2019年卒学生の採用について3社に1社が「採用予定数の確保は難しい」と回答していることが、マイナビ(東京・千代田、中川信行社長)の実施した「2019年卒マイナビ企業採用活動調査」で明らかとなった。

 全国の企業3008社を対象に6月時点の採用活動動向を聞くと、採用数確保についての感触は、前年より3.1ポイント高い33.8%が「予定数の確保は難しい」と回答した。「ほぼ予定数を確保できそう」は24.3%(前年比 0.3ポイント増)」にとどまった。

 企業規模別に見ると、「ほぼ予定数を確保できそう」と回答する割合は、従業員1000人以上で35.0%、従業員300〜999人で27.1%、従業員300人未満で25.4%となり、従業員数が少なくなるほど予定数の確保が難しいようだ。

 業種別に見ると、「予定数の確保は難しい」という回答が多いのは、「建設」(41.8%)と「小売」(41.0%)。一方、「マスコミ」のような学生の認知度や人気が高い業種では「予定数の確保は難しい」は10.2%で、「ほぼ予定数を確保できそう」が59.1%に上った。

 地域別では、「四国」のみ「予定数の確保は難しい」(40.5%)と回答した割合が4割を超えた。

 今後、追加の選考機会を設けるか聞くと、65.0%が「はい」と回答した。

 マイナビでは今後の動向について「学生の内定率(6月末時点)は76.3%に達しているが、厳しい採用環境と見通しの悪さから、夏以降も採用を継続する意向の企業は多い」と指摘する。

 特に、「従業員規模別では“300人未満”、また“非上場”で継続すると回答した割合が高く、中小企業の採用の厳しさがうかがえる。業界別に見ると、採用予定数について厳しいという回答の多かった“建設”“小売”のほか、“サービス・インフラ”“商社”“ソフトウエア・通信”も活動継続の意向が強い」と分析している。

 調査は、2018年6月5日〜19日、採用支援サイト「マイナビ新卒採用サポネット」会員や新卒採用実績のある企業の採用担当者などを対象にWEBフォームからの回答を依頼し、3008社の有効回答を得た。(上場239社・非上場2769社、製造1129社・非製造1879社)