仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の2017年度の労災請求件数が1732件に上ったことが、厚生労働省がまとめた「過労死等の労災補償状況」で分かった。前年度と比べると146件増加となる。

 精神障害の労災請求件数は、2013年度に1409件、2014年1456件、2015年1515件、2016年1586件と増加傾向にあったが、2017年度はさらに大きく増え1700件を超えた。

 支給決定件数は506件で前年度から8件増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比14件増の98件だった。

 業種別請求件数は、「医療・福祉」313件、「製造業」308件、「卸売業・小売業」232件が多く、支給決定件数は「製造業」87件、「医療・福祉」82件、「卸売業・小売業」65件が多い。

 職種別請求件数は、「専門的・技術的職業従事者」429件、「事務従事者」329件、「販売従事者」225件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」130件、「サービス職業従事者」70件、「事務従事者」66件の順に多い。

 年齢別では、請求件数は「19歳以下」17件、「20〜29歳」363件、「30〜39歳」446件、「40〜49歳」522件、「50〜59歳」318件、「60歳以上」66件。

支給決定件数は「19歳以下」6件、「20〜29歳」114件、「30〜39歳」131件、「40〜49歳」158件、「50〜59歳」82件、「60歳以上」15件となっている。

 支給決定の具体的な出来事は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」88件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」64件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」63件が多い。

 脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は840件(前年度比15件増)、支給決定件数は253件(同7件減)となった。