エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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ベーブ・ルース記念館のハーン館長が大谷へ熱いメッセージ「二刀流として成功するとしたら彼」

 米メリーランド州ボルティモアにあるベーブ・ルース記念館のショーン・ハーン館長が10日(日本時間11日)、Full-Countの取材に応じ、エンゼルス・大谷翔平投手の二刀流としての成功に太鼓判を押した。2004年から同記念館の館長を務める同氏は、「二刀流として誰かが成功するとしたら、それは彼。私は彼が離脱前のようなパフォーマンスを見せてくれると思います」とエールを送りつつ、「彼は本物。恐らく最もフィールド上でのベーブ・ルースに近い存在だと思います」と後継者に指名した。

 ベーブ・ルース記念館はボルティモア出身の野球の神様ベーブ・ルースの生家。オリオールズの本拠地オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズから徒歩10分圏内にあり、現役当時の貴重な写真や愛用品の数々が展示されている。

 大谷はメジャー1年目の昨季、投手で4勝2敗、防御率3.31。打者では打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁をマークした。同一シーズンに4勝&15本塁打を達成したのは1919年のベーブ・ルース以来99年ぶり、とシーズン中に最も比較されたのはルースだった。二刀流・大谷の登場で蘇るルースの偉業の数々――。同館長は熱い口調で切り出した。

ベーブ・ルースファンなら誰でもショウヘイ・オオタニのことを本当に本当に喜んでいると思います。彼は運動能力が高いだけでなく、プレッシャーにも対応できます。投手と打者としての両方の能力を持っています。彼は(ルースのような)スタイルと美しさを持っていると何度も示してきました。ベーブ・ルースの娘は彼がアメリカにやって来た時にワクワクしていました」

 大谷は昨年10月1日に右肘のトミー・ジョン手術を受け、5月7日の敵地タイガース戦で打者として復帰。今季は打者1本でシーズンに臨む一方、投手復帰へ向けたリハビリを続けている。これまで前例のないリハビリとなっているが、同館長は打者としての今季の成功を確信している。世界中のメディアから「ベーブ・ルースの再来」と注目される中で結果を残してきたからだ。

「彼を見てきた人なら皆、手術を受けたことで少し慎重になると思います。しかし、私は彼が治療とリハビリに関して正しいことをしたと思いますし、時間が経てば、彼は間違いなく以前の姿を取り戻すことができると思います。彼は最初アメリカに来た時からメディアのプレッシャーにも上手く対応しているように思います。アメリカでもう少し時間を過ごして経験をつめば、アメリカのメディアにもより対応しやすくなるでしょう。彼は活躍すると思います」

ルース博物館館長が大谷を評価する理由とは?「フィールド外では全くルースのようではない」

 ここまで大谷を高く評価しているのは、その人間性を高く評価しているからだ。ベーブ・ルースはド派手、不摂生な暮らしぶりだったが、大谷はシーズン中の食事はほとんど“球場メシ”。洋服などの買い物も必要最低限で、まさに野球一筋の生活を送っている。

「テレビなどで見る限り、彼はフィールド外では全くベーブ・ルースのようではありません。(ベーブ・ルースと比べて)彼はずっと静かで、控えめです。そのため、彼はトラブルに巻き込まれる可能性が低いでしょう。ベーブ・ルースのように障害となるものがなく、彼には長いキャリアを送ることができる可能性があります。野球は厳しい世界です。1シーズン良い成績が残せたとしても、翌シーズンは酷い成績となることもあります。しかし、現時点で私が見る限り、彼は本物です。過去100年の間で、彼は恐らく最もフィールド上でのベーブ・ルースに近い存在だと思います」

 大谷の二刀流復活は2020年以降。同館長は二刀流として球界を盛り上げたルースのような活躍を期待している。

「二刀流として彼がやって来た時の期待は並外れていた。彼が二刀流を続けようとしていて、どのような結果になるのかは分かりませんが、ベーブ・ルースのように、上手くいくシステムを持っているように思います。二刀流として誰かが成功するとしたら、それは彼だと思います。彼が素晴らしい防御率を残し、多くの本塁打を打ったのは1シーズンだけではありません。多くの異なる状況下で彼は何度も示してきました。私は離脱前のようなパフォーマンスを見せてくれると思います」

 大谷は10日からのオリオールズ3連戦がルース生誕の地・ボルティモア初見参。「3番・指名打者」で4戦連続フル出場し、2打席連続三振に倒れるなど5打数無安打と結果を残せなかったものの、野球の神様の関係者も大谷のプレーに熱い視線を送っている。(Full-Count編集部)