山本太郎参議院議員

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 4月10日の旗揚げの時には、なんで令和? なんで新選組? 選挙直前の売名? と疑問符ばかりだった、山本太郎参議院議員(44)の「れいわ新選組」。おまけに今夏の参院選に向け寄付金を募ることも発表し、「1万人から1人1万円ずつで1億円になる」とぶち上げたため、政治部記者たちの失笑を買った。

 ところがどうして、寄付金は、あれよあれよという間に1億円を軽く突破。6月4日現在、1億6292万円も集まっている。

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 山本議員と言えば、11年3月11日に起こった東日本大震災の翌月から、タレントでありながら反原発運動をスタート。政治団体「新党 今はひとり」を立ち上げ12年12月の衆議院議員選挙に出馬したが落選し、13年7月の参院選で東京選挙区から生活の党、社会民主党、緑の党、新社会党の支援を受けつつ、無所属で立候補し当選した。

山本太郎参議院議員

 国会議員となるや、秋の園遊会では明仁天皇(当時)に手紙を手渡そうとして、厳重注意を受けたこともあった。

 当選後しばらくは無所属だったが、14年12月に小沢一郎代議士が率いる「生活の党」に入党。党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」に改めさせた。以後、山本氏は小沢氏を政治の師とし、「自由党」では共同代表を務めてきたが、今年4月10日に離党を表明。同時に政治団体「れいわ新選組」を立ち上げた。

 そもそも山本氏の俳優として代表作は、NHK大河「新選組!」(04年)における新選組十番隊組長の原田左之助役である。ちなみに原田は、鳥羽・伏見の戦いに敗れ京を去った後、仲間の近藤勇や土方歳三とは別れ、戊辰戦争のひとつ上野戦争で彰義隊に加わって亡くなったと伝えられる(享年29)。

れいわ新選組への寄付金

「政治団体のマークには、新選組の羽織につけたダンダラ模様もありますし、彼が“新選組”の名を使いたい気持ちはわかりますけどね。だけど、新選組と言えば、倒幕運動を展開する志士たちを取り締まった幕府側、つまり体制側の組織じゃないですか。当然、会見では、そうした質問も出ていました」(政治部記者)

 だが、山本氏はこう言い放ったという。

〈新選組は、新しく選ばれる人たちの意味。新選組は幕府側だったというツッコミはあると思うが、今の権力者はこの国の国民だ。国民にお仕えしたい〉

「タレント時代はトークが下手と言われたそうですが、国会議員を6年もやると喋りも上手くなるものです。辻立ちの演説もサマになっていますしね。新選組は“維新”に負けるから縁起が悪いのでは、という記者の質問にも、『維新(の会)は政権側にベッタリだから、気にしてない』とも答えていました。考えようによっては、薩長を取り締まった新選組ですから、長州(山口県)出身の安倍さんに対して反安倍路線を打ち出すにはいい名前かもしれません」(同・政治部記者)

 その際にブチ上げたのが、冒頭でご紹介した寄付金である。

すでに公認候補も発表

「発表されたときには、みんな鼻で笑っていたんですけどね。だって、『1万人から1人1万円ずつで1億円になる』と言われても、確かに計算上はそうなりますが、誰が出すのかと思いましたよ。国会議員は政治資金パーティー等で金を集めるわけですが、17年の政治資金収入を見るとトップは自民党の安倍さんで1億7596万円、2位は立憲民主の枝野(幸男)代表で9348万円です。これに対して、山本氏は5月末までに1億円と言っていた目標を軽々と上回り、5月31日の会見では『およそ1万人から1億5089万円集まり、3億円も見えた』とまで言っていましたからね。永田町でも驚きの声が上がっています」(同・政治部記者)

 Twitter(6月4日)での発表では、さらに1億6292万円まで増えた。寄付は流行りのクラウドファンディングではなく、古式ゆかしい銀行振り込み(クレジットカード可)で行われている。

 公式ホームページの応募フォームに、住所・氏名・寄付金額など必要事項を入力して送信すると、振込先口座番号が知らされるというもの。気になるのは、Twitterで発表される寄付金額の表記が〈先月の会見から本日までの間に【○億○○○○万円】のご寄附のお申し出を頂きました〉となっていること。振り込まれた金額とはなっていない。応募フォームに入力しただけで、実際には振り込まない“ヒヤカシ”などはいないのだろうか。

 山本事務所に聞くと、「担当者でないとわかりません。また、Twitterやホームページで公表された以上のことはお答えできません」と言うのみ。

 公表されている「ご寄付のお願い」には、この寄付金額に応じて、選挙活動費に使う旨が記されている。

 寄付金が1億円に満たなければ、東京選挙区より山本氏のみが挑戦。

 3億円が集まれば、参院選で10人(選挙区5人、比例区5人)を擁立。

 5億円が集まれば、参院選・選挙区の2人区以上の全ての選挙区に候補者を立て、比例代表で25人を擁立。

 さらに10億円が集まれば、衆参W選挙を見すえ、参院選に加え、衆院選の比例代表全11ブロックに45人の候補者を立てる……実際に振り込まれていればの話である。 

「少なくとも、山本氏、一人の挑戦ではなくなり、5月31日の会見では、拉致被害者家族の蓮池透さんを公認候補予定者として発表しました。蓮池さんには自宅のある柏崎まで山本氏が訪ねて出馬要請をしたそうですが、他にもアプローチしたい人が複数いると語っています。またホームページでは、寄付と一緒に立候補者の募集もかけており、すでに119人(参院81人、衆院38人)からの申し込みがあったとか。さらに、山本氏自身も衆参W選となれば、どちらに出るかもわからないと言っています」

 ちなみに山本氏、恩師である小沢氏と袂を分かつ際、こう言われたという。

「多くの方が理解するかどうかは私にはわからない。あなたの政治生命を失うことを含めた賭けになるね」

 果たして?

週刊新潮WEB取材班

2019年6月10日 掲載