新しい販促アイデアを常に考えていたら、ある時突然望外な結果を出してしまったスーパーがあります。なんと、昨年の売上に比べて120%増というから驚きです。無料メルマガ『販促アイデアと経営活性化』の著者で、30年以上にわたる営業現場での経験を活かし販促専門家として活躍中の前沢しんじさんが、その戦略を大公開しています。

価格を少し変えて広告して昨対120%

なんかいい販促アイデアがないかといつも考えていると、ひょんなことから思わぬ結果がでることがあります。今回紹介する新聞広告の「5恩返し・5づくし」セールがまさにそれで、「ご愛顧に感謝しての御恩返し」にちなんで、ふだんは8円とか9円を語尾に付けるところを「5」に変えただけなのですが…、結果は驚きの昨対120%!

こんな広告です。

とはいうものの…いくら語呂合わせだからといって単純に5に変えればいいものではありません。お客さまは買い物のプロ。ふだんの価格をよくご存知です。結果的に値上げになってしまうと「なんだ。高くなってる」なんて簡単に見破ります。逆効果です。店が困るくらいが、お客さまにとって魅力があるのです。よく考えて値付けをしなければなりません。

今回はいつものカード3倍を5倍にして、よりお値打ちを訴求したことも120%という結果が出た大きな要因です。

販促ツールも充実させること

いつもここで書いていますが、販促ツールは新聞広告だけでなく、総合的に訴求しないとせっかくの企画がもったいない。ですから、POPをはじめレジでの手渡し予告チラシ、ひと声かけなど怠りなく。

そして当日は目玉品や広告の品はボリューム陳列します。大事な、いちばん売りたい品は、特設売り場や大量陳列、POPなどでしっかり売り込みましょう。目玉品だけを買われて、はいおしまい、儲かりませんでした! では何をしてるかわかりません。しっかり売りたい品を売り込むこと。

予告と本告の大型POPはこれです。

このPOPは、109センチ×79センチの白い模造紙に筆で書くので、大きくてとても目立ちます。誰でも書けます。上手に書くのでなく、売りたい! という気持ちで書けばいいのです。

結果

売上げ昨対120%。ちょっとしたヒントを販促に生かす。上出来です。冒頭に書きましたが、「なんかいい販促アイデアがないかな」などといつも考えていると、考えていない時でも頭の片隅には存在しているようです。脳は水面下で働いてくれているんですね。それがあるときふと思いだすように浮かんできます。企画の仕事をしているとそんなことがよくあります。

つまりですね、ふだんから常に、なにかの解決策をさがす問題意識を頭のなかにおいておくと、脳が勝手に働いてくれて、あるとき舞い降りてくると。

大事なことは「いつも問題意識をもっていること」です。

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