらに高め、アクティブな運転にも応えられる。

 後席は足もと、頭上ともに十分な空間を確保。大人2名でもくつろげる。リヤシートには2段階調整式のリクライニング機構が備わり、倒せばよりリラックスした体勢が取れる。

 アドベンチャー専用のスポーティシートは、腰の動きを抑える形状により、高いホールド感を発揮。カラーは写真のオーキッドブラウンのほかブラックも選べる。リヤクォーターガラスの拡大やリヤピラーの断面縮小化により、斜め後方も良好な視界を確保する。

 アドベンチャー以外のシートはベーシックタイプとなるが、確かなホールド感を実現している。運転席はX/ハイブリッドXが6ウェイのマニュアル式、それ以外のグレードは8ウェイのパワーアシスト機構が備わる。助手席は全車4ウェイのマニュアル調整式。シートカラーは写真のライトグレーのほか、ブラックも選択可能だ。

 サイドシルの高さは乗用セダンの標準より高めだが、ドアの開口角度が広めなので乗り降りはしやすい。ちなみにサイドシルの高さはハリアーと同レベル(寸法は編集部による実測値)。

 ムーンルーフは全車にメーカーオプション設定。X/ハイブリッドXはチルト&スライドの電動式で、それ以外のグレードは、フロント側にチルト&電動機構を備えたパノラマ式(写真)となる。

 インナードアパネルにもヘキサゴンの造形テーマが反映され、エクステリアとの調和が図られている。G系以上のグレードではショルダー部がステッチ付きのソフトタイプが採用されている。

 シート表皮はアドベンチャーが専用デザインの合成皮革、G系グレードは合成皮革(写真)、X系グレードはファブリック。カラーはどのシートでもブラックとライトグレー(アドベンチャーはオーキッドブラウン)から選べる。

クラストップレベルの荷室空間を確保

 高いユーティリティ性能が与えられたのも、新型RAV4の見逃せない特色である。

 荷室は、高さを2段階に調整できるデッキボードを採用したことにより、後席使用時の最大容量はクラストップレベルの580Lを実現。この容量は9.5インチサイズのゴルフバッグを横にして4つ積み込める。さらに分割可倒式のリヤシートによって、荷室スペースを多彩にアレンジできるようになっている。

 デッキボードはリバーシブルで、裏面が樹脂製になっている。汚れたものや濡れたものも気兼ねなく積み込めるから、レジャーやスポーツといったシーンで重宝しそうだ。

 荷室容量は後席使用時で542L(デッキボード下段時は580L)を実現。9.5インチのゴルフバッグなら4個を許容するスペースが確保されている。分割可倒式のリヤシートのアレンジによりほぼフラットに荷室を拡大でき、1.8m以上の長尺物も積み込める。なおトノカバーは全車販売店オプションである。

 荷室のデッキボードは2段階に高さが調整でき、下側にすると荷室高は880mmから935mmになり、後席使用時の最大荷室容量は580Lに拡大する。デッキボードはリバーシブルで裏面が樹脂製のため、裏返せば汚れ物などが積める。

 デッキボード下には標準装備の車載工具やパンク修理キット、三角表示板が収納されているが、スペースに余裕があるので、メンテナンス用品などの小物類ならしまっておける。応急用スペアタイヤは全車にオプションで設定。

 センターパネル下部にはスマートフォンなどが置けるトレイを設置。このトレイに備わるアクセサリーソケット(DC12V・100W)は全車に標準装備となる。

 インパネの助手席側にもスマートフォンなどが置けるトレイを設置。センターパネル下部のトレイとともにX/ハイブリッドX以外はソフトマット付きだ。

 大きな開口部を持つグローブボックス。大容量ではないものの内部がフラットな作りになっているので、いろいろな小物の整理に役立てることができる。

 蓋がセンターアームレストとして使えるコンソールボックス。スペースは限られるが深さ方向にゆとりがある。内側には充電用USB端子が2個設置されている。

 助手席シートバックポケットは全車に標準装備。書類などの薄いものなら、A4+α程度のサイズに対応している。

 後席用のエアコン吹き出し口はセンターコンソールボックスの後部に設置。こちらにもUSB端子が2個備わる。

 荷室の右側には小物が収納しておけるポケットを設置。下部にはネットまたは仕切り板が装着され、落下を防げる。

 荷室のサイドポケットの上側に設置するアクセサリーコンセントをオプションで設定。写真はハイブリッド車用だ。

 パワーバックドアはG/ハイブリッドGに標準装備。スマートキーを携帯していればリヤバンパーの下に足を出し入れするだけでバックドアが自動開閉するハンズフリーパワーバックドアは、G“Zパッケージ”に標準装備され、アドベンチャーとハイブリッドGにオプション設定されている。

 ドリンクホルダーは前後の各ドアのほかに、前席はセンターコンソールに2個、後席は折りたたみ式センターアームレストに2個、合計で8個分設置されている。前席センターコンソールに設置されるホルダーには内側に可動式のガイドが備わり、ドリンクを固定できるようになっている。