2019年の新卒採用予定者数は、すべての学歴で前年と比べて「増加」するとした事業所が「減少」とする事業所を上回ったことが、厚生労働省の5月の労働経済動向調査で分かった。

 2019年の新卒採用予定者数が前年と比べて「増加」するとした事業所は「高校卒」(28%)、「高専・短大卒」(16%)、「大学卒(文科系)」(19%)、「大学卒(理科系)」(21%)、「大学院卒」(11%)、「専修学校卒」(13%)となった。

 前年の5月調査の回答と比較すると、高校卒では前年より上昇、大学卒(文科系)、大学卒(理科系)では横ばい、高専・短大卒、大学院卒、専修学校卒では前年より低下した。

 減少するとした事業所は「高校卒」(5%)、「高専・短大卒」(3%)、「大学卒(文科系)」(4%)、「大学卒(理科系)」(3%)、「大学院卒」(2%)、「専修学校卒」(2%)にとどまり、すべての学歴で「増加」とする事業所が「減少」とする事業所を上回った。

 2019年新卒採用予定者数が「増加」するとした理由を学歴別にみると、高校卒、大学卒(文科系)、大学卒(理科系)で「長期的に育成することが必要な基幹的業務を担う者の確保」、高専・短大卒、専修学校卒で「前年は新規学卒者の確保が十分できなかった」、大学院卒で「技術革新への対応・研究開発体制の充実」が最も多かった。

 5月1日現在、未充足求人がある事業所は全体の53%。産業別に見ると、「医療・福祉」(70%)、「宿泊業・飲食サービス業」(65%)、「運輸業・郵便業」(61%)で6割を超えている。

 正社員等の労働者過不足判断D.I.(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値)は37ポイントとなり、28期連続の不足超過となった。
 
 正社員等の労働者過不足判断D.I.は全ての産業で不足超過となっているが、特に「建設業」、「運輸業・郵便業」、「情報通信業」で人手不足を感じている事業所の割合が多い。

 一方、パートタイムの労働者過不足判断D.I.は30ポイントで、35期連続の不足超過となった。正社員と同様にすべての産業で不足超過の状況となっているが、特に「宿泊業・飲食サービス業」、「生活関連サービス業・娯楽業」で人手不足を感じている事業所の割合が多い。

 2017年1〜3月に中途採用を実施した事業所は全体の64%で、前年同期を1ポイント上回った。

 産業別に見ると、「医療、福祉」(78%)で7割を超え、「不動産業・物品賃貸業」(68%)、「運輸業・郵便業」(67%)、「サービス業」(65%)、「製造業」(63%)、「生活関連サービス業・娯楽業」(63%)の5産業で6割台となった。

 最も割合の低い「建設業」では45%となった。

 今後、4〜6月では66%の事業所が中途採用を予定している。

 調査は主要産業の30人規模以上の事業所のうち5835事業所を抽出して実施し、2412事業所から有効回答を得た。