急坂の多いトルコ最大の街、イスタンブール。やたらと坂の多い街で観光するのはなかなか大変ですが、そのぶんいいこともあります。

それは、思いもよらぬ時に素晴らしい景色に出会えること。

イスタンブール最高峰のチャムルジャの丘や、イスタンブールの七つの丘のうちのひとつに建つスレイマニエ・モスクからの景色などは有名ですが、まだまだ隠れた絶景の名所があるのがこの街の魅力なのです。

ボスポラス海峡がヨーロッパとアジアにわかつこの街のヨーロッパ側に、「ジハンギル」という地区があります。スレイマン大帝とヒュッレム妃の間に生まれた息子ジハンギルは、生まれつき病弱で若くしてこの世を去ってしまいました。スレイマン大帝は、そんな我が子のためにこのあたりにモスクを造らせたことから、彼の息子の名がこの地区の呼び名として定着しました。

ジハンギルはカバタシュやトプハーネあたりからタクシム広場の間に位置する、迷路のような坂が続くエリア。おしゃれなカフェやアンティークなお店、こじんまりとしたホステルや小さなスーパー、住宅地が密集し、飾らない庶民の生活を垣間見ることができる地区です。

そんなジハンギルを歩いている途中、ふとボスポラス海峡の方へ目を向けると、そこにはなんとも素晴らしい景色が。

海峡の向こうに見えるのは、世界遺産にも登録されている「イスタンブール歴史地区」。トプカプ宮殿、アヤソフィア博物館、ブルー・モスクが綺麗に並び、そのひとつひとつのシルエットをはっきりと見ることができます。手前に大きく見える新市街のモスクとのコラボレーションも絶妙です。有名な観光スポットからは少し離れているため、喧騒から逃れて静かな時間を過ごすことができます。

ジハンギルはガイドブックなどでもあまり詳しく紹介されていないせいか、観光客も少なく、いわば穴場スポットです。散策途中に海側に目を向けると、なんとも美しい景色が広がるジハンギル。ここを歩けば、イスタンブールの新たなる魅力を発見できるかもしれません。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

名前 ジハンギル地区
所在地 Cihangir Mahallesi 34433 Beyoğlu Istanbul